コンテンツへスキップ
logo
インスタグラムの共同投稿(コラボ投稿)とは?やり方・デメリットも解説

インスタグラムの共同投稿(コラボ投稿)とは?やり方・デメリットも解説


山﨑伊代

May 2, 2025

企業のSNSマーケティングにおいて、より効果的な発信方法を模索している担当者の方は多いのではないでしょうか。最近注目されているインスタグラムの「共同投稿(コラボ投稿)」は複数のアカウントで同じ投稿を発信できる機能ですが、具体的な仕組みや運用方法がわからず、導入に踏み切れないケースも少なくないでしょう。

そこでこの記事では、共同投稿の基本概念から具体的な設定方法、成功させるための戦略までを解説します。メリットや、リスクへの対策についても詳しく説明します。

インスタグラムの共同投稿(コラボ投稿)とは?

インスタグラムの「共同投稿(コラボ投稿)」とは、複数のアカウントで同じ投稿を発信することです。投稿作成者は一つのアカウントですが、他のアカウントを共同投稿者として招待し相手が承認することで、全アカウントのプロフィールにその投稿が表示されます。招待できるのは最大3名で、非公開アカウントの場合はフォロワーに限り招待できます。

共同投稿によってそれぞれのアカウントのフォロワーに対してコンテンツを届けることができ、より多くのユーザーにリーチできるのが最大のメリットです。投稿に対する「いいね!」やコメントが増えればエンゲージメント率の向上も期待でき、企業のSNS運用としても効果が見込めます。        

タグ付けとの違い

タグ付けとは、自分の投稿に他のアカウントを紐づけることです。タグ付けされた画像にタッチすると、タグ付け先のアカウント名が表示され、さらにタッチするとそのアカウントページに移ることができます。

共同投稿では、作成したかどうかに関わらず共同投稿者全員のプロフィールに投稿が表示されます。タグ付けされた場合も、手動での承認操作がない場合、投稿が自動でプロフィールに表示されます。

共同投稿との相違点は、以下の通りです。

  • 投稿者として表示されるのは、共同投稿では全員だが、タグ付けでは投稿作成者のみ
  • インサイトデータの閲覧は、共同投稿では全員可能だが、タグ付けされた側は不可


タイアップ投稿との違い

タイアップ投稿とは、企業がインフルエンサーなどに作成を依頼した投稿のことです。広告としての投稿であることが分かるように、画面の上に「〇〇とのタイアップ投稿」と表示されます。

共同投稿では共同投稿者全員のアカウントが投稿者として表示され、タイアップ投稿でも投稿者とタイアップ企業の両方のアカウント名が表示されます。また、インサイトデータは共同投稿でもタイアップ投稿でも、投稿者全員が閲覧可能です。

共同投稿との相違点は、以下の通りです。

  • 共同投稿では全共同投稿者のプロフィールに投稿が表示されるが、タイアップ投稿はインフルエンサーなどの投稿作成者から配信され、企業のプロフィールには表示されない
  • 共同投稿は広告ではなく、タイアップ投稿は広告としての投稿

共同投稿を行うメリット

共同投稿を行うメリット

インスタグラムの共同投稿には、リーチ拡大やUGC活用など、SNS運用において見逃せないメリットが複数あります。ここでは、実際に得られる代表的な効果について紹介します。


共同投稿者のフォロワーへのリーチ

共同投稿の大きな強みは、両アカウントのフォロワーに同時にコンテンツを届けられる点です。例えば、自社アカウントが1万フォロワー、パートナーアカウントが5万フォロワーの場合、理論上6万人にリーチする可能性があります。通常の投稿では届かない層にもアプローチでき、

UGCの活用・促進

自社製品を紹介したインフルエンサーや一般ユーザーの投稿(UGC)を、企業側が共同投稿として掲載する方法もあります。ユーザー目線のリアルな使用感を届けることで、企業側からの一方的な宣伝ではなくなり、より信頼性の高い情報発信が可能になります。


▶︎あわせて読みたい:UGCとは?注目される背景や活用するメリット・手順・成功事例を紹介


エンゲージメント率の向上

共同投稿は、いいね!やコメントなどのエンゲージメントが増加する傾向があります。これは、投稿が双方のフォロワーに表示されるためです。

エンゲージメントが高まると、 インスタグラムのアルゴリズム上で評価が上がり、「おすすめ投稿」に掲載される可能性も上昇します。結果的にさらに多くのユーザーにリーチするという好循環が生まれます。

