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ブランドエクイティとは?構成要素・測定指標・向上施策を解説

ブランドエクイティとは?構成要素・測定指標・向上施策を解説


Aug 12, 2026

「認知はある程度あるのに価格で選ばれない」「品質には自信があるのに指名買いやリピートにつながらない」といった悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。この課題の背景にあるのは、ブランドエクイティの弱さかもしれません。

ブランドエクイティとは、顧客の認知・連想・知覚品質・ロイヤリティが積み重なってできるブランドの無形の資産価値のことです。売上や価格プレミアム、競争優位性に影響します。

本記事では、ブランドエクイティの基本的な考え方から構成要素、測定方法、具体的なメリットや向上施策まで解説します。

ブランドエクイティとは?

ブランドエクイティとは、資産としてのブランドの価値のことです。顧客などのステークホルダーによるブランドの認知・イメージ・ロイヤリティといった長期的に形成される無形の要素を指します。ブランドのロゴや従業員の態度などによって、ステークホルダーの頭の中で形成されるブランドへの評価ともいえます。

ブランドエクイティが高まると、同じような商品が並んでいても選ばれるようになり、競合との価格競争から逃れられるのがメリットです。また、良質な口コミが広がることで、新規顧客の獲得にもつながります。

ブランド価値・ブランドロイヤリティ・ブランドイメージとの違い

ブランドエクイティと混同されやすい言葉に、ブランド価値とブランドロイヤリティとブランドイメージがあります。それぞれの意味を整理しておきましょう。

  • ブランドエクイティ

ブランドの認知・イメージ・ロイヤリティなど、ブランド全体の無形の資産価値

  • ブランド価値

顧客にとってのブランドの機能的・情緒的・自己実現的な価値。ブランドエクイティを金額に換算したものを指すこともある

  • ブランドロイヤリティ

顧客が特定のブランドに対して愛着を持ち、繰り返し選び続ける度合いのことで、ブランドエクイティを構成する要素のひとつ

  • ブランドイメージ

顧客がブランドに対して抱く「先進的」「親しみやすい」といったイメージのことで、ブランドエクイティを構成する要素のひとつ


ブランドエクイティとブランド価値は構成要素はほぼ同じですが、ブランド価値が顧客にとってのブランドの価値であるのに対し、ブランドエクイティは企業にとっての資産価値である点が異なります。

ブランドロイヤリティとブランドイメージは、ブランドエクイティの一部です。ブランドに対して好印象を持ち、ロイヤリティが高いステークホルダーが多いほどブランドエクイティは強固になります。

ブランドエクイティを高めるメリット

ブランドエクイティを高めるメリット

ブランドエクイティが高まると、具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

価格競争に巻き込まれにくくなる

ブランドの魅力が高いと、価格競争から脱却できます。価格競争が起こりやすいのは、顧客が「どのブランドを選んでも変わらない」と感じているときです。競合とブランド力や機能に差がないと、価格だけが判断材料となり、選ばれるために値下げをせざるを得ません。

ブランドエクイティが高まると、顧客は価格だけでなく、これまでの購入経験やブランドへの愛着という新たな評価軸を得ます。多少値段が高くても選ばれるようになり、無理に価格を下げる必要がなくなるのです。

値引きは短期的に売上を伸ばすには効果的ですが、続けると利益率を圧迫するリスキーな施策でもあります。ブランドエクイティを高めれば、値引きに頼らず収益を維持できるようになり、中長期的な安定が見込めます。

指名買い・継続利用につながる

ブランドエクイティが高いブランドは、顧客が購買を検討するとき、頭に浮かびやすくなります。「ブランド名を知っている」「前回利用してみて良かった」という理由から、比較検討の入口で選ばれやすくなり、競合への乗り換え防止にもつながります。

継続利用が増えるほど、顧客一人あたりの生涯購買額、LTV(ライフタイムバリュー)も上がっていきます。新規顧客の獲得にはコストがかかりますが、既存顧客が長く購入を続ければ、新規顧客への依存を減らして収益を安定させられるでしょう。指名買いと継続利用は、ブランドエクイティが事業に与える影響の中でも、特に収益に直結する部分です。

▶︎あわせて読みたい:第一想起とは?ブランド戦略での重要性・効果・獲得方法を解説

口コミ・推奨による新規顧客獲得につながる

ブランドへの信頼や愛着が高まると、顧客はSNSへの投稿、レビューサイトへの書き込み、知人への口頭での推薦などを自発的に始めます。広告費をかけずに、ブランドの評判が広がっていくのがメリットです。

