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ブランド調査とは?具体的な調査方法、進め方6ステップを解説

ブランド調査とは?具体的な調査方法、進め方6ステップを解説


宮崎桃

Jan 22, 2026

自社ブランドが市場でどう評価されているか、どのように把握したらよいのでしょうか。感覚に頼った戦略では、移り変わりの激しい市場で競合に勝ち抜くことは困難です。そこで、成功のカギとなるのがデータ活用です。

本記事では、ブランド調査の定義や具体的な手法、実務に即した進め方を徹底解説します。

ブランド調査とは?

ブランド調査とは、消費者が自社の商品・サービスをどのように認識し評価しているか、データで客観的に測定する調査のことです。

具体的には、アンケート調査、インタビュー、SNS投稿などを収集してデータ化したうえで、以下のようなことを可視化します。

  • ブランドの認知度
  • 消費者が持つブランドイメージ
  • 競合と比較した自社の強みと弱み
  • 消費者のブランドロイヤリティ
  • キャンペーンの効果
  • ネガティブなブランドイメージの要因

企業側が意図するブランド像と、実際に顧客が抱くイメージには往々にしてギャップが生じるものです。ブランド調査は、このズレを正確に把握し、プロモーションや商品開発の方向修正のために行われます。

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ブランド調査の目的

ブランド調査の目的

ブランド調査を実施する目的として、以下の3つが挙げられます。

  • ブランド認知度の把握
  • ブランドポジショニングの明確化
  • ブランド戦略の最適化

それぞれ詳しく解説します。

ブランド認知度の把握

自社のブランド名が市場でどの程度知られているかを把握することは、マーケティング活動の出発点です。広告やPR活動がターゲット層に十分に届いているかどうかを検証できます。認知が不足していれば露出を増やす必要があり、認知が高いのに購入されていない場合は、価格や品質イメージなど別の要因に課題があることが推定できます。

ブランドポジショニングの明確化

ブランドポジショニングの明確化

市場における自社の立ち位置を明確にすることも、ブランド調査の目的の一つです。競合分析により自社の強みや弱みを相対的に評価することで、差別化できるポイントを発見できます。

ブランド戦略の最適化

企業が提供したいと思うブランド像と、実際に消費者が抱いているブランド像とのギャップを埋めるためにも、ブランド調査は必要です。憶測ではなく、SNS投稿や競合分析などから得られたデータを基にブランド戦略を実行することで、無駄なコストを削減しながら着実にブランド価値を高められます。SNSブランディングなど、ターゲット層がよく使うチャネルに特化したブランディングも効果的でしょう。

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ブランド調査の手法

自社ブランドの現状を正確に把握するには、知りたい情報の種類に応じて適切な調査手法を選ぶ必要があります。ここでは、実務で頻繁に用いられる以下の3つのアプローチについて解説します。

  • Webアンケート調査
  • インタビュー調査・グループインタビュー
  • 口コミ・レビュー分析

それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて使い分けたり組み合わせたりすることが重要です。

Webアンケート調査

インターネットを通じて対象者に質問票を配布し、回答を収集する手法です。短期間で大量のサンプルを集められるため、コストを抑えながらデータを取得できるのが特徴です。企業が消費者に聞きたいことを質問項目に組み込める点も、メリットといえます。

Webアンケートの設問文は、回答にバイアスがかからないよう慎重に作成する必要があります。時系列で比較する場合は、質問項目や選択肢を変更せず定期的に実施することが望ましいです。自社の顧客への配信だけでなく、調査会社を通じて自社を知らない層や競合サービスの利用者にも調査を行うと、より客観性が保たれます。

インタビュー調査・グループインタビュー

対象者と直接対話を行い、アンケートでは拾いきれない、回答の理由や背景を深掘りできる手法です。「なぜそのブランドを選んだのか」「どのように利用しているのか」を問うことで、顧客自身も自覚していない欲求である消費者インサイトを発見する手がかりとなります。

1対1で行うデプスインタビューは、個人のライフスタイルや価値観を深く探るのに適しています。複数人で行うグループインタビューは、参加者同士の会話から新たな気付きを得られるのがメリットです。


口コミ・レビュー分析

SNSやレビューサイト、ブログなどに投稿されたユーザーの声を収集・分析する手法です。アンケートのように企業側が用意した設問に答える形式ではないため、忖度のない本音を拾える点が最大の強みです。

