広告に頼らず、顧客の声を通じて売上につなげる「口コミ集客」は、費用対効果の高い手法として注目されています。しかし、「どうすれば口コミが増えるのか」「本当に効果があるのか」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
この記事では、口コミ集客の基本からメリット、投稿を促す仕組み、注意点まで解説します。業界別の事例や成功のコツもあわせてお伝えします。
口コミ集客とは?
口コミ集客とは、商品・サービスの口コミによって顧客を引きつけることを指し、口コミマーケティングとも呼ばれます。顧客の声を通じて商品・サービスの認知度や信頼性を高め、売上につなげるマーケティング手法です。
株式会社ホットリンクが2024年に発表した調査結果では、商品やサービスを購入する際に参考にする情報として、以下のような口コミ関連が上位5つのうち4つを占めました。
- 家族や友人など知り合いによるクチコミ
- ECサイトやレビューサイトに掲載されているレビュー
- フォローしていないアカウントによる、SNS上のクチコミ
- 芸能人やインフルエンサーなど、知り合い以外によるクチコミ
- 口コミ集客での注意点
また、Meltwaterの2024年グローバルデジタルリポートでも、世界のインターネットユーザーの約51%が購入前にサービスのリサーチをしていることがわかっています。
SNSやレビューサイトなどで発信されたリアルな体験談は、企業が作成したテレビや雑誌以上に購買行動に大きな影響を与えていることがわかります。口コミ集客のためには、口コミ投稿しやすい導線作りや、話題性のあるメニューやキャンペーン作りが効果的です。
参考:インターネット上のクチコミを参考に8割超が商品を購入。購入商品のTOP3は、食品・化粧品・日用雑貨|#ホットリンク
口コミ集客のメリット4つ
口コミによる集客には、広告にはない信頼性や費用面での優位性があります。ここでは、口コミ活用によって得られる代表的なメリットを4つに分けて紹介します。
新規顧客が獲得できる
商品やサービスを購入する際に参考にするものとして、口コミはトップの情報源です。そのため、口コミ集客では新規顧客の獲得が期待できます。実際にサービスを体験した顧客の声は、企業の広告よりも説得力があり、利用を検討する人の不安や疑問を和らげる役割を果たします。商品のデメリットに関する口コミも、売上にマイナスとは限りません。デメリットも知ることで、納得したうえで購入に進めることもあります。
コストが低い
口コミによる集客は、広告出稿と比較して圧倒的に費用を抑えられる点が魅力です。テレビCMやリスティング広告のように予算が必要なく、顧客の自然な発信によって情報が広がっていきます。予算に限りがある中小企業や個人店舗でも取り組みやすい手法です。質の高いサービスを提供しポジティブな口コミが増えれば、広告に頼らない集客の仕組みが構築できるでしょう。
長期的なロイヤリティ・リピーター獲得につながる
口コミで得られるのは、新規顧客だけではありません。一時的な集客にとどまらず、長期的な顧客関係の構築にもつながります。顧客自身が良質な体験をするだけでなく、口コミで他の顧客も高評価をしているとわかれば、サービスへの信頼がさらに高まります。共感により仲間意識が芽生え、長期的な利用につながるでしょう。
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SEO・MEOにも効果がある
SEO(検索エンジン最適化)やMEO(地図検索最適化)は、オンライン上で自社の商品・サービスの露出を増やすために欠かせない施策です。商品・サービスに関連する投稿の多さが上位表示につながるため、口コミが増えれば顧客の目につきやすくなります。MEOは「新宿 ランチ」のように地域名で検索される店舗などに、特に必要な施策です。
口コミ集客の具体的な方法
口コミを効果的に広げるには、発信の方法を選ぶことも重要です。世界のインターネットユーザーは以下のような媒体を使って、購入前に商品・サービスを調べています。
出典:2024年消費者インサイトレポート: 小売業界 | Meltwater
検索エンジンやSNSなどで口コミを増やせば、より集客に効果が出るでしょう。実際に活用されている方法と、それぞれの特徴・活用ポイントを紹介します。
Googleビジネスプロフィールの活用
検索エンジンは、購入前の検討段階で最も利用されています。Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)は、店舗情報や口コミをGoogle検索やGoogle マップ上に表示できる無料ツールです。営業時間や写真、サービス内容などの内容を充実させることでSEOやMEO対策にもなり、上位表示につながります。ネガティブな口コミがあっても丁寧に返信することで、顧客との信頼関係の構築ができます。
SNS投稿の活用