UGC(ユーザーが自発的に生成するコンテンツ)は、商品やサービスを体験した生の声であり、企業が発信する情報より信頼されやすい傾向があります。ポジティブな口コミが積み重なると、新規顧客の獲得にもつながります。

▶︎あわせて読みたい:口コミ集客の効果と方法とは?業界別の具体例・成功のコツも解説

新商品・新規事業への信頼の土台になる

新しい商品やサービスに参入するとき、すでにブランドの認知度があれば「あのブランドなら試してみようか」という顧客心理が働きやすく、新規展開のハードルが下がります。ゼロからの事業展開よりも、集客の手間がかかりません。

また、ブランドエクイティが高いと、同じカテゴリに競合が参入してきても競争優位性を保てるため、簡単には追い抜かれません。ブランドエクイティは長い時間をかけて顧客との関係を積み上げてきた結果として生まれるもので、長期的に企業成長を支える力を持っています。

ブランドエクイティの構成要素

ブランドエクイティは複数の要素が積み重なって形成されます。構成要素を把握しておくと、自社ブランドの強みと弱みを整理しやすくなります。WebアンケートやSNS分析などで、要素を測定することができます。

アーカーモデルの5要素

アーカーモデルの5要素

ブランドエクイティについてより具体的に理解するために、構成要素について確認していきます。まずは、デービッド・アーカーが提唱したアーカーモデルです。

1. ブランド認知

ブランド認知は、顧客がその企業名や商品名を認識している状態を表します。「このカテゴリといえばあのブランド」「この商品名やロゴは見たことがある」と想起してもらえれば、ブランド認知を得ているといえるでしょう。

大半の顧客は「見たことも聞いたこともないブランド」よりも、「見慣れているブランド」に良い印象を持つ傾向にあります。実際の品質や価格が同程度であっても、なじみのある方に安心感を覚えるのは自然な心理でしょう。認知の有無によって、比較検討の土台に乗れるかどうかが変わってきます。

2. ブランド連想

ブランド連想とは、ブランドに対して抱くイメージや感情、経験を指します。例えばアウトドアウェアメーカーのパタゴニアと聞けば環境保護活動、iPhoneなどで知られるAppleなら洗練されたデザイン性を思い浮かべる人が多いでしょう。一貫した連想が根付いているブランドは、購買検討の場面で想起されやすく、競合と差別化する上でも効果的です。

3. 知覚品質

知覚品質とは、顧客がブランドの品質をどう評価しているかです。実際の品質ではなく、あくまで顧客の主観であるため、ブランドについての発信や商品のデザインなどによっても形成されます。顧客に「良い品質」と認識されることが、ブランドエクイティを高めるためには重要です。

4. ブランドロイヤリティ

ブランドロイヤリティは、特定のブランドに対する顧客の信頼度や定着度を指します。ブランドロイヤリティが高ければ、競合他社の類似品や安い商品があっても、愛着のあるブランドを選び続けるようになります。LTVの最大化にも大きく貢献する要素です。

実態を調査する際は、リピート率・継続率などが手がかりになります。単に「満足している顧客が多いか」ではなく、実際にまた選んでもらえているかを軸に見ていくのがポイントです。

5. その他ブランド資産

先に挙げた4つの構成要素以外にも、ブランドエクイティに影響を与える要素がいくつかあります。法的な裏付けや組織内部にある独自の強みも、ブランドを支える重要な財産です。

例として以下のような要素が挙げられます。

  • ブランド名やロゴなどの商標権
  • 自社独自の技術やその特許
  • 従業員の持つノウハウやスキル

自社ブランドの現状を整理する際は、認知や連想だけでなく、こうした周辺資産も含めて棚卸しておくと、強みと課題が見えてきます。

ケラーモデルの4要素

ケラーモデルの4要素

ケビン・レーン・ケラーが提唱したケラーモデルは、ブランドエクイティの構築段階を4つに分けたものです。それぞれ概要を確認していきましょう。

レベル1. 認知

ブランドエクイティの構築において最初に取り組むのは、顧客にブランドを認知してもらうことです。名前だけでなく、どんな商品やサービスを扱っているブランドなのか知ってもらう必要があります。アーカーモデルの認知とは異なり、購買シーンでブランドが想起されることも含まれるため、より顧客の購買行動に直結する要素といえます。

レベル2. 意味づけ

ブランドが認知されたら、次は顧客にブランドのもたらす価値をより具体的に理解してもらう段階へと入ります。機能・価格・デザインなどの商品の特徴と、ブランドを使用している年代やブランドの背景などのイメージに関わる部分が、バランスよく顧客に伝わるようコミュニケーションを図り、他社との差別化ポイントを提供します。

レベル3. 反応

実際に商品やサービスを利用した顧客の反応を得る段階です。機能や信頼性などの理性的な評価と、楽しいかどうかや社会的に認められているブランドかといったフィーリング面の評価があります。プラスの評価が得られるよう、顧客体験を設計する必要があります。

レベル4. 共感や同調

ブランドに共感・同調した顧客は、ロイヤリティの向上につながっていきます。顧客との理想の関係性を定義し、その関係性を実現できるよう施策を展開していきましょう。

この段階に達すると「周りの人に勧めたい」「このブランドでなければ嫌だ」と顧客に思ってもらえるようになり、ブランドを愛好する人同士のコミュニティが自然と生まれるなど、顧客が自発的にブランドを支えてくれるようになります。

自社で優先して見るべき要素を整理する

アーカーモデルとケラーモデルどおりではなく、自社独自でブランドエクイティの要素を優先的に決めることも可能です。自社の課題をもとに、次のように整理できます。

  • 認知はあるのに競合と比べて選ばれにくいと感じている

→ブランド連想や知覚品質に問題が生じている可能性がある

  • 新規購入はあるもののリピートや継続利用につながらない

→ブランドロイヤリティや外部評価が低い可能性がある

自社のどこが弱いかは、データを見なければ判断できません。感覚や経験だけではなく、顧客調査やSNS分析などを通じて現状を把握した上で、取り組む要素を絞り込んでいくのが現実的な対処法です。

ブランドエクイティの測定方法

ブランドエクイティや、ブランドエクイティを構成する要素の測定方法についてご紹介します。

1. 財務情報からブランドエクイティを概算する

財務情報のひとつである「のれん」を算出することで、ブランドエクイティの価値を概算する方法です。「のれん」とは、買収される企業の純資産額と実際の買収価格の上乗せの差額のことを指します。

「のれん」には、財務諸表には表れないブランド力や技術力などのほかに、人材や取引先との関係、特許といった要素も含まれます。自社ブランドの価値がどのくらいかの目安になるでしょう。

2. ブランドリプレイス費用からブランドエクイティを概算する

ブランドリプレイス費用は、現在と同じ認知度やイメージをゼロから作り直すとしたら、どれくらいの費用がかかるかを試算する方法です。次のような費用が対象になります。

  • Webサイトの制作費用
  • キャッチコピーなどの制作費用
  • 広告出稿費用
  • ブランディングに携わる人材の人件費
  • ブランディングを効率化するツールの導入費用や利用料

こうしたブランド認知や顧客獲得・維持にかかる費用を合算した金額を、現在のブランドエクイティとみなします。

3. 想起の程度や指名検索からブランド認知度を測定する

ブランドの認知度調査は、ブランドを知っているかどうかだけではなく、以下に示されるように想起される程度を測ります。

  • 助成想起:ブランド名の選択肢の提示などヒントを与えられた上で認知しているすべてのブランド
  • 純粋想起:特定のカテゴリ内でヒントなしに出てきたすべてのブランド
  • 第一想起:特定のカテゴリ内でヒントなしに真っ先に出てきたブランド

助成想起には含まれても純粋想起には含まれていない場合、「名前は知られているが検討候補に入っていない」といった課題が浮かび上がってきます。

認知を測る方法はほかにもあります。指名検索数とは、ブランド名や商品名がキーワードとして検索された数のことで、Google Search Consoleで確認できます。また、SOV(Share of Voice)は業界全体のメディア露出のなかで自社が占める割合を示す指標で、競合と比較しながら自社の存在感を把握するのに使われます。

4. アンケート・インタビューからブランド連想・知覚品質を調査する

アンケートやインタビューで、ブランド連想や知覚品質などの顧客認識を確認できます。質問項目は次のような内容が使われています。

  • ブランド名を聞いて思い浮かぶ言葉や印象
  • 競合と比べたときの品質・信頼性・専門性の評価
  • 購入前後で印象がどう変わったか

アンケートには自由回答を入れておくと、企業側が想定していなかった連想が出てくることもあります。一度きりで終わらせず、施策の前後で比較できるよう定期的に実施すると、ブランド認識の変化を追跡できます。

5. SNS・口コミ・メディア露出から外部評価を把握する

アンケートで聞けるのは調査に答えてくれた人の声だけですが、SNSや口コミには、自発的に発信された評価が蓄積されています。また、ニュース記事などメディアでのブランドの露出度を見ることで、市場全体での認知度や評価を把握することもできます。

センチメント分析のツールを使うと、投稿内容のポジティブ・ネガティブなどの感情を割合で算出でき、推移の傾向も大量の投稿から把握できます。また、ソーシャルリスニングツールやメディアモニタリングツールを活用すれば、SNS・ニュース・ブログなど複数のチャネルをまとめて監視しながら、Share of Voiceや競合比較も継続的に確認できます。施策を打った後の反応を追う上でも、外部評価の定点観測は欠かせません。

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6. NPS・継続率・解約率からロイヤリティを見る

顧客がブランドにどれだけ愛着を持っているかは、感覚で判断するのではなく、数字で裏付けることが重要です。以下は主な指標です。

  • NPS®:「友人や知人にこのブランドを勧めたいか」を11段階の数値で聞き、推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出された値。NPSが高いほどブランドの推奨度が高いことになる

  • リピート率と継続率:一度自社商品を購入したことがある顧客のうち、一定の期間内に再購入した顧客の割合。リピート率は2回目の利用までを測ることが多いが、継続率は3回目以降も長期的に測る

  • 解約率:一定の期間内に、サービスを解約した顧客の割合

これらの指標は、組み合わせて見ることでより実態が見えてきます。定期的に数値をダッシュボードなどに並べて観測することで、ロイヤリティ層の変化の兆しにも早期に気づけるようになります。

ブランドエクイティを高める方法

ブランドエクイティを高める上で重要なポイントを解説します。

ブランドアイデンティティを明確にする

ブランドアイデンティティは、自社が目指す独自の立ち位置や価値観を表したものです。ブランドアイデンティティが定まっていないと、広告やSNS、店頭での接客まで、発信するメッセージがバラバラになってしまい、顧客に届けたい価値もぶれてしまいます。結果、顧客の頭の中にブランド連想はうまく積み上がらず、知覚品質も狙った方向には育ちません。

まずは「誰に」「どんな価値を」「どう届けるか」の3点を言語化し、社内で共有しましょう。経営層だけでなく、現場メンバーと認識をすり合わせて置くことも重要です。

顧客接点全体で一貫した体験を届ける

顧客のブランドとの接点はさまざまで、商品やサービス、Webサイト、SNS、営業担当者とのやり取り、カスタマーサポート、店舗やアプリでの体験など、あらゆる場面があります。

注意が必要なのは、どこかひとつの接点で印象が崩れると、それまで積み上げてきた信頼にも影響してしまう点です。広告ではユーザーフレンドリーな印象を打ち出しているのに、いざ問い合わせると対応が事務的だったといったギャップは、顧客の中でブランドイメージのズレとして残ってしまいます。部署ごとに発信内容や対応方針がバラバラにならないよう、社内でブランドの方向性を共有しておく必要があります。

インナーブランディングを進める

インナーブランディングとは、社内の従業員に自社ブランドの価値観や方針を正しく理解してもらう取り組みです。顧客と直接コミュニケーションを取るのは、経営層でもマーケティング部門でもなく、日々現場に立つ従業員です。その従業員がブランドについて正しく理解していなければ、伝えるメッセージや対応のトーンに担当者ごとのブレが生じかねません。

具体的な施策としては、社内研修によりブランドアイデンティティを共有したり実践方法を考えたりする方法があります。また、オフィスレイアウトや福利厚生をブランドの方向性に基づいて改善することも、従業員がブランドの価値を実感できる取り組みです。

顧客の声を継続的に分析し、施策へ反映する

ブランドエクイティは企業側の意図ではなく、顧客の頭の中にある認識です。把握するには実際にブランドがどう受け止められているかを継続的に拾い上げる必要があります。チェックすべきなのは、SNSの投稿やコメントや口コミサイトのレビュー、問い合わせ内容、メディアでの取り上げられ方などがあります。

ポジティブな声もネガティブな声も、どちらもブランド連想を形作る材料になります。特に注目したいのは、自社の想定とズレた受け止められ方をしている部分です。そこには改善のヒントが隠れていることがあります。

見つけたヒントは、広告表現や接客・サポート体制などの改善、商品開発などにつなげましょう。

KPIを設定する

ブランドエクイティは一朝一夕で構築できるものではなく、長期間に渡って顧客とコミュニケーションを重ねていくことで、徐々に形作られていきます。そのため、認知度、ブランド連想、知覚品質、ロイヤリティ、評判といった項目を中間目標のKPIとして定め、四半期や半期など期限を区切って定期的にチェックする体制が必要です。数値の推移を追うことで、どの要素が伸び悩んでいるかが見え、最終目標に向かって改善を進めることができます。

