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SNS広告の基本

【SNS広告の基本】特徴や費用・成功事例までわかりやすく解説


山﨑伊代

Jun 15, 2023

年代を問わず広くSNSが活用されるようになっている昨今、SNS広告が盛んになっています。効果的にSNS広告を活用するには、広告の種類や特徴を理解することが欠かせません。

「SNS広告を運用したいけれど、自社に合った運用法をどう学ぶべきか?」

「そもそもどんなSNS広告があるのか?」

「予算が限られているが、それでもSNS広告を活用できるのか?」

このようなお悩みを抱えている事業者に向けて、本記事ではSNS広告の種類や特徴をご紹介します。費用形態や運用時のポイントはもちろん、具体的な成功事例も紹介するので、お役立てください。

  1. SNS広告とは?

  2. SNS広告とリスティング広告の違い

  3. SNS広告を実施するメリット

  4. 代表的なSNS広告の特徴

  5. SNS広告の費用

  6. SNS広告の成功事例6選

  7. SNS広告の成果を上げる5つのポイント

  8. まとめ|自社に合ったSNSを利用するのがポイント

SNS広告とは?

What is SNS advertising?

SNS広告とは、SNSプラットフォーム上で配信される広告のことです。

近年はSNSの普及に伴い、幅広い年代・性別・地域にアプローチできる手段として確立しました。従来の「SNS広告はSNSをよく使う若い世代をターゲットにした商材しか合わない」という考えがなくなり、今ではありとあらゆる商材においてSNS広告が活用されています。

また、SNSには居住地や趣向など細かなユーザー属性が登録されているため、よりターゲットを絞り込みやすいのもメリットとなりました。最小限のコストで最大限の広告効果を狙いたいときにこそ、活用したい広告手法です。

▶︎ 関連記事:SNSマーケティングの基本|代表的な手法や進め方・成功事例を解説

SNS広告とリスティング広告の違い

Difference between SNS ads and listing ads.

「リスティング広告」とは、GoogleやYahoo! JAPANに代表される検索エンジンにおいて、ユーザーが検索したキーワードに合致して表示された広告です。検索結果のWebページ一覧の並びに表示され、小さく「広告」と書いてあります。

検索結果上位に表示されるため、購入・資料請求・問い合わせなどのアクションにつながりやすい方法として確立しました。

一方、「広告枠で表示されているコンテンツは始めから見ていない」「検索結果上位のものは広告だと分かるようになってきたのでクリックしてもらえない」などのデメリットも目立つようになりました。

SNS広告は、検索エンジン上ではなくSNS上に表示されるのが特徴です。SNS内の検索結果だけでなく、ニュースフィードなど投稿の合間に表示されることが多く、抵抗なく見てもらえるのがメリットです。

SNS広告を実施するメリット

Merit of SNS advertisements

ここからは、SNS広告を実施するメリットをお伝えします。他の広告手法と比較してどのようなメリットがあるか知り、自社で導入すべきか検討してみましょう。

1. 少額から出稿可能

SNS広告は少額から出稿できるため、予算が限られている事業者でも実施しやすいのがメリットです。出稿の単価を数百円から設定できるので、莫大なコストがかかりません。

また、特定のSNSだけに出稿したり、広告を表示するターゲットや時期を限定したりすることで、コストを調整することも可能です。特定分野にだけ確実にアプローチするなど戦略的な使い方もでき、コストパフォーマンスの良い広告手法と言えます。

2. 細かなターゲティング

SNSには年齢・性別・居住地・趣味趣向などのデータが豊富に登録されており、細かなターゲティングがしやすいのもメリットです。商材のターゲットになるユーザーにだけ広告を表示したり、特定のエリアに住む人にだけアプローチしたりすることも可能です。

そのため、「東京23区内に住む20代女性」「年収600万円以上の単身サラリーマン男性」など、ある程度細かく指定して広告を届けられます。無駄なく広告効果を最大化したいときにこそ、SNS広告を活用していきましょう。

3. 拡散力が高い

SNS広告は拡散力が高く、時に自社で想定している以上の反響が得られることがあります。SNS広告も通常のSNS投稿と同じくボタンひとつで共有・拡散できるので、ユーザーの心に残るような広告にできればさらに拡散し、期待以上の効果が出るかもしれません。

場合によっては、「バズる(注目される)」広告がきっかけとなり爆発的なヒット商品になることも考えられます。また、ブランディングに成功して固定のファンを掴んだり、企業イメージを一新するような広告にすることもできるのです。拡散力が強いSNS広告だからこその特徴であり、自社商品が話題のきっかけになるかもしれません。

