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【2026年 SNSトレンド予測】3名の専門家が予測するAI時代の消費者行動とは

【2026年SNSトレンド予測】3名の専門家が予測するAI時代の消費者行動とは


Mar 5, 2026

2026年、SNSの進化はさらに加速し、消費者行動にも新たな変化が訪れると予測されます。

AI技術の進化により、検索行動は多様化し、従来のインターネット検索やSNS検索に加えてAI検索が日常的に活用される時代に入りました。こうした選択肢の増加に伴い、消費者は目的やシーンに応じて複数の検索手段を使い分けるようになり、購買行動のプロセスそのものが大きく変わりつつあります。

また、AI生成コンテンツが増えるなかで、SNS上のリアルな口コミやUGCの価値はどのように変化するのかも注目すべき点です。

同時に、SNS各社の機能強化や生成AIプラットフォームの台頭により、2026年の購買行動に最も影響を与えるサービスはどれになるのでしょうか。

今回は、SNSに精通している専門家3名に2026年の消費者行動を形づくる新しいトレンド、検索行動の変化、UGCの価値、さらには影響力を持つプラットフォームなどについて伺いました。

2026年のSNSはどこへ向かうのか、その最新の視点をお届けします。

ご協力いただいた専門家(五十音順)

  • 井水 朋子氏(株式会社 エスファクトリー 代表取締役/SNSマネージャー認定講師)
  • 毛利 美佳氏(SNSマネージャー養成講座 講師/上級ウェブ解析士)
  • 森 和吉氏(株式会社吉和の森 ・株式会社吉和の森八戸 代表取締役/Web制作集客/ウェブ解析士マスター/チーフSNSマネージャー)

<トピック> 


2026年、SNS上での消費者行動にはどのような新しいトレンドが現れると思いますか?

井水 朋子氏(株式会社 エスファクトリー 代表取締役/SNSマネージャー認定講師)

井水氏
SNS上での購買行動において、「発見から購入まで完結」する傾向が加速しています。ライブ配信による「視聴理解から即時購入」というスタイルが普及し、なかでもTikTok Shopは世界的に急成長を遂げています。日本国内においては、家電・ガジェット、美容・コスメ、アパレルといったカテゴリーでの浸透が進んでいる状況です。

ビジネスリーダーに求められるのは、SNSを通じて商品認知に至ったユーザーに対し、購入へ踏み切るための「理由付け」をどのように設計するかという点です。たとえば、初回限定お試しセットやプレゼント企画で購入ハードルを下げる動きが進み、2026年はSNS限定企画が一層増加すると予測されます。今後は、顧客調査やソーシャルリスニングを実施し、自社商品がどのように語られているかを正確に把握した上で、その文脈に即した購入への理由付けを設計できる人材の重要性が高まるでしょう。


毛利氏
2026年は、SNSが「娯楽」だけでなく「生活の検索窓」として定着し、発見から比較までの消費者行動がSNS内で進みやすくなり、購入判断もSNS起点で加速すると思います。短尺動画・レビュー動画の視聴や検索から候補を絞り、保存して後日購入するという行動が増えるでしょう。拡散は公開よりDMや小さなコミュニティでの共有/相談に寄り、意思決定が外から見えにくくなる一方、影響力は強まると考えています。生成AIの普及で、AIが「選び方の整理や候補の絞り込み」まで担い、SNSで体験裏取り→公式で確証という往復が一般化し、おすすめ任せではなく、信頼できる人の発信を起点に能動的に選ぶ動きも進むと思います。



森氏:
2026年は、AIがSNSにさらに深く浸透する年になると考えられます。具体的には、各SNSにおいてAIによるコンテンツ推奨の精度が向上し、またAIが生成した動画や画像を簡単に投稿できる環境が整うでしょう。一方で、AI生成コンテンツの増加に伴い、現実味のない情報が氾濫する可能性も考えられます。そこで、消費者は、よりリアルで本質的な体験を志向するようになり、無加工の投稿や、特定の関心に基づくニッチなコミュニティでの交流が活発化すると考えています。

日本では、TikTokやInstagramのショート動画がさらに普及し、買い物や決済がSNS内で完結するソーシャルコマースが日常化する見込みです。消費者は時間の効率的な活用を重視するため、短時間で楽しみを得られ、かつ即座に購買できる商品やサービスが人気を集めるでしょう。


インターネット検索・SNS検索・AI検索と消費者が活用できる検索方法が増えていますが、今後はどのように使い分けられると思いますか?


