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リードジェネレーションとは?手法や効果測定の方法、注意点を解説

リードジェネレーションとは?手法や効果測定の方法、注意点を解説


宮崎桃

Apr 10, 2024

新しい顧客を開拓して獲得するまでには、一定のプロセスが必要です。そのプロセスの1つがリードジェネレーションで、見込み顧客(リード)を生成(ジェネレーション)することを指します。

企業のマーケティング担当者の中には、リードジェネレーションの意味や目的、具体的な手法を知りたいという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、リードジェネレーションの概要や実施する方法、役立つツールなどを解説します。

リードジェネレーションとは?

What is lead generation?

リードジェネレーション(Lead Generation)とは、見込み顧客(リード)を獲得する活動のことです。見込み顧客とは、自社の商品・サービスを将来的に購入することが期待される顧客を指します。

まだ自社の商品・サービスを知らない顧客や、商品・サービスを購入する可能性が高い顧客がリードジェネレーションのターゲットです。

企業では、主にマーケティング部門がリードジェネレーションを担当し、獲得した見込み顧客を営業部門につなげるのが一般的な流れです。リードジェネレーションの質が高まると営業も効率的になるため、BtoBマーケティングの起点として非常に重要な活動と言えます。インターネットやSNSの普及により、オンライン上のリードジェネレーションに取り組む企業が増えているのが特徴です。

リードナーチャリングやリードクオリフィケーションとの違い

Differences from lead nurturing and lead qualification.

リードジェネレーションとあわせて知っておきたいのがリードナーチャリングとリードクオリフィケーションです。それぞれの特徴とリードジェネレーションとの違いを解説します。

リードナーチャリングとの違い

リードナーチャリング(Lead Nurturing)とは、「見込み顧客の育成」のことです。リードジェネレーションで生成した見込み顧客の購買意欲を高めて、商談・成約につなげるプロセスを指します。

リードナーチャリングの主な手法は以下の通りです。

  • 電話による案内
  • セミナーの開催
  • ダイレクトメールの送付
  • メルマガの配信
  • 試供品・無料トライアルの案内
  • リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、自社のWebサイトにアクセスしたことがあるユーザーに対して表示されるWeb広告を指します。

リードクオリフィケーションとの違い

リードクオリフィケーション(Lead Qualification)とは、「見込み顧客の選別」を意味します。リードナーチャリングで育成した見込み顧客の中から、より購買確度の高い顧客を絞り込むプロセスです。営業部門が対応できる見込み顧客の数には限界があるため、、見込み顧客を絞り込んで優先的に営業することで、生産性を高めることが可能です。

以下のような顧客行動をもとにリードクオリフィケーションは行われます。

  • 自社への問い合わせ
  • メルマガ・ダイレクトメールから自社サイトへのアクセス
  • 自社サイト内にある料金プランや導入事例の閲覧
  • 資料のダウンロード
  • セミナー・イベントの参加

オンラインでリードジェネレーションを実施する手法

リードジェネレーションを実施する手法は、オンラインとオフラインに分けられます。オンラインによる主な手法は以下の通りです。

手法内容
SEOGoogleやYahoo!などの検索エンジンで、Webサイトを上位に表示させる
SNSマーケティングX(Twitter)やInstagramなどのソーシャルメディア上で、
ブランドのプロモーションやユーザーとコミュニケーションを図る
LP検索結果やWeb広告などからユーザーが最初にアクセスするページを設置し、問い合わせなどにつなげる
ユーザーレビュー・口コミサイト商品・サービスに関する意見をまとめたWebサイトで、ユーザーから高評価を得る
ウェビナーZoomやGoogle MeetなどのWeb会議システムを使って、セミナーを開催する
ホワイトペーパーユーザーが抱えている悩みや課題を解決するのに役立つ資料を作成し、配布する

各手法について詳しく解説します。

1. コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを発信し、自社のファンを増やすことを目的としたマーケティング手法です。オウンドメディアやSNSなどの媒体で記事や動画を発信し、潜在顧客との接点を創出します。

2. SEO

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索結果でWebサイトを上位に表示させるマーケティング手法です。自社のターゲットが検索するであろうキーワードに関する記事を制作し、オウンドメディアに掲載します。問い合わせや資料請求につなげる導線を設置して、見込み顧客を獲得するのが一般的な流れです。

