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超ホットな話題はこれだ!有名人のブランドアンバサダーを起用する効果


山﨑伊代

Apr 22, 2024

大谷翔平選手の結婚発表により、SNS上では多くの投稿が飛び交いました。特に、大谷選手がスポンサー契約をしているブランドに関連する投稿が注目を集めています。

この現象を深く掘り下げるために、Meltwater社のメディアインテリジェンスツール、エクスプロア<Explorer>を使用して、有名人とブランドとの関連性による投稿の影響を分析しました。

検索条件

  • 期間:2024年2月末~3月末
  • 検索ワード:大谷翔平、大谷翔平×ECC、大谷翔平×ニューバランス
  • 検索言語:日本語、日本限定

この分析は、有名人の話題性がブランドに与える影響の大きさと影響範囲を理解するのに役立ちます。大谷選手と関連ブランドのキーワードがどのように拡散されているかをデータで確認し、エンゲージメント(投稿のビューやいいね!、コメント数)が最も高い投稿を取り上げました。

これらの投稿を通じて、ブランドとの繋がりやブランド認知度への影響を分析し、有名人のブラントアンバサダーを起用することによって得られる効果を解説します。

数字で見る大谷翔平ブランドの効果

2月29日に結婚を発表した大谷翔平選手。2023年末のドジャース移籍でも10年7億ドルの大型契約で話題を呼んだばかりですが、結婚発表以降も結婚相手となる田中真美子さんの素性や二人の馴れ初めなど、勢いは留まりません。

そんな話題に尽きない大谷選手ですが、競技外で現在複数の企業やブランドのアンバサダーを務めています。大谷選手ほどの大人気なスポーツ選手となると、莫大なスポンサー契約金であることは想像に難くありません。

大谷選手のケタ違いなスポンサー総収入【2024年】

2024年3月現在、大谷選手が契約しているスポンサーの収入を見ていきましょう。

3月20日、アメリカのスポーツメディアSportico誌が2024年の最高年俸選手トップ15を発表しました。大谷選手の2024年から2033年までのドジャースの年俸は200万ドル(約3億円)と多くありませんが、競技外の収入は6,500万ドル(約98億円)と推定されており、他の選手と比較して抜きん出ています。大谷選手は現在、アメリカと日本の両国でニューバランスやHugo Boss、セイコーグループ、興和、コーセーなど約20社とスポンサー契約を結んでいます。

結婚報道後のSNSでの反響

Reaction on social networking sites after the marriage report.

出典:Meltwaterのツール、エクスプロア<Explorer>による大谷翔平のトピック分析

2月29日、大谷選手自身のインスタグラムで結婚が発表された当日、X(旧ツイッター)での総メンション数は221万まで急上昇。3月27日現在、公式インスタグラムの当該投稿には334万もの「いいね!」が集まりました。

大谷選手の結婚発表後、最も反響の多かったXでの投稿を見ていきましょう。

結婚発表は、大谷選手が契約するスポンサー企業にも好影響が及び、各企業からも祝福コメントの投稿が相次ぎました。

今回の大谷選手の結婚発表によって、大谷選手への関心がますます高まり、各スポンサー企業にとっても高い宣伝効果に繋がることが期待されるでしょう。

大谷翔平とECCの事例

大谷選手がブランドアンバサダーを務める英会話大手ECCは結婚発表後の翌日、大谷選手との共同プロジェクト「SHOW YOUR DREAMS 2024」を発表しました。

同プロジェクトは大谷選手の持ち込み企画で、日本在住の小学4年生から高校3年生までの100人を、今年8月のアメリカ短期留学に招待するというもの。ECCの花房社長によると、その費用は、なんとほとんどが大谷選手の自費で賄われるそう。3月5日にライブドアニュースが本件について報道すると、すぐさま拡散。総メンション数は3万8千まで急上昇しました。

X上では大谷選手の人望の高さに対する感動、感銘の声や、あまりの太っ腹さに本当に自費なのか?と疑う声まで上がっています。

Keyword analysis of "Shohei Otani x ECC" in Meltwater's tool, Explore.