InstagramやX(Twitter)などのSNSはソーシャルメディアの一つであり、購入前の検討段階で2番目に多く使われている媒体です。一般ユーザーが主体となって発信しやすい媒体であるため、口コミを自然に広げる上で欠かせない存在です。ユーザーのコメントに返信したり、商品・サービスに関するUGCを見つけたら「いいね」をしたりすると、ユーザーとの距離が縮まり、ポジティブな声の増加が期待できます。
また、一般ユーザーが作成した投稿であるUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、他のユーザーの共感を呼びやすく、ブランド認知の向上につながります。SNS広告としても利用でき、さらなる口コミの増加を促すことができるでしょう。
インフルエンサーとのコラボ
インフルエンサーとは一定数のフォロワーを持ち、SNSなどで影響力を持つ人のことです。インフルエンサーとコラボし、商品やサービスを紹介してもらうプロモーション手法はインフルエンサーマーケティングと呼ばれます。
フォロワーはインフルエンサーを信頼しているため、インフルエンサーの発信は企業の広告よりも受け入れられやすく、口コミの拡散にもつながります。コラボを成功させるには、ブランドの世界観やターゲット層に合ったインフルエンサーを選ぶことが欠かせません。
キャンペーンの実施
プレゼントなどが当たるキャンペーンは顧客との接点が広がるため、口コミが増やせる施策です。参加条件に、商品に関するクイズの答えや商品を実際に使った写真投稿などを設定することで、商品・サービスへの愛着心を育て、ポジティブな口コミを生むことができます。
特に投稿が参加条件の企画は多くのUGCが生まれ、情報が広まりやすくなります。テーマを設計する際は、春は「新生活に役立つアイテム紹介」、夏は「涼を感じるおすすめメニュー」、年末には「今年買ってよかったもの」など、時期に合った切り口を設定することで、投稿のハードルを下げられます。
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公式サイトへのカスタマーレビューの促進
公式サイトにレビューが集まると、商品やサービスの信頼性が高まり、購入前の不安を和らげる材料になります。企業側の説明だけでは伝わりにくい使用感や満足度も、第三者の体験を通じて具体的に伝わるため、検討段階での離脱を防ぐ効果があります。
レビューを促すには、投稿フォームを目立たせたりする方法があります。購入後のフォローメールで案内するのも効果的です。さらに、写真付きレビューを歓迎することで、他のユーザーへ利用シーンのイメージが伝わりやすくなり、ページ全体の質が高まります。
【サービス形態別】口コミを促す施策例
口コミを促進するには、サービス形態ごとに適した方法を選ぶことで効果が高まります。サービス形態別に口コミキャンペーンの一例を紹介します。
| サービス形態 | 施策例 | ポイント |
|---|---|---|
| 飲食店 | 期間限定・数量限定のメニュー | 販売開始前からSNSなどで宣伝し、関心を引き起こす/td> |
| 小売店 | 写真付きレビューで配送料無料 | 商品到着後にレビューの案内を送信するなど、導線を明確にする |
| 美容室 | ビフォーアフター写真の投稿で、店舗商品をプレゼント | 投稿にはインセンティブがあることを明示するなど、媒体の規約に配慮する |
| 宿泊施設 | 滞在中の思い出投稿を促す館内掲示 | WiFi完備やQRコードによるリンクの提示など、投稿しやすい導線を作る |
| 観光施設 | 施設内に撮影スポットを設置 | 投稿用のハッシュタグを指定しておく |
口コミ集客成功のためのポイント
口コミを自然に広げるには、話題性と投稿されやすい仕組みが欠かせません。ここでは、口コミを促進するための5つの工夫を紹介します。
覚えやすい店名・商品名にする
口コミを広げるうえで、店名や商品名の「覚えやすさ」は重要な要素です。特徴が一言で伝わるネーミングほど記憶に残りやすく、話題になりやすい傾向があります。
外国語表記や造語などは、見た目におしゃれでも読み間違いや伝達ミスが起きやすいため、ふりがなやを併記するとよいでしょう。また、名前が長すぎる場合も一般ユーザーが口コミしやすいよう、短縮された呼び名も用意しておくのがおすすめです。
記憶に残る看板メニュー・サービスを作る
口コミを生むには、話題性が重要です。記憶に残るサービスは情報拡散のきっかけになります。
飲食店なら、1日10食限定の大盛りカレーチャレンジや、ユニークなネーミングのメニュー、写真映えする盛り付けなど、「この店といえばコレ!」と印象づけられるものを打ち出すことで話題性が生まれるでしょう。
口コミを投稿しやすい導線を作る
口コミ投稿の導線作りも、口コミを促すのに必要なことです。店内に「レビューはこちら」のQRコードを設置したり、レシートに投稿リンクを印字したり、SNS用の口コミのハッシュタグを掲示したりする方法があります。
