XやInstagramなどのSNSは、個人が楽しむだけでなく、企業にとってもブランド認知の向上や顧客との関係構築、売上拡大など、マーケティングに幅広く活用される重要なチャネルとなっています。
こうした背景を踏まえ、企業におけるSNS運用の実態と今後の展望を明らかにするため、Meltwaterは今年も「企業のSNS活用に関するアンケート」を実施しました。
SNS運用の目的や体制などの調査結果をもとに、2026年に向けた企業のSNS戦略の方向性を探ります。
本記事では、調査結果に加え、SNSマーケティング支援を行う株式会社ホットリンク コンサルティング営業本部ソリューション営業部部長の柴岡 幸輝氏のコメントも紹介しながら、企業がSNSをどのように活用すべきかについて解説します。
また今回は、Meltwater Japanのパートナーでもある株式会社ホットリンクの柴岡氏より、調査結果についてのコメントとインサイトをお届けいたします。
株式会社ホットリンク
柴岡幸輝(しばおか・こうき)氏
新卒で大手広告代理店に入社し、デジタル領域を中心としたマーケティング支援に従事。その後、インフルエンサーマーケティング会社にてマーケティング組織の立ち上げや新規事業企画推進、クライアント支援を担当。2022年にホットリンクへ入社。SNSコンサルティング業務とソリューション営業職を兼務。現在はソリューション営業部の部長として、新規案件の獲得を推進中。
調査時期:2025年10月
調査方法:Meltwater自社調査(インターネット)および外部アンケート調査会社を通じたインターネットアンケート調査
調査対象:スクリーニングされたSNSマーケティング担当者
回答者数:361名
企業がSNSを活用する目的とは?
SNS運用は社内で対応?それとも外部に依頼?
2026年、オーガニックなソーシャルメディアの役割はどうなる?
2026年のSNSマーケティング予算はどう動く?
企業はどのSNSをオーガニックなSNS戦略に活用している?
SNSマーケティング戦略にソーシャルリスニングは含まれている?
ソーシャルリスニングの主な目的は?
まとめ
企業がSNSを活用する目的とは?
企業がSNSを活用する主な目的として、「ブランド認知の向上」と「新規顧客の獲得」が上位にあり、SNSはマーケティングの初期段階に活用されることが多いことがわかります。
「売上を伸ばす」「WEBトラフィックの増加」など売上に関するものや、「顧客とのつながり」「エンゲージメントの向上」「顧客満足度の向上」のように、顧客との関係性を深める施策にも用いられています。
ソートリーダーシップとは、新しい考えによって時代をリードする能力のことです。「ソートリーダーシップの確立」「経営陣のプロモーション」は、顧客などに企業のリーダーシップ性をアピールし、ブランド価値を高める狙いがあるといえるでしょう。
これらの結果から、SNSはもはや単なる情報発信の場ではなく、マーケティング活動全体に関わる戦略的チャネルとして位置付けられていることが明確になりました。
【柴岡氏コメント】ソーシャルメディアはブランド認知から販促・売上貢献まで担う重要な接点ですが、「フォロワー数」や「エンゲージメント数」といったSNS内の指標がそのまま成果を示すわけではありません。事業ゴールから逆算した評価設計を行い、ビジネスへの貢献度を可視化できる状態を作ることが、投資対効果を最大化する第一歩です。
SNS運用は社内で対応?それとも外部に依頼?
SNS運用は社内で対応しているか、外部に委託しているか尋ねたところ、以下のような結果になりました。
*集計時に小数第1位で四捨五入しているため、端数処理の影響により合計が100%ではなく100.1%となっています。
「50%以上を外注」と「50%未満を外注」を合わせると54.6%に上り、社内運用と外注を組み合わせた運用体制がメインであることがわかります。運用の目的やリソース状況に応じた体制を選択していることがうかがえます。
2026年、オーガニックなソーシャルメディアの役割はどうなる?
オーガニックなソーシャルメディアとは、広告ではないコンテンツを掲載するSNSやブログを指します。企業が日常的に発信する情報に加え、ユーザーが自発的に投稿するコンテンツ(UGC)も含まれます。こうした広告を伴わないコンテンツは、広告費を抑えながら自然な形で認知を広げるのに有用です。
2026年におけるオーガニックなソーシャルメディアの役割について尋ねたところ、以下のような結果になりました。
*集計時に小数第1位で四捨五入しているため、端数処理の影響により合計が100%ではなく100.1%となっています。
61.8%の企業が「より重要になる」と回答しました。広告に依存せず、自然な情報発信やコミュニケーションを重視する流れが今後も続くと考えられます。
一方で、「わからない」「それほど重要ではなくなる」と答えた企業も合わせて38.2%
と一定数を占め、市場の不透明さも見てとれます。
【柴岡氏コメント】「オーガニックなSNSの重要性が増す」と考えられる背景には、生活者が「宣伝色の強い情報」を避けて、自然な会話の文脈でブランドに触れたいと望むようになった変化があります。だからこそ、企業発信で獲得できるリーチや反応だけでは不十分です。いかにユーザーの「語りたい欲求」を刺激して良質なUGC(口コミ)を生み出し、生活者同士の推薦・共有といったアーンドメディア観点でのSNS活用を設計できるかが、今後のSNS活用の成否を左右します。
2026年のSNSマーケティング予算はどう動く?
