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リーチとインプレッションの違いとは?

リーチとインプレッションの違いとは?意味・計測方法・増やすコツを解説


宮崎桃

May 2, 2025

SNSを運用しているものの、「リーチ」と「インプレッション」の違いが曖昧なまま、数値を分析しているという方も少なくないのではないでしょうか。両者の意味を正確に把握していないと、成果の判断や改善策の立案が的外れになってしまうおそれがあります。

この記事では、リーチとインプレッションの定義や違いに加え、それぞれの計測方法、数値を伸ばすための具体的な施策まで詳しく解説します。さらに、ユニークユーザー(UU)やページビュー(PV)など、混同しやすい他の指標についても説明します。

リーチとは?

リーチとは?

リーチ(Reach)とは、SNS運用において投稿や広告が「何人のユーザーに届いたか」を示す基本指標です。英語の「Reach」が意味する「到達」「届く」といったニュアンスのとおり、特定の投稿がどれだけ多くの人に表示されたかを測ります。SNS運用においては投稿コンテンツに実際に触れた人の数を表します。

もともとはテレビやラジオなどのマスメディア広告で使用されていた概念でしたが、現在ではInstagram、Facebook、X(旧Twitter)など各種SNSプラットフォームでも一般的に活用される指標となりました。

リーチの特徴は、同じ人が何回投稿を閲覧しても1回とカウントされる点にあります。例えば、ある投稿が500アカウントによって表示された場合、それは500人の異なるユーザーに届いたことを意味します。

企業のマーケティング活動においては、リーチ数を分析することで、新規ユーザーへの認知拡大や投稿の到達状況を把握できるため、非常に重要な指標となります。


インプレッション(imp)とは?

インプレッション(Impression)とは、SNS広告やWeb広告において、投稿や広告が画面上に表示された「回数」を示す指標です。「imp」と略されることもあり、InstagramやX(旧Twitter)などのSNS広告でも頻繁に使われます。

例えば、1つの投稿が1,000回表示された場合、インプレッションは1,000回としてカウントされます。同じユーザーが何度も閲覧した場合でも、表示されるたびに加算される点がリーチとの違いです。

なお、インプレッションはユーザーが投稿を注視したかどうかにかかわらず、画面上に表示された時点で計測されます。つまり、ユーザーが積極的に関心を示したかどうかではなく、単純に「表示された回数」を測定する指標です。

こうした特性から、インプレッションはSNS広告の露出度を把握するために欠かせない数値であり、投稿がどれだけ多くの機会で目に触れているかを評価する重要な手がかりとなります。


リーチとインプレッションの違い

リーチとインプレッションの違い

リーチとインプレッションは、SNS広告や投稿の効果を測定するうえでよく使われる指標ですが、その意味は明確に異なります。リーチは「投稿を見たユーザーの人数」、インプレッションは「投稿が表示された合計回数」を指します。

例を挙げると、1人のユーザーが同じ投稿を3回見た場合、リーチは「1」、インプレッションは「3」とカウントされます。同様に、3人のユーザーがそれぞれ3回閲覧した場合は、リーチが「3」、インプレッションが「9」になります。

リーチはどれだけ多くのユーザーに届いたか、インプレッションはどれだけの表示機会があったかを示すため、それぞれ異なる視点から効果を把握できます。SNS広告の成果を正しく評価するためには、両方の指標を併用して分析し、到達範囲と露出頻度の両面から判断することが重要です。


リーチの重要性

リーチは、SNS広告や投稿が何人のユーザーに届いたかを示す指標であり、SNS運用における基盤となる数値の一つです。リーチ数が多いということは、それだけ多くのユーザーに情報が表示されたことを意味し、「いいね」やフォロー、シェアなどの反応を得る可能性も高まります。

また、リーチ数の増加は、フォロワー層の分析にも役立ちます。フォロワーの属性データを分析することで、どのような投稿がどの層に響いているのかを可視化できるでしょう。こうしたSNS分析を通じて、投稿内容や配信タイミングの最適化が可能となります。