ロイヤルカスタマーへの特典を用意する
ロイヤルカスタマー(ファンとなった顧客)は、口コミの起点となる重要な存在です。特別な体験を提供することで、ポジティブな口コミが生まれます。利用頻度の高い顧客にはポイント率を上げたり、誕生月に特典を贈ったりするなど、特別感を出すことがポイントです。
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口コミの内容を分析しサービス改善に活かす
口コミは顧客の本音が反映されるため、なかには改善点を指摘する内容もあります。指摘は真摯に受け止め、次の施策に活かすことでポジティブな口コミを増やすことができるでしょう。
ソーシャルリスニングツールを使えば、効率的なVOC分析(Voice of Customer=顧客の声)が可能です。食品を扱う株式会社サンクゼールは、Meltwaterの「エクスプロア」を導入し、オンライン上での自社の露出と売上の相関関係をデータで可視化できるようにしました。また、競合各社のデータに基づき実施したTwitterキャンペーンでは、フォロワーが一晩で1.8倍に増加するといった成果も得られました。
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口コミ集客での注意点
口コミは集客に効果的ですが、扱い方を誤ると信頼を損なう恐れもあります。ここでは、口コミ活用時に注意すべきポイントを4つ紹介します。
自作自演で投稿しない
口コミ数を増やしたいあまり、スタッフや知人に報酬を与えて依頼することは、違法に当たる可能性があります。口コミの内容に企業が関与していることを明示すれば違法にならないとされていますが、口コミはあくまで顧客の声であり、企業が操作するのは意味がありません。顧客との信頼関係のためにも、顧客からの口コミをそのまま受け止める姿勢が重要です。
インセンティブを付与する場合は規約を確認する
口コミをした顧客に特典などのインセンティブを付ける際は、景品表示法に基づきそれを明示する必要があります。あたかも顧客が自主的に投稿したように見せかける行為は、違法に当たります。また、各プラットフォームの規約を必ず確認する必要があります。Googleでは報酬による口コミを禁止しています。違反すると、口コミの削除やアカウント停止などのリスクが生じるため注意が必要です。特に「高評価で特典がもらえる」といった誘導的な記載は、多くのサービスで禁止されています。
規約の内容はプラットフォームごとに異なるため、実施前に最新のガイドラインを確認し、問題のない範囲で運用することが重要です。あくまで体験を促す仕組みとして活用し、利用者が自由に感じたことを投稿できる環境を整える姿勢が、信頼される口コミ集客につながります。
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ネガティブな口コミにも真摯に対応する
マイナス評価の口コミは、企業側にとって避けたい情報に思えるかもしれません。しかし、真摯に受け止めて丁寧に対応することで、企業としてのあり方を示す機会にもなります。指摘が事実であれば改善策を提示し、誤解がある場合は速やかに説明することで、事態の悪化を抑えられるでしょう。感情的な反論は逆効果となりかねません。冷静に声を受け止める姿勢が求められます。
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悪質な口コミは削除依頼も検討する
口コミの中には、明らかに事実と異なる内容や、悪意ある内容が含まれることがあります。こうした投稿は他の利用者に誤解を与え、企業のイメージを損なう原因にもなりかねません。悪質と判断される場合は、口コミの削除依頼を検討することも必要です。
各プラットフォームには、ガイドライン違反の投稿を報告し、削除を申請できる仕組みがあります。投稿内容を冷静に確認した上で、証拠を添え、削除理由を明確に伝えることが大切です。正当な批判と悪質な書き込みを混同しないよう注意しましょう。
まとめ|口コミの拡散で信頼性の高い集客を
口コミは、顧客の商品やサービスに対する感想のことで、SNSやレビューサイトを通じて広がります。企業広告よりも信頼性が高い情報源で、集客効果が期待できます。
口コミを分析し、マーケティング戦略に反映させるには、消費者インサイトを可視化できるソーシャルリスニングツールの活用が効果的です。
Meltwaterはソーシャルリスニングツールを提供しています。複数のプラットフォームを一括で管理でき、炎上リスクの早期発見や、レポートの自動作成も可能です。ぜひご利用ください。
この記事の監修者:
宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)
国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム
