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風評被害とは?企業ができる対策についてわかりやすく解説


Meltwater Japan

Oct 31, 2022

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企業が健全な事業活動を継続していたとしても、思いもよらぬネガティブな印象を植えつけられて業績・株価・ブランドイメージが低下するといった被害を受ける事態は、いつでも起こり得ます。

この記事では風評被害が発生する情報源や風評被害による悪影響、風評被害を防止する対策が必要な理由と具体的な対策について解説します。

目次

風評被害とは?わかりやすく解説

風評被害とは、事実無根のゴシップやデマが拡散されたことによって個人や組織・企業などに悪影響が及ぶことです。特に、商品・サービスなどに全く問題がないにもかかわらず、ネガティブなイメージを伴う根拠のないうわさによって商品・サービスが売れなくなるといった、経済的な被害を指す場合もあります。

たとえば、福島原子力発電所事故の後、放射性物質汚染の危険性を懸念して福島産の農産物に対する買い控えや取引停止といった経済的被害が発生したことは風評被害の典型です。また、新型コロナウィルス感染者が出た店舗・施設や新型コロナウィルス患者に対応する病院などを利用者が回避することも風評被害といえます。

風評被害の主な情報源

風評被害はさまざまなメディアが情報源になり得ます。ここでは風評被害の主な情報源である「SNSなどネット上の書き込み」「マスコミによる報道」「人から人への口コミ」の3つについて解説します。

Image of four people having a meeting.

SNSなどネット上の書き込み

SNSなどインターネット上の書き込みが風評被害を生む情報源になることは珍しくありません。

SNSでは誰でも匿名で書き込みができるため、根拠のない情報や誤解を生みやすい情報が多くの人の目に触れてしまうことが問題です。また、SNSはスピード感のあるメディアなだけに、話題性の高い内容の書き込みは信頼性を検証することもなくシェアされてしまうことが多く、またたく間に拡散されてしまいます。

SNSに風評被害の情報源と成り得る書き込みを行う個人の動機はさまざまです。たとえば、会社に不満を持つ従業員が憂さ晴らしの目的で書き込んだり、アルバイトが勤務先への影響を考えずに悪ふざけをしたことを書き込んだりすることもあります。また、サービスや製品に不満を感じた消費者が批判的な内容を書く場合もあるでしょう。

マスコミによる報道

新聞や雑誌、テレビなどマスコミによる報道が風評被害を生むこともあります。

マスコミによる報道はたくさんの人の目に触れやすいことから、強い影響力を持つ情報源の1つです。マスコミは一般的に高い信頼性や権威を有するので、マスコミが報道した内容をそのまま信じてしまう人も少なくありません。

しかし、実際には、マスコミによる報道の中に事実誤認による内容や偏った内容が含まれることもあり、風評被害を生む原因になる場合もあります。また、マスコミが報道した情報そのものには誤りがなかったとしても、視聴者や読者が情報の内容や報道意図を正しく理解しないままネガティブに受け取れば、そこから風評被害につながるケースもあるのです。

特に、災害や事件・事故など多くの人の生活に直接的な影響を及ぼす情報の場合、視聴者・読者の感じる不安によってデマが生まれやすい傾向があります。

人から人への口コミ

SNSや口コミサイトなども口コミに含まれますが、人と人が直接対面、あるいは電話で会話して情報を伝えることでも悪評が広まるケースは少なくありません。拡散される範囲は比較的狭いものの、親しい人から伝えられた情報は信頼性や影響力が高いため、ネガティブな口コミには注意しなければなりません。

特に、地域密着のビジネスを行っている会社・店舗などに対してネガティブな口コミが広がった場合、利用・取引停止に直結して売り上げが大きく下がるといった深刻な被害に発展するケースもあります。

企業が風評被害を受けた場合の悪影響

企業が風評被害を受けた場合、顧客離れによる業績悪化や株価下落、ブランドイメージの低下などの悪影響が予想されるため、しっかりと対策する必要があります。それぞれについて、以下でくわしく解説します。

Image of a graph displayed on a tablet being shown to a person and explaining its contents.

