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競合分析とは?手順やフレームワーク、便利なツールを解説

競合分析とは?手順やフレームワーク、便利なツールを解説


宮崎桃

Apr 11, 2024

競合分析はマーケティング活動における重要な取り組みの一つです。

しかし競合分析の重要性は理解しつつも、「どのように取り組めばいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、競合分析の概要や目的を踏まえつつ、実施手順や役立つフレームワークを解説します。

競合分析に活用できるツールや事例も合わせてご紹介します。

競合分析とは?

What is competitive analysis?

競合分析とは、自社とほぼ同様の顧客ニーズを満たす製品・サービスを提供する競合企業を調査し、分析することです。

競合とする企業を特定した上で、製品・サービスの特徴やプロモーションの方法などを調査・把握します。そして自社との差別化要素を見極め、今後のマーケティング戦略を検討します。

業界の状況や顧客の意見を分析する際も、競合分析は活用されることが多く、マーケティング活動には欠かせない取り組みと言えるでしょう。

▶あわせて読みたい:マーケティングとは?定義や手順、主な手法をわかりやすく解説

競合分析の目的

競合分析の目的は、自社のマーケティング戦略を改善することです。

競合分析でわかることは、主に以下の通りです。

  • 競合他社の強みと弱み
  • 自社の強みと弱み
  • 業界全体の状況
  • 顧客ニーズ(競合他社が未対応のニーズも含む)
  • 今後取りうる自社のリスク

データを用いることで思い込みによる判断を避け、自社を客観的に評価できるため、適切な戦略策定や改善に繋げることができます。

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競合分析を実施する手順

Steps to conduct a competitive analysis.

競合分析は以下の手順で実施します。

  1. 競合他社の選定
  2. 調査項目のリスト化
  3. 情報収集
  4. 自社データの整理
  5. フレームワークを使用し分析
  6. 自社の戦略を検討

具体的に解説していきます。

1. 競合他社の特定

まずは競合他社を特定します。

競合他社には大きく分けて以下の4つのタイプがあります。

競合他社の種類概要
直接競合自社の提供する製品・サービスとほぼ同様のものを提供している企業(新規参入業者も含む)
Ex.マクドナルドに対するモスバーガー
間接競合(二次競合)自社の提供する製品・サービスと同じカテゴリのものを提供している企業
Ex.マクドナルドに対する吉野家
代替競合自社の提供する製品・サービスとカテゴリは違うものの、同じニーズを満たす製品・サービスを提供する企業
Ex.マクドナルドに対する、イートインスペースのあるコンビニエンスストア
検索結果における
競合サイト
検索キーワードで、上位に表示されているWebサイト(検索キーワードは、自社のターゲット顧客が検索すると見込まれるもの)

2. 調査項目のリスト化

調査する競合他社の種類を特定したら、競合他社名を洗い出し、以下のような項目に沿ってリスト化しておきます。

  • 売上やシェア
  • 商品の特徴
  • 価格帯
  • ターゲット層 など

より具体的な情報項目を設定する場合は、フレームワークの活用がおすすめです。3C分析や4P分析など、競合分析で活用できるフレームワークについては後ほどご紹介します。

3. 情報収集

競合他社の特定とリストアップが完了した後は、情報収集方法を選定してから情報を集めます。

以下のような方法が挙げられます。

  • 企業サイトやIR情報といった公開情報(企業規模や製品などを確認)
  • カタログ(製品やサービスに関する特徴を確認)
  • SNSやレビューなどの口コミ調査(顧客の意見や評価を確認)
  • 既存顧客へのアンケートやヒアリング(顧客の意見や評価を確認)
  • Web広告やCM(競合企業の訴求点や差別化ポイントなどを確認)
  • リサーチ会社への調査依頼

情報収集は、方法によってコストや時間が異なります。あらかじめ予算を確保したり、早めに取り組んだりすることがポイントです。

4. 自社データの整理

競合に関するデータは、自社のデータと比較してはじめて効果が出ます。そのため、自社に関する情報についても整理しておくことが必要です。

比較しやすいよう、競合企業と自社の情報項目をそろえておくと良いでしょう。

項目に合わなくても、有益だと思われる情報には柔軟に対応しておくのが無難です。

5. フレームワークを使用し分析

競合他社と自社の情報をまとめた後は、フレームワーク(論理的な考えのための枠組み)を活用して分析を実施します。競合及び自社の相対的な強みや弱みを評価します。

6. 自社の戦略を検討

最後にフレームワークを用いた分析を通じて、自社の戦略を検討します。

競合にはない自社独自の強みを活かす方向性を探り、マーケティング戦略を立案しましょう。

自社の弱みも、外部の脅威に対してどのように対応していくのかという対策に活かせます。また、競合他社の強みから参考にすべきものがあれば、積極的に取り入れることも重要です。

