広報やPR、ブランディングなどを強化するためにSNS運用を検討しているものの、どのように始めればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SNS運用の概要やメリット、成功させるコツなどを解説します。
SNS運用とは?
企業がSNSを運用する理由と目的
SNS運用のメリット
SNS運用のデメリット
SNS運用の始め方5ステップ
代表的なSNSの特徴
SNS運用を成功に導くコツ7選
SNS運用を効率化する手段
SNS運用の成功事例【SNS別】
まとめ|企業SNSを活用してブランド力を高めよう
SNS運用とは?
SNS運用とは、X(Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSプラットフォーム上に開設された企業の公式アカウントから、情報発信を行うマーケティング活動です。目的は企業や商品・サービスの認知拡大、ユーザーとの信頼構築などです。投稿内容には、以下のようなものがあります。
- 商品・サービスの紹介
- 商品・サービスに関するお役立ち情報(例:商品が食品ならレシピや調理道具など)
- 企業が取り組んでいる社会活動のレポート
- 社員紹介
- 企業や商品・サービスとは直接関係ないエンターテインメント性があるもの
認知拡大のためには、商品・サービスの宣伝だけでなく、企業の活動や社員インタビューなどの投稿を通して、企業に親しみをもってもらうことがポイントです。「社員が〇〇にチャレンジする」といった、商品とは直接関係がない企画が行われることもあります。また、ユーザーからの反応に対して、コメントやいいねで応えることも、信頼関係の構築につながります。ユーザーの反応はデータ分析により、次回のマーケティングに活かせることもメリットです。
SNS運用には投稿作成やコメント対応、データ分析など多岐にわたる業務が発生しますが、戦略的に取り組むことで企業の成長に大きく貢献する重要なマーケティング活動になるといえるでしょう。
SNSマーケティングとの違い
SNS運用はSNSマーケティング手法の一つです。
SNSマーケティングは、SNSを通して企業の認知度や好感度を高めたり、ユーザーとの関係を深めたりすることを目的としています。具体的には、以下のような手法があります。
- SNSアカウントの運用(SNS運用)
- SNS広告の運用
- ソーシャルリスニング
- インフルエンサーマーケティング
- SNSキャンペーン
SNSマーケティングはSNSアカウントを使って実施されるため、SNS運用はSNSマーケティングの土台ともいえます。また、他の手法と比べてユーザーと直接のやりとりが多くできることが、SNS運用の特徴です。
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企業がSNSを運用する理由と目的
SNSは現代のビジネス環境において欠かせないコミュニケーションツールとなっています。総務省が2024年に公表した資料によると、日本におけるSNSの利用は以下の通り増加を続けています。
出典:総務省「令和6年版 情報通信白書|SNS」
また、企業がSNSを利用する理由は以下の通りです。
出典:Meltwater「2025年ソーシャルメディアの最新状況」
SNSを利用する理由として「ブランド認知度の向上」が最も高いです。続いて多い「顧客とつながるため」「ブランドエンゲージメント向上」「新規顧客の獲得」もブランド認知向上と関連があり、認知を広げる重要性がうかがえます。
SNS運用で成果を出すには、投稿管理や分析が必要です。Meltwaterはこれらの作業を効率化し、SNS運用の作業工数を削減するソリューションを提供しています。
SNS運用のメリット
SNS運用のメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 低コストで始められる
- ブランド認知度の向上
- ファンの創出
それぞれ詳しく解説します。
低コストで始められる
SNS運用の最大のメリットの一つが、初期投資の少なさです。多くのSNSプラットフォームでは無料でアカウント開設ができるため、スタートアップや予算の限られた中小企業でも始めやすいでしょう。
新聞広告やテレビCMと比較すると、その差は歴然としています。例えば、全国紙の全面広告を1回出稿するだけで数百万円かかるのに対し、SNSでは投稿自体にかかる費用はゼロです。
本格的に運用するには人件費や制作費がかかりますが、パソコンやネットワークの機材がそろっていれば、初期費用はほぼかかりません。
ブランド認知度の向上