リーチ数の変化を継続的に追うことは、新規ユーザーとの接点拡大やブランドの認知向上において欠かせないアクションです。目的とするターゲット層に届けるためにも、リーチを意識した運用が求められます。


リーチ数の計測方法

リーチ数の計測方法は、SNSやWeb広告のプラットフォームごとに異なります。InstagramやFacebookなどのSNSでは、インサイト機能を活用することで、各投稿がどれだけのユーザーに届いたかを確認できます。

例えば、Instagramでは「リーチ」という項目で、何人のアカウントに投稿が表示されたかが明示されます。Web広告の場合、Google広告では広告が表示された端末数をもとにリーチが算出され、Yahoo!広告では広告が配信された端末単位でカウントされる仕組みです。

また、リーチ数は「インプレッション数 ÷ 一人あたりの平均表示回数」といった簡易的な計算式でもおおよそ算出できます。ただし、正確な数値を把握するには、SNSや広告ごとの計測ツールを使用するのが一般的です。

継続的にリーチ数の推移を確認することで、投稿の改善やターゲットへの到達度を評価しやすくなります。


インプレッションの重要性

インプレッションは、SNS広告や投稿がどれだけ多くの場面でユーザーの目に触れたかを測る重要な指標です。リーチが「何人に届いたか」であるのに対し、インプレッションは「何回表示されたか」に着目します。

投稿が多く表示されるほど、認知のチャンスは自然と広がり、結果としてリーチやエンゲージメントの増加につながる可能性があります。

例えば、コンテンツが発見タブやタイムラインに繰り返し表示されれば、まだフォローしていないユーザーにも届く機会が増えます。また、ユーザーが投稿に共感すれば「いいね」やシェアなどの反応が生まれ、二次的な拡散も期待できるでしょう。

つまり、インプレッションはリーチを拡大する前段階の入口ともいえる存在であり、投稿や広告の表示機会を増やすことが、SNSマーケティング全体の成果向上につながっていきます。

インプレッション数の計測方法

インプレッションの計測方法は、使用する広告プラットフォームやSNSによって異なります。以下の表に、主な広告サービスごとの特徴をまとめました。

Web広告のインプレッション計測方法

広告の種類計測方法
Google広告1ピクセル以上の広告が表示された回数をカウント
Yahoo!広告広告が掲載されるとカウント(ユーザーの画面に実際に表示されなくても可)
リスティング広告検索結果ページにWebページのタイトルが表示された回数をカウント

SNS広告のインプレッション計測方法

SNS広告の種類計測方法
Meta広告(Facebook/Instagram)広告が表示された回数をカウント(動画広告は再生されなくても表示されればカウント)
YouTube(インストリーム広告)動画が再生されるとカウント
YouTube(インフィード広告)動画サムネイルが表示された時点でカウント
YouTube(ショート広告)動画が再生されるとカウント
X(旧Twitter)投稿がユーザーのタイムラインに表示された回数をカウント(同一ユーザーが複数回見た場合も都度カウント)

▶︎あわせて読みたい:インプレッションとは?広告評価で活用する指標、計算方法を解説


リーチ数・インプレッション数を増やす方法6選

リーチ数・インプレッション数を増やす方法6選

SNS広告や投稿の成果を最大化するためには、リーチ数とインプレッション数の両方を意識した運用が欠かせません。ここでは、Instagram、X(旧Twitter)、Facebookなどの主要SNSプラットフォームでリーチ数とインプレッション数を効果的に増やすための方法をご紹介します。


ターゲットを設定する

SNS広告や投稿でリーチやインプレッションを効率よく増やすためには、まずターゲットの設定が不可欠です。誰に届けたいのかが明確でなければ、投稿が本来の見込みユーザーに届かず、反応が得られにくくなります。