顧客離れによる業績悪化、株価下落

企業が風評被害を受けると、それまで商品・サービスに満足して利用していた顧客が警戒心や失望感を抱くようになり、購入・サービス利用を控えるようになる可能性があります。それは売り上げ低下や業績悪化に直結するため、深刻な影響です。また、投資家が企業に対するネガティブなニュースを知って持ち株を売りに出すおそれがあり、株価下落を招くこともあります。

風評被害は短期間で大きな損失を生むだけでなく、悪影響を取り除いて回復するまで一定の時間を要します。そのため、普段から風評被害の防止策を実施する必要があるのです。また、万が一、風評被害が発生してしまった時に備えて、事実無根の情報であることを広く示すといった対策を速やかに実施する準備をしておく必要があります。

ブランドイメージの低下

風評被害によって企業のブランドイメージが悪くなるおそれがあります。ブランドイメージの低下は上記のような顧客離れによる業績悪化、株価下落につながるだけではありません。インターネット上での炎上などさらなる風評被害を招いたり、従業員のモチベーション低下や定着率の低下、求人への応募の減少といった企業の運営に関わる悪影響につながったりする可能性もあります。

一度損なわれたブランドイメージの回復は、なかなか容易ではありません。風評被害を発生させないように予防すること、発生してしまった場合に迅速な対策を取ることが重要です。

企業で行う風評被害を防ぐ対策

企業が風評被害を防ぐ主な対策は以下の4つです。

  • ソーシャルメディアポリシーの策定
  • インターネット上でのモニタリング
  • 従業員の教育
  • 風評被害発生時のガイドラインを策定

それぞれについて以下で解説します。

ソーシャルメディアポリシーの策定

ソーシャルメディアポリシーとは、SNSにおいて企業がどのような立場や方針で発信するかを定めたルールです。SNSマーケティングを実施する場合、あらかじめソーシャルメディアポリシーを策定しておく必要があります。それによって、少なくとも自社の発信した内容が風評被害を招く可能性をある程度までは防止することが可能です。

日頃からソーシャルメディアポリシーを注意深く守ってSNSでの自社アカウントを運営していくようにしましょう。そうすれば、よほどのことがない限り、発信した内容がきっかけとなって炎上したり、風評被害が発生したりすることはありません。万が一、何らかの発信が炎上を招いてしまったとしても、ソーシャルメディアポリシーに則った対応によって、自社に過失が存在しないことを示しやすくなるのです。

インターネット上でのモニタリング

インターネットには毎日毎時、膨大な数の情報が書き込まれます。インターネット上のモニタリングとは、自社に関してどのような情報が出回っているのかを常に把握し、風評被害につながるリスクを含む投稿への対策を用意しておくことです。SNSや掲示板、ニュース記事や情報まとめサイトなど幅広いネットメディアを常時、監視し、記事の傾向やピックアップされやすい内容、自社の評判や炎上につながりかねない書き込みなどを早期に検知することによって、風評被害を防ぐために対応を迅速に行えます。

Meltwaterが提供する「ソーシャルメディアリスニング」を活用すれば、過去のニュースや記事に書き込まれたコメント、1.2兆を超えるWebコンテンツを検索できます。また、あらかじめ登録したキーワードについて、SNS上で一定数以上の言及があった際、アラートを受け取ることも可能です。くわしくはこちらをご参照ください。

従業員の教育

アルバイトや従業員、退職者が自社に関してネガティブイメージを与える発言や発信をし、そこから炎上や風評被害が発生する場合があります。たとえば、飲食店や食品を扱う店舗などでアルバイトが不衛生な行為をしたことを示すSNS投稿が炎上したケースや、求人に関する口コミサイトで従業員や退職者が待遇の悪さを書き込んだりするケースです。

そのような投稿を防止するためには、従業員の教育が欠かせません。公私にわたってSNSを利用する際の注意点などを明記したソーシャルメディアガイドラインを作成し、従業員に浸透させましょう。また、アルバイト・新入社員・中堅社員・管理職など職位別のルールを定めて教育することも重要です。

風評被害発生時のガイドラインを策定

風評被害が発生してから慌てて対策しようとしても、情報が拡散されるスピードに後れを取ってしまいかねません。風評被害を最低限に抑えるためにも、あらかじめ、風評被害発生時にどのような対策を実施するかについて具体的に示す内容のガイドラインを策定しておく必要があります。

ただし、風評被害の防止や発生後の対応について、自社だけで漏らさず対策することは容易ではありません。そのため、ガイドラインを策定する際には、風評被害対策に関して豊富な知識・経験を持つ専門家に相談するとよいでしょう。

Image of four people at one table with their smartphones in hand.