また、ユーザーからの反応が多い投稿は、アカウントへの信頼感やフォロー率の向上にもつながるため、SNS運用全体に良い影響を与えるといえるでしょう。

▶︎あわせて読みたい:エンゲージメント率とは?各SNSの計算方法や平均値、向上させるポイントを解説


新規フォロワーの獲得

共同投稿では、相手のフォロワーにも自社のアカウントが表示され、投稿をきっかけに興味を持ったユーザーが新たにフォローしてくれる可能性が生まれます。

とくに、インフルエンサーや他ブランドと組むことで、新しいファン層へのアプローチがしやすくなります。


インサイトデータの活用

共同投稿の大きな利点として、投稿に関するインサイトデータを共同投稿者全員が共有できる点が挙げられます。自社のフォロワーだけでなく、パートナーアカウントのフォロワーがどのように反応したかも詳細に分析できます。新しいターゲット層の反応や行動パターンを把握し、今後のマーケティング戦略に活かすのに有用です。

共同投稿のやり方

インスタグラムの共同投稿は、フィードやリール動画で簡単に設定できます。それぞれの投稿形式に応じた手順を理解しておくことで、コラボ施策をスムーズに実施できるでしょう。共同投稿に招待し、それに承認することで、共同投稿が実現します。


フィード投稿

フィードはインスタグラムのホーム画面にあたる部分で、メインの投稿がされるところでもあります。インスタグラムのフィード投稿で共同投稿者を設定する手順は以下のとおりです。

[共同投稿者を招待する]

  1.  投稿を作成し、公開前に編集画面で「人物をタグ付け」をタップ
  2. 表示されるオプションから「共同投稿者を招待」を選択
  3. 招待したいユーザーを検索して選択
  4. 「完了」をタップします

[招待を承認する]

  1. フィード右上の「メッセージ」から招待を確認
  2. 「レビュー済み」⇒「承認する」をタップ

招待を断る場合は、最後に「承認する」ではなく「拒否する」を選択します。

参考:Instagramでコラボ投稿を作成する | Instagramヘルプセンター


リール動画

リール動画は短尺動画のことで、ホーム画面とは別に専用タブで見ることもできます。リール動画もフィード投稿と同様の流れで共同投稿が可能です。

[共同投稿者を招待する]

  1. リールを編集し、公開前に編集画面で「人物をタグ付け」をタップ
  2. 表示されるオプションから「共同投稿者を招待」を選択
  3. 招待したいユーザーを検索して選択
  4. 「完了」をタップ

[招待を承認する]

  1. フィード右上の「メッセージ」から招待を確認
  2. 「確認」からリード投稿を確認した上で、「承認する」をタップ

招待を断る場合は、最後に「承認しない」を選択します。

参考:Instagramリール動画で他の利用者とコラボする | Instagramヘルプセンター


ストーリーズ

ストーリーズは、視聴期間が24時間に限られる投稿ですが、その分フィード投稿より手軽に近況を投稿できます。ハイライトとしてプロフィールに24時間以上残すことも可能です。

以前はストーリーズでも共同投稿機能が国内でテスト導入されていましたが、2025年4月時点では提供されていません。そのため、共同投稿として使えるのはフィード投稿とリール動画に限られます。

ただし、ストーリーズ内で相手をメンションし、相手が再シェアする形で、擬似的な共同投稿をすることは可能です。将来的には機能が復活する可能性もあるため、インスタグラムの最新情報には注目しておくとよいでしょう。


共同投稿者の解除方法

共同投稿を行ったあとで、投稿から自分や相手を外したい場合も考えられます。投稿作成者と共同投稿に招待された側では解除方法が異なるため、それぞれのパターンを確認しておきましょう。


自分が投稿作成者の場合

自分が投稿作成者の場合、作成中の投稿も公開後の投稿も、共同作成者の削除が可能です。公開後の場合は、「オプション」⇒「編集」をタップして「人物をタグ付け」に進みます。フィールド投稿もリール投稿も同様です。

  1. 対象の投稿にアクセス
  2. 「人物をタグ付け」から削除したいアカウントを選択し、名前の横の「削除」をタップ
  3. 「完了」をタップ
  4. 確認画面でもう一度「完了」をタップ

また、投稿自体を削除したり、アーカイブして非公開にしたりする方法もあります。アーカイブを使えば投稿はプロフィール上から非表示になりますが、後から復元もできるため便利です。


投稿作成者に招待された場合

共同投稿に招待されて承認したあとで、自分のアカウントからその投稿を外したい場合は、「シェアを停止」という機能を使います。フィールド投稿もリール投稿も同様です。

  1. 対象の投稿にアクセス
  2. 右上の「オプション」をタップ
  3. 表示されたメニューから「シェアを停止」を選択
  4. 確認画面でもう一度「シェアを停止」をタップ