膨大な投稿を効率的に分析するには、ソーシャルリスニングツールを活用するのがおすすめです。

Meltwaterのソーシャルリスニングツールは、AIツールでの高度な口コミ分析や市場のトレンド分析が可能で、どのような層が自社を話題にしているかというオーディエンス理解を深めることもできます。自動のレポーティング機能もあるため、市場での自社に関する評価をリアルタイムで追うことが可能です。

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アンケート調査の設問例

ブランド調査の方法の一つが、アンケートです。調査の目的に応じて、以下3つの種類があります。

  • ブランド認知度調査
  • ブランドイメージ調査
  • ブランドロイヤリティ調査

調査の種類ごとに設問例を紹介していきます。Webアンケートだけでなく、紙面のアンケートやインタビューにも応用できます。

ブランド認知度調査

ブランド認知度調査とは、市場での知名度や浸透度を測る調査です。測定方法は以下の2つです。

  • 純粋想起

「炭酸飲料といえば〇〇」など、消費者が自発的に想起されるブランドを調査します。トップオブマインド(第一想起)と呼ばれ、市場での強さを表します。

設問例:「〇〇のカテゴリで思い浮かぶブランド名を挙げてください」(自由回答)

  • 助成想起

ブランド名を提示して、知っているかどうかを問う方法です。

設問例:「以下の中で聞いたことがある商品は何ですか」(選択式)



ブランドイメージ調査

ブランドイメージ調査とは、消費者がブランドに対して抱いている印象や感情を明らかにする調査です。企業の目指すブランド像が実際に伝わっているか確認します。「高級感」「親しみやすさ」「革新的」といったキーワードの選択や、自由回答の方法があります。機能的な価値だけでなく、デザインや世界観といった情緒的な価値も含めて測定することが重要です。

設問例:「このブランドに対して、どのような印象をお持ちですか(自由回答/選択式)」

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ブランドロイヤリティ調査

ブランドロイヤリティ調査とは、既存顧客のブランドへの愛着度を測定する調査です。満足度だけでなく、再購入の意向や他者への推奨意向を聞くことで、将来的な売上の安定性を予測できます。ロイヤリティが高い顧客を持つと価格競争に巻き込まれにくくなり、LTV(顧客生涯価値)向上にも直結します。

設問例:「この商品を友人や家族にどの程度おすすめしたいですか(0〜10点で評価)」

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ブランド調査を実施すべきタイミング

ブランド調査は、主に以下の3つのタイミングで実施します。

  • 立ち上げ期
  • 成長期
  • 停滞・見直し期

フェーズごとに変化する「知るべきこと」に焦点を当てて解説します。

立ち上げ期

ブランドを立ち上げるときは、ターゲット層や訴求内容を確立する重要な時期です。初期の認知獲得につまずくと、挽回が難しくなります。ブランドを立ち上げる前と後でブランドイメージを調査し、企業の意図と食い違いがあれば軌道修正を素早く行うことが求められます。

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成長期

認知が拡大し売上が伸びてくる成長期では、好調の要因を見出すことで確固たるブランド力を築くことができます。「なぜ選ばれているのか」「どのような経由でブランドを知ったのか」を調査し、マーケティング戦略に定着させることで、安定した経営が可能になるでしょう。

停滞期

市場での競争が激化し、売上や認知の伸びが鈍化する停滞期は、ブランドを見直す時期となります。「機能が時代遅れ」「広告のデザインがターゲット層に好感を持たれていない」など、停滞の根本原因を突き止めるための調査が必要です。長年の慣習に固執せず、客観的なデータに基づいて現状を直視します。ブランドの価値を再定義し、リブランディングを行うのも有力な方法でしょう。

ブランド調査の進め方6STEP

ブランド調査の進め方6STEP

ブランド調査は以下の6ステップで進めましょう。

  1. 調査目的の明確化
  2. 調査対象設定
  3. 調査方法を選ぶ
  4. 調査票・分析軸を設計
  5. 調査実施
  6. 結果分析

各ステップで押さえるべき要点を順に解説します。

1.調査目的の明確化

まずは何のために調査を行うのかを具体的に言語化します。「ブランドの認知度」「競合より売上が劣る理由」「新商品の受容性」など目的を定めることによって、調査対象や質問内容が決まります。調査結果を最終的にどの部署の、どのような意思決定に使うかまでイメージし、ゴールを設定しましょう。