企業が風評被害を受けた場合の対処法

企業が風評被害を受けた場合の主な対処法・手順は以下の4つです。

  • 事実関係の確認
  • 声明文の発信
  • 書き込みの削除依頼
  • 法的措置の検討

それぞれについて以下で解説します。

事実関係の確認

まず、風評被害の内容について、それが実際に起きたことであるかどうかを確認しなければなりません。経営層としては「当社に限ってそのような不手際が起きるはずがない」としか考えられない場合でも、製造やサービスの現場において発生した事実であるかもしれないからです。風評被害の初期段階において企業が確認せずに内容を否定したとして、後から事実であったことが明るみに出れば、さらに強い批判を招きかねません。そのため、風評被害に関する情報を発信するより前に、事実関係の確認を忘れないようにしましょう。

声明文の発信

事実関係の確認が済んだら、自社の落ち度の有無を問わず、即座に声明文を発信することが重要です。自社に対して流布されたネガティブな情報が事実に反する内容であればその旨と経緯や今後の法的対応方針を、事実であれば再発防止に努める旨を公表することで、風評被害を最小限に抑えられます。

声明文を出す場所としては、自社Webサイト(トップページなど目に付く場所)、SNSアカウント、ニュースリリース、マスメディアなどがあります。より多くの人の目に触れるように、複数の場所に掲載するほうが良いでしょう。

さらに、声明文とあわせてクライシスコミュニケーションを取る必要があります。クライシスコミュニケーションとは風評被害の発生後または発生リスクが生じた後に、マスメディアおよび消費者、取引先など利害関係者に向けて、情報開示を行うことです。クライシスコミュニケーションの方法にはテレビでの記者会見や謝罪会見、新聞広告などがあります。

書き込みの削除依頼

上記と並行して、風評被害の原因となったSNS・匿名掲示板の書き込みについて、削除依頼を出すことも重要です。一般的にはSNSや匿名掲示板の運営会社・運営者に対して削除依頼を出し、それが認められれば削除対応してもらえます。運営会社・運営者が削除依頼に対応してくれない場合は裁判が必要になるケースもあります。

ただし、書き込みが削除されるまでに時間を要して情報の拡散が進んでしまったり、他サイトなどに転載されたりする場合もあり、一度インターネット上に出てしまった情報を完全に削除するのは困難です。自社の担当者が削除依頼を出すことも不可能ではありませんが、法的手続きを熟知した弁護士を通して削除依頼するほうがスムーズに進みます。

法的措置の検討

この場合の法的措置とは、風評被害を招く書き込みを行った人物を特定し、名誉棄損罪、信用棄損罪、偽計業務妨害罪などに問い、損害賠償請求することです。ちなみに、名誉棄損罪については書き込まれた内容の真偽を問わず適用できます。

まず、SNS・匿名掲示板などの運用会社・運用者に書き込みを投稿した人物のIPアドレス開示を請求し、得られたIPアドレスからプロバイダを特定します。その後、プロバイダに投稿者の住所・氏名を開示請求することによって、個人特定が可能です。発信者情報開示請求や損害賠償請求は原則として裁判で行います。

風評被害を防ぐため事前に対策をしよう

風評被害はいつ発生するかわからず、発生すれば業績悪化や株価低下、ブランドイメージの低下などにつながるため、インターネット上の書き込み内容を常にモニタリングしておくなど、事前に対策することが重要です。Meltwaterが提供する「ソーシャルメディアリスニング」を導入すれば、主なSNS15チャンネルの書き込み内容を検索できるので、風評被害の発見と早期対策につながります。くわしくはこちらをご参照ください。

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