ターゲットを設定する際は、年齢、性別、職業、趣味、ライフスタイルなど、できるだけ具体的な情報をもとにペルソナ(顧客像)を描きましょう。そのうえで、各SNSの広告設定やコンテンツ設計に反映させることが重要です。

また、ターゲティングの範囲が狭すぎると表示機会そのものが減るため、リーチが伸び悩む原因にもなります。SNS分析ツールを使って、実際のフォロワーの属性を定期的に確認しながら、ターゲット層の再評価を行うことが効果的です。

戦略的なターゲット設定は、数値の改善だけでなく、ブランドとの接点を持つユーザー層の拡大にもつながります。

投稿時間・頻度を最適化する

投稿の時間帯や頻度は、SNS上でのリーチ数やインプレッション数に大きく影響します。ユーザーがアクティブな時間に合わせて投稿することで、より多くの人のタイムラインに表示される可能性が高まります。

一般的に、朝(7時〜9時)、昼(12時〜14時)、夜(19時〜22時)は、SNSの利用が活発な時間帯とされています。ただし、実際のフォロワーの行動はそれぞれ異なるため、インサイト機能を活用して、自分のフォロワーが最も活動している時間帯を確認することが重要です。

また、投稿頻度も影響力のある要素です。一定のリズムでコンテンツを更新することで、アルゴリズムからの評価が高まりやすくなります。無理のない範囲で継続的に投稿することで、露出機会が安定し、リーチとインプレッションの向上が見込めます。


質の高いコンテンツを作成する

リーチ数とインプレッション数を増やすためには、ユーザーの関心を引く画像や、明確なメッセージを持つコンテンツが欠かせません。ユーザーにとって価値のある投稿は、エンゲージメントを生み出し、アルゴリズム評価を高める効果があります。

視覚的な質の向上は特に重要です。SNSは視覚メディアであるため、鮮明で明るい画像や動画は注目を集めやすくなります。撮影時の照明や構図に気を配り、必要に応じてフィルターやトリミングなどの編集を加えることで、印象を整えましょう。

また、アカウント全体のイメージを統一することで、ブランドの一貫性を保ち、信頼感を醸成できます。

業界のトレンドや旬の話題を取り入れることも効果的です。時事的な内容はユーザーの関心を引きやすく、シェアされる可能性も高まります。

ハッシュタグの最適化

ハッシュタグは、SNS投稿のリーチやインプレッションを伸ばすうえで欠かせない要素です。関連性の高いハッシュタグを使用することで検索性が向上し、フォロワー以外のユーザーにも投稿が届く可能性が高まります。

ただし、投稿内容と無関係なタグを付けると、関連性が低いと判断され、表示機会が減少するリスクもあることには注意が必要です。例えば、カフェの写真に「#筋トレ」など不適切なタグを付けると、アルゴリズムからの評価が下がる可能性があります。

逆に、「#カフェ巡り」「#コーヒー好き」など、投稿と一致するタグを使えば、検索からの流入が見込めます。

関連性の高いキーワードを選ぶこと、ターゲットに合わせたタグを選定することが重要です。効果の高いタグを見つけて活用すれば、投稿の露出を自然に高めることができます。

エンゲージメントを高める

エンゲージメントとは、ユーザーが投稿に対して行う「いいね」「コメント」「シェア」「保存」などのアクションを指します。この数値が高まることで、SNSのアルゴリズムによって投稿の評価が上がり、リーチやインプレッションの増加にもつながります。

エンゲージメントを高めるには、まずユーザーとの双方向のやりとりを意識した投稿が効果的です。「どちらが好みですか?」「あなたの体験を教えてください」といった質問を投げかけたり、意見を求めたりすることで、コメントの促進が期待できます。

また、投稿に寄せられたコメントにはできるだけ返信し、アカウントの親しみやすさを高めましょう。SNS分析ツールを活用して、反応の多かった投稿の傾向を把握すれば、今後の投稿戦略に活かせます。こうした積み重ねが、アカウントの評価向上につながります。