ブランドエクイティを効果的に高めた企業事例

ここでは実際に効果的にブランドエクイティを築いてきた企業を3社を解説し、何が強みになっているのかを見ていきます。

無印良品

無印良品は衣服から雑貨、家具、食料品まで、幅広いカテゴリの商品を展開しています。「衣服だけを売る」といったように、特定分野に特化してブランドを確立していく企業が多い中、あえて商品カテゴリを絞らず、「これでいい」というシンプルさを重視したコンセプトで商品を広く展開しているのが特徴です。

特定の分野に収まらないことで、新商品の展開もしやすくなり、独自のポジションを築くことに成功しました。どんな商品でも一貫したコンセプトで統一感を保ち続けている無印良品の姿勢は、多角化を目指す企業の参考になるでしょう。

スターバックス

アメリカに本社を構えるコーヒーチェーン店のスターバックス®は「サードプレイス」というブランドアイデンティティを掲げています。「家でも職場でもない、くつろげる第三の場所」という意味で、商品構成から空間デザイン、顧客とのコミュニケーションまで、あらゆる意思決定がこの軸に基づいて行われています。

「サードプレイス」を実現するための施策として、従業員への徹底したインナーブランディングがあります。アルバイトをはじめ、従業員一人ひとりが研修を重ねてブランドアイデンティティを深いレベルで理解しているからこそ、高いブランドエクイティを確立できているのです。企業理念を現場レベルまで一貫して浸透させている点は、多店舗展開する企業にとって大きな学びとなります。

ダイソン

家電を販売するダイソンは、サイクロン式掃除機における第一想起の地位を獲得しました。「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」というキャッチーなメッセージから、「吸引力が変わらない」という顧客にとってのメリットと「ただひとつの掃除機」という差別化を軸に訴求したことで、高い知覚品質とブランドエクイティ向上につながったといえるでしょう。

機能性の高さだけでなく、独特なフォルムを持つ製品デザインも、ダイソンらしさを印象づける要素になっています。技術力とデザイン性がメッセージと整合し、信頼が積み重なった結果、価格が他社製品より高めでも「ダイソンだから」という理由で選ばれる、指名買いにつながりました。

昨今ではダイソン以外のサイクロン式掃除機も多数ありますが、ダイソンは築き上げてきたブランドエクイティによって、価格競争に大きく巻き込まれることなく、現在でも業界で高いポジションを維持しています。技術力を軸に独自の知覚品質を築き上げた点は、価格勝負に陥りやすい業界では特に参考になる事例といえるでしょう。

ブランドエクイティの測定・改善にMeltwaterの分析ツールを活用する方法

外部の反応をリアルタイムで捉える、Meltwaterのツールの活用方法を紹介します。

SNS・口コミからブランド連想とセンチメントを把握する

SNSや口コミには、顧客の本音が表れます。自社が発信したメッセージが意図した通りに受け止められているのか、それとも意図とズレた形で広まっているのか確認するのに有効です。

Meltwaterのツールが備えるソーシャルリスニング機能を使えば、自社ブランドに関するSNS上の投稿を幅広く収集できます。あわせてセンチメント分析を行えば、感情の傾向もデータでの把握が可能です。

SOV・競合比較でメディア露出など市場での存在感を確認する

ニュース記事や業界メディアでの取り上げられ方も、顧客の印象を作る大きな要素です。自社が「どんな文脈で」「どれくらいの頻度で」語られているか把握すれば、市場での立ち位置を正確に判断できるようになります。

Meltwaterのツールで利用できるメディアモニタリング機能は、自社ブランドに関する報道やオンライン記事を横断的に収集します。あわせてSOVを算出すれば、業界内での自社の露出度を数値で捉えることも可能です。

競合と比較する視点も欠かせません。同じ業界のライバル企業がどんなテーマで取り上げられ、どんな評価を受けているかを自社と比較することで、自社の強みと弱みが見えてきます。市場で自社ブランドがどう位置づけられているか、継続的に確認しましょう。

まとめ|ブランドエクイティを測定し、継続的に高めていこう

ブランドエクイティとは、ブランドが持つ無形の資産価値のことです。顧客の中で「このブランドなら安心」「このブランドが欲しい」といった認識が形成されれば、価格競争に巻き込まれにくく、口コミによる新規顧客獲得につながります。

ブランドエクイティを活用するには、財務情報やNPS、SNS上のセンチメントなど、複数の切り口から現状を数値で捉えることが欠かせません。一貫したブランド体験を積み重ねてきた企業は、他社と比較されない独自の強さを持っています。まずは分析ツールで自社の立ち位置を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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