▶あわせて読みたい:マーケティング戦略とは?立案の手順や便利なフレームワークを解説

競合分析に活用できる代表的なフレームワーク

続いて競合分析に活用できる代表的なフレームワークをご紹介します。

フレームワークとは、考えを論理的に整理するための枠組みのことです。

売上や市場シェア、価格といった数値で表せる定量的な情報については、Excelやスプレッドシートなどを用いることで比較できますが、顧客の意見のような数値で表せない定性的な情報は上手くまとめられません。

そこで役に立つのがフレームワークです。フレームワークを用いることで、定性的な情報も分析しやすくなります。

1. 3C分析

3C分析は「Company(自社)」「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」の3つのCに分けて、社内外の環境を整理するフレームワークです。

自社と競合に関する情報を整理・比較するだけでなく、顧客要素も含めた上で分析できるため、より効果的な施策立案に繋げられます。

各Cでは以下のような情報を整理します。

各C情報
Company(自社)・自社製品・サービスの相対的な強みや弱み
・売上やシェア
・プロモーションにおけるチャネル
・ブランド認知度
・自社独自の技術や特許
・口コミにおける評価
Customer(市場・顧客)・業界の市場規模や成長性
・顧客の顕在・潜在ニーズ
・顧客の購買傾向
・顧客の購買プロセス
Competitor(競合)・競合製品・サービスの強みや弱み
・訴求しているメッセージ
・ブランド認知度
・顧客からの口コミ傾向
・プロモーションの内容やチャネル

各項目について情報を整理した後は、以下の図のように各Cの情報をかけ合わせながら、差別化の方向性や戦略を検討します。

3C Analysis

図:3C分析

上記のような図としてまとめていくことで、「自社製品・サービスのどの要素や特徴が独自性を発揮できるのか」「どういった訴求点が顧客に響きやすいのか」という点を視覚

的に捉えやすくなります。具体的なアクションにも繋げやすいでしょう。

2. 4P分析

4P分析は、自社および競合のマーケティング戦略を以下の4つの観点から整理するフレームワークです。

各P内容
Product
(製品・サービス)
製品・サービスの特徴や品質、デザイン、ラインナップなど
Price
(価格)
製品・サービスの価格や支払い方法、取引条件など
Place
(流通)
流通チャネルや店舗立地など、商品が購入できる場所
Promotion
(宣伝)
広告など販促の手法

これら4点はマーケティングにおいて重要な要素を網羅しており、競合企業のマーケティング戦略やビジネスモデルを把握する上で役に立ちます。

また自社の情報と比較しやすい構造となっており、競合分析を効率的に行うことが可能です。

また4Pを顧客視点から整理した4Cと呼ばれるフレームワークもあります。

各C内容
Product
Customer Value
(顧客価値)
製品・サービスが顧客にもたらす価値
機能的な価値だけでなく、「楽しい」「優越感を覚える」などの情緒的な価値も含む
Customer Cost
(顧客の負担するコスト)
製品・サービスを得るために必要な負担やコスト
購入価格だけでなく、心理的なハードルや店舗への移動時間といった要素も含む
Convenience
(入手のしやすさ)
製品・サービスの入手のしやすさ
購入できる場所や時間、決済手段などが含まれる
Communication
(コミュニケーション方法)
顧客とコミュニケーションを取る方法
広告などの一方通行の手法だけでなく、SNSやイベントなど
双方向的なコミュニケーション方法も含めて考える

4Pと4Cそれぞれの視点から、競合他社の情報を整理することで、より深い考察ができ、効果的なマーケティング戦略や施策の立案に繋げられるのです。情報収集の基準項目としても利用できるため、積極的に活用しましょう。

3. SWOT分析

SWOT分析は、自社における「強み」と「弱み」、外部環境の「機会」と「脅威」の要素で下図のようにマトリクスを作成し、マーケティングにおけるアクションを検討するフレームワークです。