SNSは利用率が年々上がっており、企業や商品・サービスの認知度を高めるのに適した媒体です。ターゲット層が集まるSNSプラットフォームを選べば、自社商品に興味関心の高そうなユーザーに直接アプローチできるでしょう。
投稿にいいねが押されたりシェアされることで、自社のファン以外にも情報が届けられます。テレビCMや看板広告のような一方通行の広告とは異なり、ユーザー自身が情報拡散の担い手となる新しいマーケティングの形です。
また、SNSでは画像や動画を駆使して、企業の人間味や価値観、ストーリーなどブランドの世界観を表現できます。定期的に一貫性のあるメッセージを発信し続けることで、ユーザーの記憶に残り、結果として購買意欲を高めることが可能です。
ファンの創出
SNS運用の大きな強みは、ユーザーとのタッチポイントを創出し、ファン化を促せることです。企業とユーザー間で双方向のコミュニケーションが可能になります。
ユーザーからのコメントやDMにできるだけ早く返信することで、ユーザーは企業の存在が身近なものに感じられます。コメント内容がクレームであっても真摯に対応することが大切です。また、コメントの量が多い場合はいいねで反応するだけでも、ユーザーはコメントを読んでもらえたことがわかり、企業への好印象につながるでしょう。
こうした継続的な交流が、ユーザーからファンへと転換させる効果があります。
SNS運用のデメリット
一方、以下のようなデメリットもあります。
- 短期的な成果が得られにくい
- 炎上リスクがある
- 法的リスクが伴うこともある
それぞれ詳しく解説します。
短期的な成果が得られにくい
SNS運用のデメリットの一つとして、即効性がない点が挙げられます。新規アカウントを立ち上げたばかりでフォロワー数が少ない段階では、どれだけ質の高い投稿をしても到達範囲は限られています。
企業アカウントがユーザーの信頼を獲得し、本格的な効果が表れるまでには一般的に3〜6か月以上の継続的な発信が必要です。この間も、コンテンツ制作には相応の労力と時間を投入し続けなければならないため、目に見える効果がないとモチベーションが低下する恐れがあります。
短期的な数値にこだわるのではなく、長期的なブランド構築の一環として位置づけることが重要です。
炎上リスクがある
自社の投稿がネガティブに解釈されSNS上で拡散された場合、ブランドイメージの悪化や信用の失墜につながり、企業全体が損害を受けてしまいます。炎上を最小限に抑えるためには、以下のような対策が効果的です。
- 炎上した際の対処法を決めておく
- 投稿前には必ずダブルチェックを行う
- 正確性を確保するため、ファクトチェックを行う
- 政治、宗教、ジェンダー、容姿など、差別と捉えられる可能性がある発信を控える
炎上した際の対処法として、投稿を消すことは得策ではありません。企業が悪事を隠していると捉えられたり、スクリーンショットで拡散されたりするためです。謝罪文をすぐに配信したり、被害関係者を訪問したりするなどの対処法を考えておきましょう。
法的リスクが伴うこともある
SNSでは以下のような行為が違法にあたるため、注意が必要です。
- 著作権侵害(許諾を得ていない状態で、他者の著作物を使用する)
- 個人情報保護法違反(ユーザーの個人情報を、同意を得ずに投稿する)
- 景品表示法違反(虚偽広告や誇大広告の掲載)
また、競合他社を批判するような内容を投稿した場合、訴訟に発展する可能性もあります。リスクを把握し、予防策を練ったうえでSNS運用を開始しましょう。
SNS運用の始め方5ステップ
SNS運用を始める手順は以下の通りです。順番に解説します。
1. 目的の明確化
まずは、何を目的にSNSを運用するのかを明確にしましょう。目的が定まれば、SNSプラットフォームの選定や投稿内容などを検討しやすくなります。
よくある失敗は、フォロワーやいいねを増やすことだけに集中してしまうことです。それらは重要ではあるものの、目的を達成させるための一つの指標に過ぎません。フォロワーやいいねを増やすことで「この製品の売上を伸ばしたい」といったように、最終的な目標を念頭に置くようにしましょう。
2. ターゲットの明確化
次に、どのターゲットに向けてSNSを発信するのかを決めます。ターゲットが明確になれば、発信するコンテンツの方向性も定まります。
ターゲットを決める際は、ペルソナ設定がおすすめです。ペルソナとは、商品やサービスを利用するユーザー像のことで、ターゲットをさらに詳しく設定したものです。年齢や性別、職業だけでなく、生活スタイルや家族構成なども細かく設定していきましょう。
3. 自社に最適なSNSの選択
次はSNSプラットフォームの選定です。プラットフォームによって、特徴やユーザー層が異なるため「目的」と「ターゲット」をもとに検討するとよいでしょう。
例えば、TikTokは10~20代、Facebookは30~40代のユーザーが多いです(参照:総務省情報通信政策研究所 令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書)。プラットフォーム選びを間違えてしまうと、良質な投稿でも成果を出しにくいため注意が必要です。
4. 運用マニュアルの策定
SNSプラットフォームを決めたら、運用マニュアルを策定します。マニュアルがあれば、業務内容をスタッフ全員で共有でき、不測の事態にもスピーディに対処できます。炎上リスクを最小限に抑えるためにも、マニュアル作成は欠かせないプロセスです。
なお、マニュアルには以下のような項目を記載しましょう。
- 投稿頻度
- 投稿時間
- 投稿の作成手順
- 投稿方法
- コメントへの対応方法
- 炎上時の対応方法
5. 運用計画の立案
次に、運用計画を立案します。戦略のスケジュールとあわせ予算も明確にし、無理のない施策にしましょう。
中間目標であるKPI(重要業績評価指標)を設定すると、スケジュールが立てやすくなります。KPIは、フォロワーやコメントの数などが一例です。どのくらいで目標を達成させ、そのためにはいつまでに何をしたらいいか、計画を練っていきましょう。
代表的なSNSの特徴
自社に最適なSNSプラットフォームを選定するには、各SNSについて知っておく必要があります。以下は、SNSの主なユーザー層や特徴をまとめた表です。
SNS名 | 主なユーザー層 | 特徴 | ガイドライン | |
---|---|---|---|---|
X(旧Twitter) | 20代 | ・短文投稿が多い ・拡散力が強い | ルールとポリシー | |
30~40代 | ・実名登録 ・ビジネスシーンで利用されることが多い | Facebookヘルプセンター | コミュニティ規定 | |
10~30代 | ・ビジュアルでの訴求に特化 ・#(ハッシュタグ)検索が可能 | コミュニティ規定 | ||
tiktok | 10~20代 | ・ショート動画がメイン ・若年層に人気 | Community Guidelines | |
YouTube | 幅広い年齢層 | ・世界最大の動画プラットフォーム ・おすすめ表示で潜在顧客にもアピール | YouTube policies YouTube's Community Guidelines | |
LINE | 幅広い年齢層 | ・利用者数が多い ・1対1のコミュニケーションに特化 | 規約・ポリシー |
X(Twitter)
X(Twitter)は140文字以内(全角の場合)の短文投稿が中心のSNSです。リアルタイム性があり、拡散力が高いのが特徴です。話題になれば、一気に認知度を高められます。一方、ネガティブな情報が広まるスピードも速いため、企業アカウントから発信する際は細心の注意を払う必要があります。
Facebookはビジネスシーンで利用されるケースが多いSNSです。実際に、多くの企業がブランディングやプロモーションを目的に利用しています。実名登録制なので、情報の信頼性が高く、炎上リスクは他のSNSよりも低めです。
画像や動画といったビジュアルでの訴求に特化したSNSです。商品の使い方や料理の作り方もわかりやすく、アパレルや化粧品、料理などのBtoC向けの商品・サービスに適しています。ハッシュタグで検索しているユーザーが多いため、発信するコンテンツに適したキーワードを設定することが重要です。
TikTok
TikTokの主なコンテンツは短尺動画です。10〜20代に支持されているため、若年層を対象とした商品・サービスを提供している企業に適しています。簡単に動画編集できるのも特徴で、未経験でも取り組みやすいです。
YouTube
YouTubeは幅広い年齢層が利用しているSNSです。近年では、公式チャンネルを開設し、商品やサービス、取り組みを紹介している企業も増えています。ライブ配信機能もあり、オンライン上でのセミナー開催も可能です。それまでの視聴動画と関連のあるものがおすすめに表示されるため、潜在顧客にもアピールできるのがメリットです。
LINE
LINEは1対1のコミュニケーションに向いているSNSです。若年層からシニア世代まで幅広い年齢層のユーザーが利用しています。BtoC向けに「Lステップ」という機能があり、LINEアカウントを活用してユーザー属性に応じた自動配信できるのがメリットです。
「2024年ソーシャルメディアの最新状況」をご存知ですか?
SNS運用を成功に導くコツ7選
SNS運用を成功に導くには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 運用チームを構築する
- ユーザーのニーズに合ったコンテンツ発信
- 画像・動画コンテンツで訴求力を高める
- 投稿頻度と時間帯を最適化する
- エンゲージメントを高める
- 他企業をフォローする
- 効果測定を行い、PDCAを回す
順番に解説します。
1. 運用チームを構築する
SNS運用は複数人から構成されるチームで行いましょう。1人の担当者に任せた場合、ミスがあっても気づけないからです。また、投稿内容に客観性が担保できなくなると、炎上リスクも増えてしまいます。チーム内で作業を分担する際も、全体の作業内容は全員が把握しているとよいでしょう。
なお、Meltwaterの調査によると、日本企業のSNS運用チームは2〜5名体制が最も多く、全体の約50%を占めています。次いで0〜1名、6〜10名と続きます。
出典:Meltwater「2025年ソーシャルメディアの最新状況」
限られた人員でも効果的な運用ができるよう、明確な役割分担と情報共有の仕組みを整えましょう。
2. ユーザーのニーズに合ったコンテンツ発信
ユーザーのニーズを満たした良質なコンテンツは、認知度を上げるのに効果的です。悩みや課題を解決できるコンテンツを作り続けることで、ロイヤリティの高いユーザーを増やせます。有益なコンテンツはいいねの数が増え、さらなる拡散が期待できます。
ユーザーのニーズがわからない場合は、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用するのも方法の一つです。例えば、自社製品についてのユーザーの投稿を自社で再投稿したり、タグ付けタブ機能(自社がタグ付けされた投稿の一覧表示)があるSNSプラットフォームを選んだりする方法が考えられます。ユーザーの生の声を収集することで、商品開発にも取り入れられるでしょう。
3. 画像・動画コンテンツで訴求力を高める
テキストだけの投稿よりも、画像や動画を活用することでユーザーの関心を引きつけやすくなります。特に動画コンテンツは短時間で多くの情報を魅力的に伝えられるため、商品やサービスの特徴を効果的にアピールできます。
代表的なSNSプラットフォームでは動画投稿に対応しており、Instagram、Facebook、X(Twitter)など各媒体の特性に合わせた活用が可能です。また、YouTubeで作成した動画を短く編集し、TikTokなどのプラットフォームに転用することで、効率的にコンテンツを展開できるのも大きなメリットです。
4. 投稿頻度と時間帯を最適化する
SNS運用で成果を上げるには、適切な投稿頻度とタイミングの設定が重要です。投稿が少なすぎるとユーザーの記憶から薄れてしまい、一方で1日に何度も投稿すると、うんざりされてフォローを解除される原因にもなります。企業によって最適な投稿頻度は異なりますが、一般的にはInstagramやFacebookは週3〜4回、X(Twitter)は毎日1〜2回程度が理想的とされています。
また、ターゲットユーザーが最もアクティブな時間帯を見極めることも大切です。投稿のパフォーマンスデータを定期的に分析し、どの曜日・時間帯に最も反応がよいか把握することで、より多くのユーザーにリーチできるようになります。
5. エンゲージメントを高める
エンゲージメントとは、ユーザーとのつながりの強さのことです。ユーザーとの双方向コミュニケーションを活性化させることが、エンゲージメントを高めます。
ユーザーからのコメントやメッセージには、返信やいいねなどで反応を返しましょう。特に、質問やネガティブな意見には真摯に対応することが重要です。また、質問投稿やアンケート、投票機能などを活用して、ユーザーが気軽に参加できるコンテンツを定期的に発信することも効果的です。
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6. 他企業をフォローする
他社の企業アカウントとつながると、さらなる拡散が期待できます。おすすめなのが「企業公式相互フォロー」です。企業同士がお互いのアカウントをフォローすることで、相手の企業のフォロワーにもアプローチできます。また、他企業からフォローされるという点で、アカウントの信頼性が高まります。
他企業とのつながりを維持していけば、コラボレーション企画につながる可能性もあります。ユーザーの注目が集まり、新しいアイデアが生まれるきっかけにもなるでしょう。
7. 効果測定を行い、PDCAを回す
SNS運用で成果を出すには、PDCAサイクル(Plan:計画 → Do:実行 → Check:評価 → Action:改善)を回していくことが重要です。投稿内容ごとに、いいねやフォロワーの増減を測定・分析し、改善していきましょう。KPIの達成度合いをチェックしながら、ブラッシュアップしていくことで目標達成につなげます。
企業で利用されているSNSの効果測定の指標は、以下の通りです。
出典:Meltwater「2023年:SNSの最新状況」
評価指標として利用されているのは、エンゲージメント率が82%と最も多いことがわかりました。エンゲージメント率は、いいね・シェア・コメントなどユーザーの総合的な反応のため、使いやすい指標であると考えられます。次いでフォロワー数とWebサイトへのアクセス数が64%という結果でした。目標に合った指標を選びましょう。
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SNS運用を効率化する手段
SNS運用は規模が大きくなると、社内リソースだけでは手が回らない場合があります。その際は、外部委託やツールなどを利用し、効率化を図ることが大切です。
SNS運用代行サービス
SNS運用に社内リソースを割けなかったり足りなかったりする企業には、外部の専門家に委託する「SNS運用代行サービス」がおすすめです。このサービスでは、投稿作成から画像・動画制作、コメント対応、分析まで一括して依頼できます。
Meltwater「2025年ソーシャルメディアの最新状況」によると、SNS運用のすべて又は部分的に外注している日本の企業の割合は25.8%です。以下のグラフは、SNS運用でどの部分を外部委託をしているかに対する回答です。
出典:Meltwater「2025年ソーシャルメディアの最新状況」
外注しているタスクは「コンテンツ制作」が最も多く、次いで「広告」「動画作成」と続きます。部分的に外注するだけでも、作業はかなり効率化されるでしょう。
専門知識を持った代行業者に任せることで、質の高いコンテンツ制作やキャンペーン企画が可能になり、炎上リスクも軽減できるのが大きなメリットです。また、市場トレンドに精通した専門家の視点から、新たなターゲット層の開拓も期待できます。
費用は運用規模や依頼内容によって異なりますが、一般的に月額10万~30万円程度が相場です。小規模な投稿代行のみなら月5万円程度から、フルサポートの場合は月50万円以上になることもあります。自社のニーズに合わせて選択するとよいでしょう。
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ソーシャルメディア分析ツール
自社でSNS運用をすべて行う場合でも、効率的に運用するには、専用の分析・管理ツールの活用が欠かせません。Meltwaterの「2025年ソーシャルメディアの最新状況」によると、SNS運用において、分析ツールの一つであるソーシャルリスニングソフトウェアを活用している企業は2024年の40%から急増し、現在では75%に達しています。
ソーシャルメディア分析ツールの主な機能は以下の通りです。
- 投稿の予約配信と一括管理
- 複数SNSアカウントの一元管理
- 投稿パフォーマンスの分析
- ユーザーの管理
- カスタマーサービスの対応
分析ツールを活用すれば、運用担当者は業務負担を軽減しながら、データに基づいたSNS戦略の立案・実行が可能になります。
▶︎Meltwaterのソーシャルメディアマネジメント(SNS管理ツール)
SNS運用の成功事例【SNS別】
SNSを運用して成果を出した事例を紹介します。
- 株式会社ラグノオささき
- 味の素株式会社
- 株式会社リコー
- 三和交通株式会社
- 日本航空株式会社
- 株式会社レスピア
株式会社ラグノオささき|X(Twitter)
青森県のお菓子メーカー「ラグノオささき」は、人気商品「ポロショコラ」専用のX(Twitter)アカウントを開設し、SNS運用で大きな成果を上げています。開設当初わずか200人だったフォロワー数は、戦略的なキャンペーンを実施した結果、短期間で5,000人を超える規模に成長しました。
同社では、ユーザーの投稿を積極的にリポストしてコミュニケーションを活性化させるとともに、Meltwaterを活用して消費者の声を詳細に分析。この取り組みにより、商品開発や改良のヒントを得ることができました。
地元以外のお客様からの認知度や評価もリアルタイムで把握できるようになり、マーケティング戦略の精度を高められています。
味の素株式会社|Instagram
食品を提供する「味の素」は、Instagramのコンテンツに力を入れています。中でも「令和の家族はすれ違う?!」をテーマにした動画は、家族内での昭和と令和の世代間差や帰宅時間の違いがテンポよく軽やかに描かれ、商品の鍋キューブで乗り越えるというユニークな内容です。
他の企業には真似できない世界を描くことで、見る人に強い印象を残します。また、週1でひとり晩ごはんする子どもの割合など、現実に基づいたデータも動画の合間に挿入されています。楽しい雰囲気ながらも商品の意義も感じられる動画で、「いいね!」の数が通常の投稿の10倍にも増えました。
株式会社リコー|Facebook
ITデジタルサービスやプリンターなどの機器を製造する「リコー」は、キッズや学生を対象にしたワークショップを多数開催し、その様子をFacebookでレポートしています。カラーコピー機の大解剖といった遊び心のあるものから、農作業体験という会社とは直接関係がないような分野まで幅広く、人とつながりながら社会問題を解決しようとする会社の姿勢がうかがえます。
社会問題に切り込んだコンテンツなど、会社の宣伝ではなく読み手にとって価値あるものを提供しているのも特徴です。社員紹介や社内での働きやすさの工夫などの投稿もあり、SNS運用が採用活動にも活かされています。
三和交通株式会社|TikTok
タクシー会社である三和交通株式会社は、SNS運用で認知度を高めた企業の一つです。TikTokといえば若い世代がダンスの投稿をするというイメージがありますが、それを逆手にとり、おじさん世代のタクシー運転手がスーツ姿でダンスをする様子が投稿されています。中でも若者の間で流行りのダンスをリズム感よく踊る様子や、有名人とのコラボは「いいね」の回数が格段に上がりました。
意外性でユーザーを引きつけ、笑いを誘うショート動画で、SNS運用開始前には会社の存在を知らなかったユーザーからも支持を得ています。
日本航空株式会社|YouTube
「JAL 日本航空」は、「JAL、サブチャンネルはじめました。」というYouTubeチャンネルを運用しています。JALの社員にこの職業に就いたきっかけをインタビューしたり、CAとパイロットは本当に英語ができるのか検証したりするなど、普段触れることのない航空事情の裏側にスポットを当てているのが特徴です。
特に再生回数を伸ばしているのが、パイロットの一日密着取材です。パイロットの素顔が見られるとともに、フライトの様子まで知ることができます。サブチャンネルで肩の力を抜いて楽しむことができ、会社や社員に親しみが沸いてくる事例です。
株式会社レスピア|LINE
美容室の「銀座 Respia」は、LINEでのアカウント運用に取り組んでいます。メニューバーにより、スタイリスト紹介・予約・ポイントカードなどサービス別に表示がカテゴリされ、ユーザーにとっての使いやすさが特徴です。
予約管理やポイント管理がしやすいLINEと、美容室のニーズがマッチした事例です。LINEの販売機能も活用することで、オンライン上での売上も伸ばしています。
まとめ|企業SNSを活用してブランド力を高めよう
SNSを効果的に活用することで、コストを抑えて企業や商品・サービスの認知度を高められます。ユーザーとの信頼関係を深めてファンを獲得することも可能です。
成果を出すために最も大事なプロセスが分析と改善です。KPIに照らし合わせながら戦略をブラッシュアップしていく必要があります。
Meltwaterでは、SNS運用の分析に適したツールを提供しています。SNS上にある膨大な情報を収集し、数値やグラフを用いて分析することが可能です。SNS運用で成果を出せずに悩んでいる方やこれからSNS運用を始めたい方は、ぜひご利用ください。
Meltwaterは、複数のSNSを一元管理、投稿管理や効果測定の業務負荷を大幅に削減!
この記事の監修者:
山﨑伊代(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)
大学卒業後、新規顧客開拓セールスコンサルタントとしてMeltwater Japan株式会社入社。
食品・生活用品・エンタメ・自動車・機械・学校法人等多種多様な企業・団体の広報・マーケティング部門のデジタル化並びにグローバル化をMeltwaterのソリューションを通して支援。 2016年~2018年グローバルセールスランキング首位。 趣味は山登りとビデオゲーム。