井水氏

各プラットフォームの利用者が増加するにつれて、検索手法の使い分けがより一層進むと考えています。インターネット検索は「信頼性の高い情報確認の主要な手段」として、SNS検索は「最速での一次情報への到達や、近しい価値観を持つ人々の率直な意見の把握」に、AI検索は「論理的な意思決定の手助け」に活用されることになります。これに伴い、AI検索で見つけたブランドや商品・サービスをSNSで確認したり、SNSで見つけた情報をインターネット検索で深掘りしたりするなど、これまで以上にクロス検索が促進されるでしょう。
ビジネスリーダーにとって重要なのは、このような検索行動が多様化する潮流の中で、自社の優位性を見出すことです。戦略的にリソースを投下する姿勢が、2026年の事業の成否を分ける鍵となるのではないでしょうか。



毛利氏
検索手段そのものが置き換わるというよりも、目的に応じた役割分担がより明確になると考えられます。生成AIによる検索は、要点整理や比較軸の設計、候補抽出を通じて、溢れる情報を整理する入口として機能するでしょう。一方、SNS検索は、動画を通じた使用感や雰囲気、失敗談といったリアルなUGCを確認し、判断を裏取りする場となります。さらに、従来のインターネット検索は、価格や規約、保証、手続きなどの公式・一次情報によって確証を得るための手段として位置づけられていくと予想します。
2026年には、高額商品や慎重に選ぶものほどインターネット検索が重視され、体験価値が重要な商品ほどSNSでの情報収集が中心になると見られます。AI→SNS→インターネット検索を行き来しながら、納得感と確実性を積み上げて意思決定する行動が一般化していくのではないでしょうか。

森氏:
今後は、多くの人が目的によって明確に検索ツールを使い分けるでしょう。まず、インターネット検索は、正確性や深度のある情報を求める場合に利用されます。具体的には、商品の仕様や比較を詳細に調査したい場合などです。

SNS検索はリアルな口コミやトレンドを知りたい時に活用され、AI検索はまとめやおすすめを素早く知りたい時に活用されるでしょう。たとえば、「おすすめのレストランを教えてください」といった質問に対し、複数の情報源からパーソナライズされた回答が即座に返ってきます。今後は、まずAI検索で大まかな候補を絞り、次にSNS検索でリアルな口コミを確認し、最後にインターネット検索で詳細情報を確かめるというプロセスが一般的になると予想します。


AI検索の影響力が強まるなか、SNSのリアルな口コミやUGC(ユーザー生成コンテンツ)の価値や、これらを探す行動はこれからどのように変化すると思いますか?

毛利 美佳氏(SNSマネージャー養成講座 講師/上級ウェブ解析士)


井水氏
AI検索が強化されるにつれて、SNSの口コミやUGCの価値は増大します。なぜなら、近年のAIモデルは、公開されているレビューや体験談を広く学習し、より人間的な回答を目指しているからです。つまり、AI自体が生活者の口コミをエビデンスとして利用している状況です。実際に体験した人が発信する情報は信頼できる一次情報として、これまで以上に重要になるでしょう。

ビジネスリーダーが認識すべきは、UGCは「放っておいても勝手に生まれるもの」ではなく、「戦略的にモニタリングして育てるべき資産」であるという点です。自社に関するUGCがどこで、どのような文脈で生まれているかを継続的に把握し、質の高いUGCを増加させるための仕組みを構築することこそが、AI時代のマーケティングの核心です。


毛利氏
AI検索が広がるほど、SNSの口コミとUGCは「裏取りの根拠」として価値が上がるでしょう。AIは情報整理や比較には有効ですが、購入後に感じやすいサイズ感や使い勝手、生活へのなじみ方といった感覚的な要素は、実利用者のUGCを通じて初めて具体像が明確になります。
さらに、SNSプラットフォーム上でのAI導入が進み、AI生成による画像・文章作成が進むことで投稿数は増えますが、テンプレ的で「AIっぽい」表現も増え、実写・実測・失敗談など検証性の高い投稿への需要が高まるでしょう。

行動面では「失敗/注意点/比較/本音」など悩み起点のSNS内検索が増え、公開よりDMや小コミュニティで共有された投稿を保存して参照する「持ち帰り型」も広がっていくとみています。

森氏:
AI検索が進化する中で、SNSにおけるリアルな口コミやUGCの価値は、むしろ一層高まると考えられます。その理由として、AIの利便性は高いものの、完璧さゆえに「本物の感情」が感じ取りにくい点が挙げられます。生活者は、実際に利用している人々の生の声に信頼を置くため、加工されていない投稿や、友人からの情報のような口コミを積極的に探索する傾向が強まるでしょう。

この変化として、UGCの探索行動は、AIによる検索で候補を得てその後、SNSで深掘りするという形に移行します。具体的には、AIに「この商品のおすすめの口コミを教えてほしい」と問いかけ、提示された情報をSNSで実際に検索し、確認するという流れです。

企業側も、AI生成コンテンツとUGCを組み合わせて投稿するケースが増えると予想されますが、消費者は「これはAIが作成したものか?」という点に敏感になるため、本物のUGCを重視するブランドが信頼を獲得すると考えられます。

2026年において、消費者による商品購入や体験といった購買行動に最も大きな影響を与えると予想されるSNSや、生成AIプラットフォームは何ですか?また、そのプラットフォームが重要となる要因(特定の機能や特性など)についても教えてください。

森 和吉氏(株式会社吉和の森 ・株式会社吉和の森八戸 代表取締役/Web制作集客/ウェブ解析士マスター/チーフSNSマネージャー)