効果測定と改善の継続

リーチやインプレッションを増やすには、一度投稿して終わりにするのではなく、SNS分析を基にした振り返りと改善が必要です。データを基にした客観的な分析を行うことで、SNSの成果を数値で把握することができ、投稿内容や配信タイミングの改善につながる運用ができるようになるでしょう。

効果測定においては、インプレッション数の多さだけでなく、ターゲットへの到達度も重要な指標です。

例えば、インプレッション数が多くてもクリック率(CTR)やエンゲージメント率が低い場合は、コンテンツがターゲット層の関心を引いていない可能性があります。こうした場合は、ビジュアルやキャプションに改善の余地がある可能性があります。

なお、こうした分析にMeltwaterのSNS分析ツールを活用することで、投稿ごとのパフォーマンスやオーディエンスの動向をより正確に把握できます。的確なデータに基づいて戦略を練ることで、SNS運用の質を一層高められます。

このようなアプローチを継続することで、徐々にリーチとインプレッションの拡大につながります。

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▶︎Meltwaterのお客さま事例

その他の混同しやすい指標

SNSやWebマーケティングでは、リーチやインプレッション以外にも、似た意味を持つ指標がいくつか存在します。その中でも特に混同されやすいのが、UU(ユニークユーザー)とPV(ページビュー)です。ここでは、それぞれの定義と違いをわかりやすく解説します。


UU(ユニークユーザー)

UU(ユニークユーザー)は、ある一定期間内にサイトを訪れた人の数を表す指標です。リーチと似ていますが、UUでは同じ人が何度アクセスしても「1」としてカウントされます。1人が1日に3回訪問しても、UUは1のままです。

この数値は、IPアドレスやCookieなどの情報を元に、アクセス解析ツールが自動で集計します。Googleアナリティクスでは「ユーザー」として表示され、Cookieを利用してデータを取得します。

ただし、Cookieを無効にしている場合や、複数のデバイスを使用したアクセスでは、正確にカウントされないこともあるため、注意が必要です。

SNS分析を行う際は、UUとリーチの違いを理解したうえで、それぞれの役割を使い分けることが効果的な分析につながります。


PV(ページビュー)

PV(ページビュー)は、Webページが表示された回数を指す指標です。1人のユーザーが同じページを何度開いても、表示されるたびに1PVとしてカウントされるのが特徴です。同じ人が3ページ閲覧すれば3PVとなります。

ページ内に広告が表示されていなくても、ページが開かれた回数そのものがカウント対象になります。インプレッションは広告の表示回数を意味するのに対し、PVはページの表示回数であるため、同じ内容のページであっても、両者は必ずしも一致しません。

ユーザーがどれだけ多くのページを閲覧しているかを測るうえで、PVは重要な目安となります。サイトの回遊性を高めたい場合に、注視すべき指標です。

・かんたん比較

リーチ:SNS投稿が届いた「ユーザーの数」

インプレッション:SNS上の投稿や広告が表示された「回数」

UU:Webやアプリにアクセスした「人数」

PV:Webサイトのページ自体が開かれた「回数」


リーチとインプレッションの違いを理解してSNS運用に活かそう

SNS広告や投稿の成果を正しく評価するには、リーチとインプレッションの違いを明確に理解することが不可欠です。リーチは「何人に届いたか」、インプレッションは「何回表示されたか」を示す指標であり、片方だけを見ても本質的な効果を判断することはできません。

インプレッションが多いのに反応が少ない場合は、コンテンツが関心を引いていない可能性があります。一方、リーチが少なければ表示そのものに課題があるかもしれません。こうした数字の背景を読み取るには、SNS分析ツールを活用した継続的な効果測定と改善が重要です。

Meltwaterでは、こうしたSNS分析をサポートできるツールを提供しています。SNS運用の質を高めたい方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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