外部環境
Opportunity:機会
外部環境
Threat:脅威
内部環境
Strength:強み
強みを活用し、機会を最大限に活かす強みを活用し、脅威を打ち破る、あるいは回避する
内部環境
Weakness:弱み
弱みで機会を逃さないように改善する最悪の事態を回避する

「機会」は自社から見た競合の弱み、「脅威」は競合の強みを表すこともあります。例えば、自社より質の劣るサービスや競合店舗が少ない場所は「機会」、競合のニーズや店舗が増えていることは「脅威」です。

強みと機会が交わる領域だけに注目するのではなく、弱みと機会、強みと脅威などにも着目することで、漏れのない戦略策定を実現できます。

4. ポジショニングマップ

ポジショニングマップとは、特定の要素で自社や競合他社の位置付けを下図のように表したものです。

Positioning Map

図:ポジショニングマップ

3C分析や4C分析などで整理した情報を基に、まずはどういった縦軸と横軸にするかを検討しましょう。強く訴求していることや製品・サービスにおける特徴などが良いです。関連性の高い2要素にしないほうが良いでしょう。例えば、値段と品質だと、値段が上がれば品質も上がるのは自然なことのため、マップにしてもあまり参考になりません。

ポジショニングマップから、自社の課題や強みが見えてきます。自社が有利なポジションにあるマップを作成できた場合は、そのマップを構成する軸が製品・サービスの訴求ポイントになります。効果的なマーケティング施策を実現できるカギとなるでしょう。

5. 5F(ファイブフォース)

Five fource

「フォース(force)」とは、自社の収益を左右する脅威のことです。以下の通り5つあります。

各フォース内容
競合他社業界内での直接的な競争。競合となる企業数やそれぞれの資金力のほか、業界全体の状況も分析する。
新規参入企業新規参入しやすい業界ほど、脅威が高まる。市場規模や参入者の技術力などを分析する。
代替品自社の製品・サービスの代わりになるもの。同じ業界内ではなく、他業界のものが対象。品質の比較やサービスの乗り換えにかかるコストなどを分析する。
売り手の交渉力自社とサプライヤー(卸売業など)の力関係を表す。売り手が少なければ、脅威となり得る。仕入れコストをどのくらい抑えられるか分析する。
買い手の交渉力自社と顧客の力関係を表す。競合が多ければ、供給がニーズを上回り脅威となり得る。適切な値引き額などを分析する。

脅威を把握しておくと、自社の強みがより明確になります。収益の目安や価格競争の対策にも役立ちます。

競合分析に便利なツール

ここで競合分析に役立つツールをいくつかご紹介します。

分析ツール特徴
Meltwaterメディアモニタリングツール自社だけでなく、競合他社のソーシャルメディアや、競合に関する口コミデータなどを調査できる。
KeywordmapのSEO分析ツール自社サイトは勿論、競合サイトの流入キーワードや、トラフィック推移などを分析できる。
Similarwebのアクセス解析ツールURLを入力するだけで、自社及び競合サイトのアクセス状況が把握できる。無料で利用可能。
Ahrefs(エイチレフス)のSEO分析ツール競合サイトの上位ページの把握や順位変動、流入キーワードやソーシャルメディア上の反響などを把握できる。
Buzzsumoのモニタリングツール業界内で話題になっている商品や、競合コンテンツなどを調査できる機能がある。
Ghostery(ゴーストリー)
ブラウザ拡張機能
広告ブロックやトラッカー阻止ができる、無料のブラウザ拡張機能。
競合他社が利用しているアクセス解析ツールやSNSのプラグインなどの情報も把握できるため、競合分析にも利用できる。

競合分析における注意点

次に競合分析を行う際の注意点について確認しましょう。

1. 分析に終始しない

競合分析を行った後は、そこから得られた示唆や情報を基に、具体的なアクションまで落とし込まなければなりません。

すでに有益な示唆があるにも関わらず、延々と分析を続けるだけでは無意味な活動になってしまいます。特に競合分析の目的が曖昧である場合、この傾向は顕著になるでしょう。

競合分析は具体的なアクションにまで繋げて、はじめて意味を成すものなのです。

2. 確証バイアスに注意する

確証バイアスとは、自分の仮説や考えを肯定する情報ばかりに注目してしまい、自分にとって不都合な情報は軽視、あるいは無視してしまう傾向のことです。

競合分析においても、自社の優位性を証明する情報だけを集めてしまい、自社の弱みや将来的な脅威となりうる情報に目を背けてしまうケースがあります。

しかし本当に意味のある示唆を導くには、客観的な視点が必要です。競合他社と自社を比較した上で、自社の強みとともに、弱みも評価しなければなりません。

そのため情報収集に取り組む際は、確証バイアスに注意しながら、ネガティブな情報も漏れなく集めるようにしましょう。

3. 一度の分析で満足しない

競合分析は一度だけ行えばいいというものではなく、定期的に繰り返し行う必要があります。

競合他社は今後新たな改善策を実施するかもしれません。また、時代によって顧客ニーズも変わります。そのため、データは変化していきます。

以前のデータだけでの事業展開は、競争から取り残されてしまうでしょう。

現状を正確に知るためにも、競合分析は半年や一年ごとなど、周期的に取り組むことが必要です。

4. 顧客ニーズも考慮する

戦略や施策の立案を行う際は、競合他社と自社の情報だけに注目しがちですが、顧客ニーズも考慮しなければなりません。

競合が対応していないサービス領域を発見した際、差別化のチャンスだと安易に考え、飛び込んでしまうのは危険です。

競合が対応していない背景として、企業側の能力問題である場合もありますが、単純に顧客ニーズがない場合もあり得るからです。

そのため競合分析から施策立案を行う際は、必ず顧客ニーズも踏まえて検討しましょう。

競合分析の事例

最後にMeltwaterのツールを活用した競合分析の事例をご紹介します。

1. 株式会社東急ハンズ

株式会社東急ハンズは日本における都市型ホームセンター事業のパイオニアであり、様々な日用雑貨などを販売している企業です。

以前は紙媒体とテレビに比重を置いた限定的なメディアモニタリングに留まっており、オンライン上の情報については手作業で調査している状況でした。

そこで2020年8月にMeltwaterのソーシャルリスニングを含めた基本パッケージを導入します。

導入後はニュースやSNSに散らばっていた現場に関するポジティブ・ネガティブな情報をリアルタイムで把握できるようになりました。

また、競合に関する情報も合わせて収集することで、自社独自の魅力の発見や向上に繋がるヒントを得ています。

<関連:導入事例: Meltwater x 株式会社東急ハンズ

2. 株式会社ミルボン

株式会社ミルボンは、美容サロン向けのヘアケア製品や化粧品などを販売する企業です。

同社は2010年代に、プレミアムヘアケアブランドを市場投入しグローバル展開を始めました。そこで、オンラインにおける同社のブランドに関するニュースを把握するために、Meltwaterのニュースモニタリングの基本パッケージを導入しました。

Meltwaterのオンラインメディアモニタリング機能で、海外メディアのニュースもリアルタイムに把握できるようになりました。競合ブランドの動向やサプライチェーンのリスクなど広範囲にモニタリングしながら、製品の開発や改善などに繋げています。

<関連:導入事例: Meltwater x 株式会社ミルボン

3. 株式会社サンクゼール

株式会社サンクゼールは、ジャムやパスタソース、ワインなどの販売を手掛ける食品企業です。

メディア情報分析がアナログになっていることに課題を抱えていた同社は、デジタルマーケティング促進の一環としてMeltwaterのプラットフォームの導入を決断しました。

導入したところ、それまで店頭で行っていた顧客の意見収集が、デジタル化でより幅広く効率的にできるようになりました。また。

競合各社のオンラインマーケティングの成功事例も分析でき、SNSのキャンペーンで活用した結果、フォロワーを一晩で1.8倍に増やすといった成果も挙げています。

<関連:導入事例: Meltwater x 株式会社サンクゼール

まとめ

今回は競合分析をテーマに、目的や手順、活用できるフレームワークなどをまとめて解説しました。

競合分析は、マーケティング戦略や施策を立案する上で欠かせない取り組みです。

競合分析を通じて自社を客観的に評価し、自社独自の魅力や特徴を発見することで、はじめて有効なマーケティング戦略や施策を立案できます。

本記事で紹介したフレームワークやツールを活用して競合分析に取り組んでいただき、効果的なマーケティング戦略立案を実現してください。

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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