2026年のSNSマーケティング予算については、以下のようになりました。
「従来と同程度の予算を維持する」「予算を増やす」と回答した企業が、合わせて80.3%に上っています。「予算を減らす」と回答した企業が12.2%にとどまっていることからも、SNSマーケティングの重要性がうかがえます。
企業はどのSNSをオーガニックなSNS戦略に活用している?
オーガニックなSNS戦略に活用されているSNSプラットフォームには、以下のようなものがあります。
Instagramが57.9%と最も多く、次いでX(旧Twitter)が53.5%という結果でした。Instagramはビジュアル重視の発信、Xはリアルタイムの情報共有が強みで、それぞれの良さを活かすため併用して運用する企業も目立ちます。
続くFacebook(35.2%)やYouTube(33.8%)、TikTok(28.8%)も含め、世界でも主要なSNSがトップに並びました。利用率の高さから見ても、企業が複数のSNSを運用していることがわかります。
6位にランクインしたLINEは日本国内でのユーザー数が多く、年齢層も幅広いのが特徴です。ユーザー同士のやり取りよりも、企業からの発信がメインとなっています。トップ5のSNSとは特徴が異なるにも関わらず企業で多く活用されていることは、注目すべき点でしょう。
SNSマーケティング戦略にソーシャルリスニングは含まれている?
ソーシャルリスニングとは、SNSやブログなどソーシャルメディア上の顧客の声を収集・分析することです。専用のツールを用いて行うことが一般的です。
37.4%の企業が現在ソーシャルリスニングを活用しており、30.5%が2026年に導入予定と回答しました。
現在の活用企業に加えて導入を予定している企業も含めると、全体の過半数を占めており、ソーシャルリスニングの普及が着実に進んでいることがうかがえます。
【柴岡氏コメント】ソーシャルリスニングの導入率は着実に高まっています。自社発信だけでなく生活者の声を定量的・定性的に捉えることで、「SNSアカウント運用」という局所最適から一歩進み、より広い「ソーシャルメディアマーケティング」の視座で戦略を組み立てられるようになります。
ソーシャルリスニングの主な目的は?
企業がソーシャルリスニングを活用する目的には、以下のようなものがあります。
SNS運用の目的として「ブランド認知の向上」がトップに挙げられましたが、ソーシャルリスニングの活用目的でも「ブランド認知の追跡」がトップという結果になりました。さらなる認知拡大のため、「インフルエンサーや業界有識者の特定」をするとも考えられるでしょう。また、「ブランドレピュテーションのモニタリング」により、ブランドがどのような評価を得ているのかという認知の質の面を測る際にも役立っているようです。
顧客との関係構築もSNS運用の目的の一つです。「消費者インサイトの収集と分析」「センチメント(感情)の変化の追跡」は、顧客を知るために欠かせません。「消費者インサイト」とは、消費者自身も気づいていないニーズのことです。真のニーズを知ることで顧客満足度を上げ、関係をさらに深めることができます。顧客のブランドに対する「センチメント(感情)」を分析することで、消費者インサイトのヒントを得られるでしょう。
さらに「市場トレンドの予測」「競合とのベンチマーキング」「研究開発(R&D)のための情報収集」など、現状や今後の動向を知るためにもソーシャルリスニングは活用されています。リスクマネジメントにも有効でしょう。「キャンペーンのROI分析」とは、キャンペーンの費用対効果のことで、これも今後の施策に活かせるデータといえます。
【柴岡氏コメント】ソーシャルリスニングは、ブランド認知の追跡や消費者インサイトの把握といった「攻め」と、レピュテーション管理やクライシス対応といった「守り」の両面で機能します。オンライン上で「生活者の声」が見えやすく、広まりやすい現代において、この「声」をどれだけ戦略設計に活かせるかが、マーケティング活動の成熟度を左右するといえるでしょう。
まとめ
今回の調査では、多くの企業がSNSをブランド認知向上や顧客との関係構築のために活用しており、オーガニックなSNS投稿の重要性は2026年も高いことが明らかになりました。
ソーシャルリスニングは、ブランド認知の追跡や消費者インサイトの収集、市場トレンドの予測などを目的に導入する企業が多く、SNSマーケティングには欠かせない手段といえます。
Meltwaterでは、2026年のソーシャルメディアに関する最新動向を把握するため、日本を含む世界中の1,500名以上のマーケティング担当者を対象に、アンケート調査を実施しました。
この調査から見えてきた企業の活用実態とトレンドを下記のレポートで詳しく解説しています。ぜひダウンロードして、詳細をご覧ください。
Meltwaterは、世界中のソーシャルメディア、ニュースサイト、ブログなどの膨大なデータをリアルタイムで収集・分析し、企業がマーケティング、ブランド戦略、顧客サポートにおいて的確なインサイトを得られるようサポートします。
多言語対応、カスタマイズ可能なダッシュボード、そして業界最先端のAI技術を活用した分析機能を提供し、多様なビジネスニーズにお応えします。データドリブンなSNS戦略に、ぜひご活用ください。
この記事の監修者:
山﨑伊代(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)
大学卒業後、新規顧客開拓セールスコンサルタントとしてMeltwater Japan株式会社入社。
食品・生活用品・エンタメ・自動車・機械・学校法人等多種多様な企業・団体の広報・マーケティング部門のデジタル化並びにグローバル化をMeltwaterのソリューションを通して支援。 2016年~2018年グローバルセールスランキング首位。 趣味は山登りとビデオゲーム。