成果が出るまで数か月を要しますが、一度上位表示されると検索順位が極端に低下するケースは少ないため、長期的にリードジェネレーションに役立てられます。

3. SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、SNSアカウントを運用し、情報を発信したり、ユーザーとコミュニケーションを図ったりするマーケティング手法です。リードジェネレーションで活用されやすいSNSは以下の通りです。

主なSNS特徴
X(Twitter)ユーザーの年齢層が幅広く、拡散されやすい
Facebookビジネス利用が多いため、BtoBマーケティングに向いている
Instagram写真やショート動画の投稿がメインなので、視覚的に伝えやすい
YouTube表情やジェスチャーを用いて発信できるため、信頼性を得やすい

4. Web広告

Web広告とは、インターネット上で表示される広告を指します。Web広告は様々な種類があるため、自社の商品・サービスやターゲット、費用などを考慮して適切なものを選ぶ必要があります。主なWeb広告は以下の通りです。

主なWeb広告概要
リスティング広告GoogleやYahoo!などの検索結果画面で最上部に表示されるテキスト形式の広告
ディスプレイ広告Webサイト上の広告枠に表示される広告
リターゲティング広告過去に自社サイトにアクセスしたユーザーに、別サイトで表示される広告
ネイティブ広告WEB上の記事や動画に違和感なく溶け込んでいる広告
純広告特定のメディアの広告枠を購入して表示させる広告
アフィリエイト広告ブログやWebサイトを保有する媒体主に掲載してもらう広告
リワード広告広告視聴など条件を達成したユーザーに、特典が付与される広告
タイアップ記事広告メディアや媒体に自社製品の宣伝をしてもらう広告
SNS広告SNS上で表示される広告
動画広告動画を使用した広告

5. LP

LP(Landing Page:ランディングページ)とは、Webの検索結果やWeb広告からアクセスする最初のページのことです。縦長1ページに情報がまとめられており、下へ下へとスクロールしていくと情報の詳細がわかるようになっています。

LPには、商品・サービスの説明や自社の権威性、ユーザーレビューなどが掲載されます。問い合わせにつなげられるような内容にして、リードジェネレーションを行います。

6. ユーザーレビュー・口コミサイト

User review and word--of-mouth sites

画像引用:ITreview

ユーザーレビュー・口コミサイトとは、実際の使用感や感想などについて、ユーザーの本音が投稿されているサイトのことです。他のユーザーの率直な意見から自社の商品・サービスに興味を持ってもらうことで、リードジェネレーションに役立てられます。

なお、Meltwaterは国内最大級 IT製品のレビューサイトにおいて、以下のカテゴリーで高い評価を得ています。

  • SNS分析ツール
  • SNS管理ツール
  • インフルエンサーマーケティングツール
  • 広報・PR効果測定ツール

7. ウェビナー

ウェビナー(Webinar)とは、ZoomやGoogle Meet、Microsoft TeamsなどのWeb会議システムを用いたオンラインセミナーのことです。従来のリアルで行われるセミナーとは違い、会場を手配する必要もないため、費用や移動時間を削減できます。

ウェビナーには、リアルタイムでの開催と、録画した映像を配信する2種類の方法があります。リアルタイム配信のほうは、質疑を投げかけたり、参加者の疑問に答えたりすることで、直接コミュニケーションを取れるのが特徴です。録画配信は視聴できる人も時間も限られているため、本当にその情報を必要としている人が集まりやすいでしょう。

8. ホワイトペーパー

ホワイトペーパー(white paper:白書)とは、ユーザーの課題解決につながる情報がまとめられた資料のことです。元々は国や公的機関の報告書を指しましたが、近年は企業の調査レポートもホワイトペーパーと言われるようになりました。

自社の商品・サービスのよさをデータなどで詳しく解説することにより、説得力のあるアピールができるのがメリットです。ホワイトペーパーのダウンロードの際に、個人情報の入力を求めるケースが一般的で、ユーザーの名前やメールアドレスなどを入手できます。

オフラインでリードジェネレーションを実施する手法

オフラインでリードジェネレーションを実施する手法は以下の通りです。

手法内容
展示会・イベント展示会に出展したり、イベントを開催したりする
自社セミナーターゲットの興味関心が高いテーマでセミナーを開催する
電話営業(テレアポ)ターゲットに電話して接触を図る
オフライン広告テレビCMや屋外看板のように、インターネットを介さずに発信する