出典:Meltwaterのツール、エクスプロア<Explorer>での「大谷翔平xECC」のキーワード分析

これらの投稿から、大谷選手をアンバサダーとして起用することにより、自社ブランドの認知を高め、子どもたちの英語や海外に対する興味を促進する効果があったと言えるでしょう。関連キーワードには、「大谷翔平」「海外留学」「ホームステイ」などのほか、同業他社のキーワードまでが上がり、大きな波及効果があることが分かりました。

有名人をアンバサダーに起用する際には、広範囲にわたる影響力を考慮することで、戦略効果を最大化することができるでしょう。

大谷翔平とHugo BOSSの事例

ドイツのファッションブランド、Hugo Boss(ヒューゴボス)は2020年からブランドアンバサダーに大谷選手を起用しています。

ファッション誌「GQ」で大谷選手がHugo Bossの新コレクションを着用した特集記事がXでシェアされると、総メンション数は659まで急上昇。結婚相手である田中真美子さんと二人でのHugo Bossブランド着用を期待する声も上がっています。

大谷翔平とNew Balanceの事例

New Balance(ニューバランス)では3月19日に大谷選手のシグネチャーロゴを発表。大谷選手も「この特別なロゴをついに公開できることは、僕にとって本当にエキサイティングな瞬間です。このロゴは、僕の野球人生における歩みを視覚的に表現したもので、このロゴを世界と共有できることに興奮しています。また、2024年のシーズン中に明らかになる今後のプロジェクトでも、このロゴを使うことを楽しみにしています。」とコメントし、New Balanceは大谷選手の特設サイトを開設。シグネチャーロゴをあしらったMade in JapanのプレミアムTシャツの抽選販売を開始しました。

この投稿は3月下旬現在、120万ビューおよび1,400以上のリポストを記録し、注目を集めています。

Keyword analysis of "Shohei Otani x New Balance" in Meltwater's tool, Explore

出典:Meltwaterのツール、エクスプロア<Explorer>での「大谷翔平xニューバランス」のキーワード分析

関連キーワードを見てみると、「大谷翔平」「ニューバランス」「made in Japan」「シューズ」「シグネチャーロゴ」などのワードが並んでいます。これらのキーワードからは、普段スポーツをしない客層からも大きな注目が集まり、日常生活でも使用できるシューズやTシャツといった大谷選手のグッズへの高い関心がうかがえます。

大谷翔平と企業コラボレーション

大谷選手はスポーツ用品のブランドアンバサダー以外にも企業スポンサーとしても引っ張りだこです。大谷選手が持つ、さわやかで多くの人に夢や希望を与えるという前向きなイメージは、企業のブランドイメージとしても消費者にとって好印象を与え、スポーツとの関連性が薄いと思われる企業にも宣伝に適した資質を持っています。

日本航空

2018年より大谷選手とサポート契約を締結してから7年目を迎える日本航空。
大谷選手の結婚報道後の公式Xでのお祝いコメントを発表後には、総メンション数が974まで急上昇。

JALのコーポレートカラーである「赤」から「青」のドジャースへの移籍したことによって、サポート契約が継続されるかどうかも話題に上っていますが、現段階では影響はなく、引き続き契約は続行されています。

セイコーグループ

大谷選手がイメージキャラクターを務めるセイコーグループ。セイコーでは、大谷選手の数量限定モデルも販売されています。

結婚報道後の3月5日、大谷選手の直筆サインボールが抽選で当たる「大谷翔平選手応援キャンペーン」に関する投稿を行うと、総メンション数は371まで急上昇。上場企業であるセイコーグループは、株価の動きにも注目が集まりました。