代表的なSNS広告の特徴

Typical SNS Advertising Characteristics

次に、代表的なSNS広告の種類を解説します。それぞれのSNSごとに特徴が異なるので、まずはおおよその傾向を掴んでいきましょう。

1. LINE広告

LINEは若年層から高齢者まで幅広く使われているSNSであり、生活に欠かせないメッセンジャーアプリとして定着しつつあります。そのため日頃からLINEを使うアクティブユーザーが多く、幅広い層を対象にSNS広告を届けることができます。

なお、LINE広告はトーク一覧画面最上部やLINE VOOM、LINE NEWSなどへの配信が可能です。他のSNSではリーチできない層にも広告を表示しやすく、費用対効果に優れた媒体と言えます。

参考:https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/

2. Facebook広告

Facebookは実名登録制であり、出身校・所属企業名・役職・年代などが登録されていることが多いです。そのためビジネス利用が多く、サラリーマンや企業をターゲットにした広告に向いています。

自社や商品のことをまだ知らない潜在層にもアプローチしやすく、見込み客を獲得しやすい媒体として評価されているのもポイント。100円単位で出稿料を調整できるなど細かな設定ができるので、時期や効果に合わせて予算を変動させたいときにもおすすめです。

参考:https://www.facebook.com/business/ads/ad-formats 

3. Instagram広告

InstagramはFacebookと同じMetaが運営しており、相互に連携しながら精度の高い広告配信ができます。Facebookより若い層の利用が多く、特に10代から30代へのアプローチに向いています。

近年はインフルエンサーを起用した「広告に見えない広告」も主流になりつつあり、広告らしさを感じさせることなくアプローチしやすくなりました。投稿一覧・検索画面・ストーリーズなどに多彩な表示ができる他、リールを使った動画形式の広告も配信可能です。

参考:https://business.instagram.com/advertising?locale=ja_JP

4. Twitter広告

Twitterは、文字のみ・写真付き・動画など多様な広告を掲載できます。ユニークでオリジナリティのある内容が好まれ、10代から20代の若年層へのアプローチが可能です。

また、RT(リツイート)や「いいね」での拡散がしやすく、「バズりやすい(注目されやすい)」のも特徴のひとつ。どの程度バズっているかもRT数やいいね数ですぐにわかるので、拡散が拡散を呼ぶサイクルを構築しやすくなっています。

参考:https://business.twitter.com/ja.html 

5. TikTok広告

TikTokは短い動画を投稿するのに特化したプラットフォームであり、動画形式の広告を配信したいときに最適です。Instagram以上に若年層の利用が多く、小中高校生などティーンエイジャーへのアプローチにも使われるようになりました。

ダンスやインパクトのあるキャラクターを活用した投稿が人気になりやすく、独特のクリエイティブな力が求められます。既に一定以上の認知度がある会社やブランドの拡散に強いため、ほしいものがはっきり分かっている顕在層の獲得にも向いています。

参考:https://tiktok-for-business.co.jp/

6. YouTube広告

YouTubeは、TikTokよりも長い動画コンテンツを投稿するのに最適なプラットフォームです。若年層から高齢者まで登録しているので、幅広い層をターゲットにしたいときに便利です。

動画を再生する前段階で広告が再生されるので、確実に広告内容を届けられるのもポイント。再生から5秒後にスキップできる「スキッパブル広告」であっても、5秒間であれば確実に視聴してもらえます。情報量の多い広告にしたいときは「ノンスキッパブル広告」にするなど、調整できるのもメリットです。

参考:https://www.youtube.com/intl/ALL_jp/ads/

SNS広告の費用

Cost of SNS advertising

SNS広告にどの程度のコストがかかるかは、課金形態により異なります。ここではSNS広告の費用について解説します。

クリック課金

クリック課金は、SNS広告において最も利用されている課金形態です。広告がクリックされる度に料金が発生するスタイルであり、広告が表示されるだけでは料金がかかりません。購入・申込・資料請求など、確実なコンバージョンを狙いたいときにおすすめです。

クリック単価は、25円から200円程度で設定するのが一般的です。設定単価が大きいほど広告が表示されやすくなりますが、その分クリックされる度に生じるコストも大きくなります。

インプレッション課金

インプレッション課金とは、広告が表示された回数に応じて料金が変動する課金形態です。クリック課金と同様に、多くのSNS広告で利用されています。1,000回ごとに料金が増えることが多く、400円から650円程度が相場です。

広告を大量に配信して認知を拡大したいときや、新商品の発売など特定の時期に話題を呼び込みたいときに向いています。また、ユーザーのアクションがコスト変動に影響しないため、予算を設定しやすいのもメリットです。

エンゲージメント課金

エンゲージメント課金とは、RT(リツイート)や「いいね」などエンゲージメントが発生したときに料金が変動する課金形態で、Twitterで導入されています。1回のアクションに対し40円から100円の相場で料金が設定されます。

自社のファンを獲得したいときに活用しやすい方法で、広告に対し共感を得た数をダイレクトにチェックできます。広告が表示されただけでは料金が発生しないので、必要最小限のコストで広告を配信できるのもメリットです。

フォロー課金

フォロー課金(CPF)とは、広告がきっかけでフォロワーを獲得したときに料金がかかる課金形態です。Twitter広告でのみ導入されており、1フォローに対し40円から100円が発生します。

エンゲージメント課金と同じく自社のファンを獲得したいときに活用しやすい方法であり、見込み客の獲得に最適です。一度フォロワーになってもらうことができれば、その後のプロモーションや自社投稿も届けられ、アクションを訴求しやすくなります。

アプリのインストール課金

アプリのインストール課金(CPAC/CPI)とは、広告を通してアプリがインストールされたときに課金される形態です。InstagramとTwitterで導入されています。1インストールあたり100円から250円と単価は高いですが、今後確実に自社の顧客になるであろうユーザーを獲得できます。

化粧品・アパレルブランドなどオンライン購入しやすいメーカーやECサイトアプリ、ファミリーレストランなど全国にチェーン展開している店舗のアプリなどの利用率が高めです。また、ゲームアプリなどの広告配信も多くなっています。

動画再生課金 

動画再生課金(CPV)とは、動画広告が再生された回数・時間に応じて料金が変動する課金形態です。YouTubeやTik Tokなどの動画プラットフォームで活用されています。

回数に応じて数円から数十円程度の料金が生じることもあれば、動画を最後まで表示した場合に数十円から100円程度の料金が生じることもあります。表示するだけで料金が生じるという点ではインプレッション課金と似ていますが、表示1,000回単位ではなく都度の課金であるという点が違います。

SNS広告の成功事例6選

Successful examples of SNS advertising

ここでは、SNS広告の成功事例を紹介します。プラットフォームごとの特徴を活かしながら、自社ならではの広告になるよう工夫した事例が多いので、チェックしてみましょう。

LINE広告|サブスクお菓子を複数手段でアプローチ

サブスク型で定期的にお菓子の宅配サービスを提供している「スナックミー」では、LINE広告を使ったアプローチに成功しています。ユーザー属性を指定できるLINEターゲティング配信と、オンライン行動をもとに緻密なリターゲティングができるオーディエンス配信を組み合わせるなど、多彩な工夫を凝らしました。

LINE広告で利用できるさまざまな手段を組み合わせているからこそ、広告効果が高くなった事例です。結果、他のSNS広告では獲得できていなかった40代と50代の利用者も伸びるなど、新たな顧客獲得につながりました。

2. Facebook広告|自動車インベントリー配信を活用したアプローチ

「メルセデスベンツ日本」では、Facebook広告で利用できる自動車インベントリー配信を活用して成功しています。自動車インベントリー配信とは、モデル・年式・カラー・機能などが入ったカタログをアップロードする配信手法です。価格や在庫情報もリアルタイムで反映でき、豊富な情報量でのアプローチができるようになりました。

また、ユーザーの閲覧履歴をもとに類似品をレコメンドするなど、セカンドアプローチがしやすいのも特徴です。エリア情報も加え、車の購入をしやすくしたことで、販売台数が伸びました。

3. Instagram広告|文具の種類や使用感を動画で伝える

文具メーカーの「コクヨ」は、Instagram上に動画広告を配信し、文具の種類や使用感を分かりやすく伝えることに成功しています。インクの色見や紙の厚さなど、テキスト・画像だけでは伝わらない情報を確実にユーザーへ届けました。

また、「映え」を意識したおしゃれな文具をアプローチし、購買欲を刺激しています。文具を使うことの多い学生層はもちろん、若い女性をターゲットにしたかわいい文具から、男性客を意識したスタイリッシュな文具まで、さまざまな商品をピックアップしています。

4. Twitter広告|製薬会社の「ジョーク商品」に広告費を投入

「アース製薬」では、エイプリルフールに合わせたジョーク商品を企画し、大きな広告費を投入しています。あくまでもジョーク商品であるため実際の生産はしておらず、注目を集めても直接的な売上増にはなりませんが、「ユニークな会社」「他にも独創的な商品があるかも」と話題になりました。

1日で97万以上のインプレッション達成は、自社の認知拡大を物語っています。直接的なコンバージョンだけでなく、ブランディングにも広告が活きると分かる事例です。

5. TikTok広告|脱毛クリックの「広告感を出さない広告」

医療脱毛の「アリシアクリニック」では、キャンペーン内容や脱毛効果などにはあえて一切触れず、ミュージックビデオ風の明るい広告を配信しています。ユーザーの興味を惹いて思わず最後まで見たくなってしまう広告に仕上げ、スキップされる数を減らしました。