この手順で投稿は自分のプロフィールから消え、共同投稿者からも外れます。ただし、この操作では投稿自体を削除することはできず、投稿作成者のプロフィールに残ります。投稿そのものを消したい場合は、投稿作成者に削除依頼を出す必要があります。

参考:Instagramでコラボ投稿を作成する | Instagramヘルプセンター


共同投稿を成功させるコツ4つ

共同投稿を成功させるコツ4つ

共同投稿の効果を最大化するには、投稿前後の戦略が重要です。ここでは、KPI設定や相手の選定、コンテンツ設計、効果測定といった成功のための4つのポイントを紹介します。


KPI(重要業績評価指標)の設定

共同投稿を始める前に、中間目標であるKPI(重要業績評価指標)を明確にしておくことが重要です。 例えば、ブランド認知の向上を目的とするならリーチ数やインプレッション数、販売促進が目的ならリンククリック数や購入数などがKPIにあたります。

投稿の公開後にはインサイト機能で数値を確認し、結果と照らし合わせながら改善点を見つけていきましょう。こうした振り返りを繰り返すことで、より成果につながる投稿戦略を築けるようになります。感覚ではなく数値に基づく運用が、SNS活用の精度を高めます。


ターゲット層が同じ共同投稿者の選定

共同投稿の相手には、自分がターゲットとする層に近いフォロワーを持つアカウントを選ぶことが鍵です。投稿がどの共同投稿者のフォロワーにも自然に届き、エンゲージメントも得やすくなります。

Meltwaterのインフルエンサーマーケティングツールを使えば、3,000万人以上のインフルエンサーの中からターゲットに合致するクリエイターを発掘できます。自社ブランドの価値を適切に届けてくれるアンバサダーを見つけ出し、より効果的なマーケティングを実現しましょう。

▶︎無料相談はこちら:Meltwaterのインフルエンサーマーケティングツール


共同投稿者にとって有益なコンテンツの作成

共同投稿を成功させるには、双方のフォロワーにとって価値ある内容を届けることが欠かせません。 例えば、共同イベントの紹介や、コラボ商品の開発ストーリーなど、コラボしたことでブランドの価値が上がるような企画は、見応えがあります。

プロモーション色を抑えつつ、双方のフォロワーが「役立つ」「面白い」と感じられる企画を意識し、投稿内容を構成していきましょう。



投稿後の効果測定

投稿後は一定の期間ごとに、設定したKPIに対して実際にどれだけ成果が出たかを分析しましょう。リーチ数やインプレッション、保存数、エンゲージメント率などをチェックし、どの要素が効果的だったのかを見極めることが大切です。データに基づくSNS分析を行うことで、次回の投稿に反映できます。

Meltwaterのソーシャルリスニングツールを活用すれば、SNS上での反応やブランドへの言及をリアルタイムで把握可能です。見逃しがちなユーザーの声を拾い上げ、より的確な施策へつなげましょう。

▶︎無料相談はこちら:Meltwaterのソーシャルリスニング

企業の成功事例

企業の成功事例

インスタグラムの共同投稿機能を効果的に活用している企業事例を紹介します。これらの事例から、異なる業種間でも相乗効果を生み出せることや、インフルエンサーとの連携による認知拡大の方法など、自社のマーケティングに応用できるヒントが得られるでしょう。


ケロッグ×niko and...

シリアル食品の世界的ブランド「ケロッグ」と、ライフスタイルショップ「niko and...」による共同投稿は、異業種コラボの好例です。一見関連性の薄い食品メーカーとアパレルショップですが、双方の持つブランドイメージの親和性を巧みに活用した事例として注目されました。

この共同投稿の核となったのは、ケロッグのトニー・ザ・タイガーやパッケージデザインを活かしたオリジナルグッズの開発です。「niko and...」のデザイン性の高い雑貨とケロッグのアメリカンレトロな世界観が見事に融合し、クッションやスリッパ、トートバッグなどの商品が誕生しました。

パンパース×育児インフルエンサー

紙おむつブランド「パンパース」と育児インフルエンサーによる共同投稿は、信頼性と親近感を兼ね備えた効果的なマーケティング事例です。このコラボでは、実際に子育て中のインフルエンサーがパンパース製品を日常生活で使用する様子を発信しています。

この共同投稿の最大の特徴は、リアルな使用体験に基づく情報発信です。育児インフルエンサーは自分の子どものおむつ事情や、パンパースを使って快適に過ごす赤ちゃんの様子を投稿し、製品の実用性や機能性を伝えています。

とくに子育て用品は、先輩ママ・パパの体験談が購買の判断材料になるケースが多いため、こうした形の投稿は非常に効果的です。インフルエンサーによる自然な紹介により、商品の魅力が押しつけがましくなく伝わり、フォロワーの購入意欲を引き出す結果につながっています。