井水氏
最大の候補は、TikTokです。国内ユーザー数は4,200万人を突破し、XやInstagramに匹敵する規模となっております。TikTok Shopは、世界で約4.9兆円のGMV(流通取引総額)を記録しています。

生成AIでは、2025年11月にリリースされたGoogleのGemini 3.0に注目しています。その進化は、サム・アルトマン氏がコードレッドを発令するほどのインパクトを与えています。2026年はますますGemini3.0が人間の意思決定支援として、購買行動にも入り込んでいくでしょう。

また、SNSにおいて私が注目しているのが、Threadsです。日本国内では1,000万人強の規模ではありますが、ユーザーの素直な本音が語られ、AIにはない温かみがあり、第二のXとして存在感を高めています。
ビジネスの現場で陥りやすいのは「流行のプラットフォームに投資しないといけない」という思い込みです。重要なのは、自社顧客がどこで時間を過ごし、どのような文脈で情報を受け取りたいかを見極めることです。不易流行を適切に使い分け、自社ブランドの勝ち筋へ戦略的に投資することが2026年に重要になるのではないでしょうか。


毛利氏:
2026年に向けて、購買行動に影響を与える主軸は「短尺SNS動画」と「生成AI」の二層構造になるでしょう。発見フェーズはTikTokやInstagramが担い、レコメンドや検索、動画内の商品タグ、TikTok Shop機能などが接点となります。比較検討は、レビューやHowToの蓄積と高い検索性を持つYouTubeが中心となるでしょう。さらに、購入直前から再購買にかけては、クーポン配布や予約・問い合わせに強みを持つLINEと公式ECがCRM基盤として機能し、チャネルごとの役割分担が一層明確になると見込まれます。

また、生成AIは単なる要約ツールにとどまらず、ChatGPTの「ショッピングアシスタント」のように、条件整理から比較・候補提示、さらには購入先の提示までを担う「購買コンシェルジュ」へと進化していくでしょう。
2026年、企業は購買判断に影響を与えるUGCを生み出す人づくりと、生成AIに正確に参照されるための一次情報(FAQ/仕様/在庫/返品、透明性)を両輪で進めていくことが求められます。

森氏:
2026年に最も影響力が大きいプラットフォームは、SNSではTikTokとInstagram、生成AIではChatGPTやGeminiだと思います。TikTokはショート動画の優位性が顕著であり、視聴者の興味を引く動画から「購入したい」という購買意欲に直結するショップ機能の進化が見られます。日本では若年層のトレンド発信地として、購買行動の契機となりやすい傾向があります。
Instagramはきれいなビジュアルとストーリーズやリールを通じて日常体験を共有しやすく、インフルエンサーやUGCが自然に混ざるため、購買意欲を刺激します。買い物タグなどのショッピング機能がますます重要な要素となるでしょう。

生成AIは、レコメンデーションのパーソナライズに強みがあり、「予算内でこのような商品を」といった要望に対し、即座に候補を提示してくれます。これを起点として、SNSで口コミも確認した上で購入に至るという購買プロセスが増加すると見込まれます。全体として、2026年はAIとSNSの連携が進むことで、購買体験がスムーズになり、より楽しい体験へと進化するでしょう。企業においては、顧客の生の声を重視しつつ、AIを効果的に活用することが重要です。


専門家プロフィール:

・井水 朋子氏(株式会社 エスファクトリー 代表取締役/SNSマネージャー認定講師)
ウェブやSNSを活用した集客支援に携わる一方で、SNSマネージャー養成講座や企業研修で講師を務める。専門家という立場ながら、日々現場で担当者が抱えるリアルな葛藤や悩みに向き合い、共に解決策を探るのが信条。変化の激しいSNSの世界において、常に現場視点と謙虚な学びの姿勢を大切に、企業の「自走」を陰から支える伴走者でありたいと願い活動を続けている。
株式会社 エスファクトリー HP:https://sfactory.co.jp/ 



・毛利 美佳氏(SNSマネージャー養成講座 講師/上級ウェブ解析士)
2022年よりSNSマネジャー養成講座の講師として活動。法人向けにデジタルマーケティング支援を行い、GA4・GTMを用いたアクセス解析とWeb改善提案、SNSマーケティングを掛け合わせた施策設計を得意とする。企業・団体向けのセミナー登壇やSNS担当者育成も多数。2026年夏の商業出版に向けて『SNS広告の教科書』(仮)を執筆中。
M-Pixel Labo HP:https://m-pixellabo.com/

森 和吉氏(株式会社吉和の森 ・株式会社吉和の森八戸 代表取締役/Web制作集客/ウェブ解析士マスター/チーフSNSマネージャー)
公務員、週刊誌編集の経験を経てマーケティング分野で起業。SNSでの発信に加え、2022年には、「日本一詳しいWeb集客術『デジタル・マーケティング超入門』』を出版し、実践的なマーケティング手法を広く発信している。
株式会社吉和の森 HP:https://yoshikazunomori.com/  

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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