自社に興味を持ってもらうための広告として活用しており、ほしいものが明確にあるわけではない潜在層の獲得に成功しています。「こういう綺麗な人になりたい」という憧れを呼び起こすきっかけにもなっており、ターゲットが若い女性であるサービスならではの工夫と言えるでしょう。

6. YouTube広告|電動歯ブラシの振動を動画で伝える

電動歯ブラシメーカーの「MISOKA」は、コップのなかに電動歯ブラシを入れた動画広告を配信し、振動の細かさを正確に伝えることに成功しています。説明文を最小限に削った無駄のない広告でありながら、開始数秒で何の商品をアプローチしているのかわかりやすく、大きく認知を広げるきっかけになりました。

SNS広告だけでなく店舗でのキャンペーンも組み合わせるなど工夫しており、PV数(Webページの閲覧のべ数)が1,500%増になるなど高い成果を発揮しています。

SNS広告の成果を上げる5つのポイント

5 pints to improve the results of SNS advertising

最後に、SNS広告の成果を上げるためのポイントを解説します。今後新たにSNS広告を始める方はもちろん、今のSNS広告運用に課題を感じている方も、ご参考にしてください。

ポイント1:媒体ごとの特徴を理解する

一口にSNS広告と言っても、さまざまなSNSプラットフォームがあり、プラットフォームごとにメインユーザー層も異なります。Instagramには若年層や女性が多く、Facebookはビジネスマンや企業のアカウントが多いです。媒体ごとの特徴を理解しておきましょう。

その後、自社のソリューションに合ったSNSを選択することが大切です。自社のターゲットが誰なのか、ターゲットはどんなSNSを利用しているのか、市場分析をしておきましょう。

ポイント2:ペルソナを設定しておく

次にペルソナを設定します。ペルソナとはターゲットをより深く掘り下げたものであり、具体的な個人のイメージをするのに近いです。

例えば、「都内23区に住む20代独身女性。メーカー勤務5年目で残業が多く、夕飯は外食やコンビニで済ませがち。趣味は映画やアニメなどインドア派」など、具体的な個人をイメージしてみましょう。そのうえでペルソナに似た人へSNSの使い方をヒアリングするなど、市場分析を深めるのがポイントです。

イメージができていればSNSの選定やコンバージョンまでのルートも描きやすく、効果的なSNS広告が作れます。

ポイント3:PDCAサイクルを回すリソースを確保する

SNS広告は、出稿しっぱなしのまま自動で効果が出るとは限りません。あらかじめPDCA(Plan・Do・Check・Action)サイクルを回せるだけのリソースを確保しておきましょう。予算・時間・人員を確保し、定期的にSNS広告の効果検証ができれば、課題に気づきやすくなります。

また、課題に気づいてからは仮説を立てて改善してみるなど、新たなアクションも必要です。繰り返しながら社内にSNS広告運用に関するノウハウを蓄積し、独自のスタイルを構築していきましょう。

ポイント4:明確なKPIを設定しておく

PDCAサイクルを回すには、明確なKPI(業績評価の指標)が必要です。PV数(Webページの閲覧のべ数)・コンバージョン数(商品購入や資料請求などの回数)・クリック数などそれぞれの項目で数値目標を作り、今の配信方法ではどの部分が弱くどの部分が強いのか可視化します。

KPIに基づいたPDCAサイクルを回すことにより、自社なりの「SNS広告における勝ちパターン」が見えてきます。また、どの程度予算をかけてよいか客観的に判断しやすくなり、意思決定のスピードも上がります。

ポイント5:目標に合った予算を設定する

SNS広告は比較的安価に始めやすいのがメリットですが、使い方次第では予算を超えてしまうことがあるので注意しましょう。

特に、クリック課金やエンゲージメント課金では、投稿がバズったことで思わぬコストがかかるケースがあります。注目を集めて嬉しく感じる一方、コンバージョンにつながらないとただのコスト増になってしまうのです。

まずは自社がSNS広告にかけられるコストを可視化し、その範囲内で運用することが大切です。または目標から逆算して予算を設定するなど工夫し、コストパフォーマンスの最大化を狙いましょう。

まとめ|自社に合ったSNSを利用するのがポイント

SNS広告に成功できれば、最小限のコストで最大のパフォーマンスを得ることができます。また、購入や申し込みだけでなく潜在顧客の獲得など、副次的な効果が得られることも多いので注目しておきましょう。

SNS広告を成功させるには、まず自社に合ったSNSを選定するのが大切です。また、予算を大幅に超えないような設定やトレンドを理解したクリエイティブなど、求められることも多いです。

Meltwaterは、SNS広告に役立つソーシャルメディア分析ツールなどを提供しています。自社ターゲットがどんなSNSを使っているか知り、影響力を最大化させたいときにお役立てください。

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