2.調査対象設定

次に、誰に対して調査を行うかを決定します。既存顧客だけでなく、以前自社の商品やサービスを利用したことがある顧客や、競合を利用している層、まだブランドを知らないターゲットオーディエンスまで、目的に応じて範囲を広げることが重要です。

例えば「若年層の認知拡大」が目的なら、「既存顧客ではない20代」を対象にする必要があります。属性や行動パターンを細かく設定し、調査対象を絞り込みましょう。

3. 調査方法を選ぶ

目的に対して最適な手段を選定します。全体的な傾向や認知度を把握したいならWebアンケート、特定の理由を深掘りしたいならインタビュー、リアルな本音やトレンドを拾いたいならSNS分析・口コミ分析が適しています。場合によっては複数を組み合わせて多角的にアプローチするのも効果的でしょう。予算と分析期間も考慮することが大切です。

4. 評価基準を設計

調査後の評価基準を設計します。認知度や好意度、推奨度などの数値を、中間目標であるKPIとして設定すれば、施策の効果も明確になります。

▶︎あわせて読みたい:KGIとは?KPIとの違い・設定方法・具体例をわかりやすく解説

5. 調査実施

設計に基づき、調査を実施します。アンケートであれば、配信時期や曜日も考慮しましょう。インタビューの際は騒音や室温にも配慮し、活動に集中できるような環境作りが大切です。

6. 結果分析

収集したデータを集計し、インサイトを抽出します。単に「認知度が〇〇%だった」で終わらせず、年代別や性別でのクロス集計を行い、具体的な課題を特定します。また、競合分析で他社と比較することで改善点を見出すことが重要です。

分析ツールを活用すると、SNS上の投稿データやWebメディアの露出量、口コミなどを統合的に収集できます。手動では不可能な膨大なデータを短時間で集められるため、リアルタイムな市場の反応を捉えるのに最適です。Meltwaterのツールであれば、SNS投稿などのセンチメント(感情)分析も可能です。

ブランド調査を成功に導くポイント

ブランド調査の精度を高めるために、以下の3つの原則を徹底しましょう。

  • 目的にあった調査方法を選ぶ
  • 競合の調査も行い分析に活かす
  • 定期的に調査を行い変化を把握する

これらの要点を押さえることで、調査コストを無駄にせず、根拠に基づいた戦略の立案が可能になります。

目的にあった調査方法を選ぶ

何を知りたいかによって、選ぶべき調査方法は異なります。例えば、新商品の認知度を測る際に少人数のグループインタビューを行っても、市場全体の傾向は掴めません。得たいデータに合った調査方法を選ぶとともに、予算・期間のバランスを見極めることが重要です。

競合の調査も行い分析に活かす

自社のデータを見るだけでは、市場における立ち位置は分かりません。競合他社も同じ指標で測定し、相対的な評価を行いましょう。「自社は認知されているが、好意度で競合A社に劣る」といった具体的な課題が浮き彫りになります。また、他社のキャンペーン攻勢による市場シェアの変動や、脅威となる新たな競合の出現をいち早く察知できます。

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定期的に調査を行い変化を把握する

ブランドのイメージや認知度は、市場のトレンドや競合の動きによって常に変動するものです。そのため、調査は一度きりではなく、定期的に行うことが不可欠です。同じ基準で測定を続けると、変化の推移がわかりやすくなります。また、プロモーションの前と後で数値を比べるのも、効果を測るのに有用です。

ブランド調査で市場の声を把握し、ブランド戦略に活かそう

ブランド調査は、企業が提供しようとしているブランド像と顧客が抱く現実のブランドイメージとのギャップを可視化し、ブランド戦略の精度を高めるための重要な手段です。

認知度やイメージを定期的に測定し、競合との差異を把握することで、感覚に頼らない客観的な意思決定が可能になります。特に、SNS上の膨大な口コミやリアルな本音を効率的に分析するなら、ソーシャルリスニングツールの活用がおすすめです。

客観的なデータで市場の変化を捉え続け、競合に負けない確固たるブランド価値を築き上げましょう。

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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