三菱UFJ銀行

大谷選手の結婚報道当日、公式Xでのお祝いコメントを発表した三菱UFJ銀行。総メンション数は447まで上昇しました。

JAL同様、三菱UFJ銀行は赤をコーポレートカラーとしていますが、ユニフォームが青色のドジャース移籍後も、移籍を理由にパートナー契約の見直しはしないとしています。

ソーシャルメディアで話題に上がるテーマ戦略

SNSで話題に上がるテーマは、ソーシャルメディア上での注目度を高め、エンゲージメントを促進する一つの戦略です。戦略を成功させるためには、ターゲットオーディエンスの興味やニーズに合わせた魅力的なコンテンツを作成し、適切なタイミングで共有することが重要です。

効果的なテーマ戦略を実現するためのポイントとして、ターゲットオーディエンスへの理解は欠かせません。ターゲットオーディエンスのニーズと関心の特定し、オーディエンスが何について話しているか、何に興味を持っているかを理解し、それらのトピックをコンテンツに盛り込みます。実際に、大谷選手に関する注目が集まったツイートを例に見ていきましょう。

着用品の話題

例えば、大谷選手が着用している洋服やスポーツウェア、スニーカーには常に注目が集まります。特に、スニーカーのように日常生活で使う製品のブランドの話題はユーザーにとってインパクトを与えやすく、拡散されやすい傾向にあります。

大谷選手のように多数のスポンサーを持つ有名人の場合、彼らのプロフィール紹介や私生活に関する話題が上がると、New Balanceのようなスポーツブランドから、三菱UFJ銀行やJALなどの企業スポンサーに至るまで、契約しているブランド名も頻繁に言及されます。

社会貢献活動 

大谷選手は社会貢献活動にも精力的に取り組んでおり、その活動や姿勢に関しても注目を集めています。

日本全国の小学校へ約6万個のグローブ寄贈

2023年11月、大谷選手は日本全国の約2万校の小学校へスポンサー契約をしているNew Balance製のグローブを寄贈したことで大きな話題を呼びました。大谷選手とのタイアップによって企業の好感度も向上し、New Balanceにとってはプロモーションの一環になったと言えるでしょう。

能登半島地震へ100万ドル寄付

令和6年1月に起こった能登半島地震の被災地支援のため、大谷選手はドジャースとともに100万ドル(約1億4,000万円)を寄付することを公表しました。

社会貢献活動に尽力する有名人は好感度も高いことはもちろん、SNSでの話題にも富んでいます。企業とスポンサー契約することで企業に対しての信頼度が向上する効果も期待できます。

まとめ:有名人を起用したブランド宣伝のアドバイス

今回は、大谷選手の結婚発表の事例を例に、有名人を起用したブランド宣伝について解説しました。

ブランドコンセプトと親和性の高いアンバサダーを起用することにより、アンバサダーについての話題が上るとブランドにも大きな注目が集まり、認知度アップや宣伝の機会につながります。大谷選手のような有名人はSNS上で強い影響力を持っており、ユーザーの投稿を通じて広告感なく、広く情報を拡散でき、非常に効果的な広告となります。アンバサダーを選定する際には、アンバサダーの年代や性別、価値観やライフスタイルまでを考慮して、自社ブランドのターゲット層にうまく調和する人物を選びましょう。

出典:

Sportico MLB’S HIGHEST-PAID PLAYERS 2024: OHTANI ON TOP DESPITE $2M SALARY

北國新聞 大谷投手1億4千万円寄付表明 ドジャースと共同で 能登半島地震

山﨑伊代(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

大学卒業後、新規顧客開拓セールスコンサルタントとしてMeltwater Japan株式会社入社。
食品・生活用品・エンタメ・自動車・機械・学校法人等多種多様な企業・団体の広報・マーケティング部門のデジタル化並びにグローバル化をMeltwaterのソリューションを通して支援。 2016年~2018年グローバルセールスランキング首位。 趣味は山登りとビデオゲーム。

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