DAISO×防災収納インストラクター

100円ショップ大手「DAISO」と防災収納インストラクターによるコラボレーションは、防災意識の高まりに応える、社会貢献性の高い取り組みといえます。DAISOの商品を使った防災対策のポイントや収納アイデアを専門家が紹介し、「手軽に始められる防災準備」というメッセージを発信しています。

この共同投稿は、専門家が発信しているという信頼性とダイソーの商品アクセシビリティが絶妙に融合している点が特徴的です。誰にとっても重要な災害対策が身近な100円ショップの商品で実現できるという安心感を提供し、フォロワーの行動を促す効果が期待できます。


共同投稿の注意点とデメリット

インスタで共同投稿を行う際には、リスクやトラブルへの備えも欠かせません。ここでは、よくある注意点やデメリットを事前に知り、対策を取るためのポイントを整理して紹介します。適切な準備と対応策を講じることで、安全かつ効果的に共同投稿を活用できるでしょう。


炎上リスクとその対策

共同投稿は、相手アカウントの発言や行動が原因で、自社にも炎上の影響が及ぶ可能性があります。

例えば過去に不適切な投稿歴がある相手と組んだ場合、その背景を知らずにコラボすることで信頼を損ねるケースも考えられます。相手のSNSでの発信内容やブランド方針をチェックし、問題がないかを確認しましょう。

また、投稿前は問題がなくても投稿後に問題が起こるかもしれません。万が一トラブルが起きた場合の対応ルール(削除対応・連絡手順など)を事前に話し合っておくと安心です。

SNSは拡散力が強いため、一度の失言や不適切な表現で信頼を損なうリスクも考慮する必要があります。炎上対策は、共同投稿における重要なリスクマネジメントの一つといえるでしょう。

▶︎あわせて読みたい:企業のためのSNS炎上対策を解説


共同投稿者とのコミュニケーション

共同投稿では、投稿を作成していなくても、共同投稿として招待されれば投稿者としてみなされます。そのため投稿内容は入念に確認し、共同投稿者全員が納得したものにしましょう。テーマを明確にし、それぞれのブランドイメージが尊重されていることが重要です。投稿のタイミングについても、全員が同意の上で実行します。

投稿後も効果測定の結果を共有したり、次回の改善点を話し合ったりすることで、より良いパートナーシップを構築できるでしょう。信頼関係を深めながら、円滑なコミュニケーションを継続することが、長期的な成功に結びつきます。


著作権・肖像権の管理

共同投稿で使用する写真や動画には、著作権や肖像権などの権利が関係します。第三者が写っている場合には、投稿前に使用許可を得る必要があり、画像やBGM、イラストなども権利者の許諾を得なければ違反となる可能性があります。特に企業アカウントでの発信では、著作権トラブルが信用問題につながるため注意が必要です。

インスタグラムでの著作権などの規定は、コミュニティ規定に記載されています。権利関連以外のことも併せて確認しておきましょう。

共同投稿者についてよくある質問

共同投稿の細かな仕様について疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、投稿後の編集や通知、招待の承認など、よくある質問にお答えします。

共同投稿者を解除したら相手に通知される?

共同投稿者として招待された人が共同投稿の解除を行うと、投稿の作成者に通知が届きます。無断で解除することもできますが、相手とその後もどこかでつながりがあるかもしれません。解除したい場合は理由を添えて相手に事前に連絡し、円満に共同投稿を終えるのが望ましいでしょう。


共同投稿者の招待を承認しないとどうなる?

共同投稿者として招待されても、承認を行わなければ共同投稿者ではなく、その投稿に自分の名前は表示されません。また、承認を拒否したことは、招待した側には通知されない仕組みになっています。


まとめ|共同投稿でマーケティング効果を高める

共同投稿は、フォロワー拡大やブランド認知の向上に効果的な施策です。投稿の企画段階からKPI設定、投稿後の効果測定などを、計画的に進めることが成功の鍵となります。共同投稿する相手選びや権利関係の確認も重要なポイントです。話題性のある事例を参考にしつつ、自社に合ったコラボ戦略を見つけましょう。

共同投稿者の選定やSNS上の声の分析を行う際は、Meltwaterのツールもぜひご活用ください。

⇒Meltwaterへお問い合わせ

この記事の監修者:

山﨑伊代(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

大学卒業後、新規顧客開拓セールスコンサルタントとしてMeltwater Japan株式会社入社。
食品・生活用品・エンタメ・自動車・機械・学校法人等多種多様な企業・団体の広報・マーケティング部門のデジタル化並びにグローバル化をMeltwaterのソリューションを通して支援。 2016年~2018年グローバルセールスランキング首位。 趣味は山登りとビデオゲーム。

LinkedIn