各手法について詳しく解説します。

1. 展示会・イベント

展示会への出展やイベントの開催により、リードジェネレーションを実施できます。名刺を交換したり、アンケートに記入してもらったりすることで、参加者の情報を入手することが可能です。展示会の場合は、同業他社も出展していることが予想されるので、自社の強みや差別化できるポイントを訴求するのが重要です。

2. 自社セミナー

自社でセミナーを開催すれば、申し込みの時点で参加者の情報を入手できます。事前に参加者の会社規模や従業員数、年商などをリサーチしておけば、セミナー当日に優先的に接触するターゲットを決めることも可能です。また、ウェビナーと違って、対面でコミュニケーションを取れるので、信頼関係を構築しやすいのも特徴です。

3. 電話営業(テレアポ)

昔ながらの電話営業(テレアポ)もリードジェネレーションに使えます。ターゲットとなる企業と面識がなくても接触できるのがメリットです。テレアポの成約率は低い傾向にあるため、絞り込んだターゲット内でどれだけ数を打てるかが重要です。自社にリソースがない場合は外注することも可能ですが、人員と稼働時間に応じて費用がかかります。

4. DM

ターゲットとなる企業にDM(ダイレクトメール)を送ることで、リードジェネレーションにつなげられます。仮に見込み顧客を獲得できなかったとしても、自社の存在や商品、サービスを認識してもらうことが可能です。DMには、郵送やFAXによる資料の送付・案内が主流ですが、近年では企業の問い合わせフォームを使った手法もあります。

5. オフライン広告

オフライン広告とは、インターネット上の広告ではなく、印刷物や看板などを使用した広告のことです。オフライン広告には以下のようなものがあります。

  • 新聞広告
  • 雑誌広告
  • チラシ
  • ポスター
  • パンフレット
  • 看板広告
  • 交通広告
  • ラジオCM
  • テレビCM

不特定多数にリーチできるのがメリットである一方、効果測定が難しいのがデメリットです。

リードジェネレーションの評価指標

Lead generation metrics

リードジェネレーションの評価指標は、マーケティング戦略を評価・改善するための重要な情報源です。以下の指標に沿って各施策を判断するとよいでしょう。

  1. リード獲得数(チャネル別)
  2. 中間コンバージョン
  3. 受注への貢献度

順番に解説します。

リード獲得数(チャネル別)

どのチャネルでどれだけのリードを獲得できたかを計測しましょう。チャネル別のリード数を把握することで、各施策の効果を可視化できます。テレビCMや屋外看板のように、効果を測定しづらいものもあるため、問い合わせフォームに「〇〇(商品・サービス名)を知ったきっかけ」という項目を設けるのがおすすめです。

中間コンバージョン

中間コンバージョンとは、商品・サービスの成約につながる過程にあるコンバージョン(目標達成具合)のことです。メルマガの開封数やDMへの返信数、商談化数などを計測することで、各施策を評価し、細かい改善につなげられます。取り扱う数値は膨大になるため、重要度の高い中間コンバージョンを定めて、定点観測するのがおすすめです。

受注への貢献度

各施策がどれだけ最終的な受注に結びついたかを測ります。リード獲得数や受注数などを把握できれば、成果の出しやすい施策もみえてくるため、施策の優先順位を設定できます。リードジェネレーションには、様々なチャネルがあり、手作業でデータを収集・分析するのは効率的ではないため、ツールを使うのがおすすめです。

リードジェネレーションを効率化するツール

ツールを活用すれば、様々な情報を一元管理でき、マーケティング部門と営業部門のコミュニケーションも円滑になります。リードジェネレーションにおすすめのツールは以下の通りです。

リードジェネレーションを
効率化するツールの種類
特徴代表的なツール名
(またはツールの提供元)
MAマーケティング活動を自動化するツールSATORI、b→dash
SFA営業プロセスを自動化・管理するツールMazrica Sales、JUST.SFA
CRM顧客との関係性を強化するためのツールSales Cloud、eセールスマネージャー
SNS管理ツールSNS上での投稿や反応を管理するツールMeitwater、Canly

リードジェネレーションで注意すべきポイント

リードジェネレーションを実施するにあたって、注意点を3つ挙げます。

  1. KPIを設定する
  2. リード獲得数にとらわれない
  3. 個人情報の取り扱いに気をつける

1. KPIを設定する

KPIとは重要業績指標のことです。成約につなげるための中間目標とも言い換えられます。計測できる数値を洗い出し、特に重要度の高い指標をKPIに設定しましょう。KPIが定まれば、達成に向けてアクションしやすくなります。数値ではっきり表れるため成果がわかりやすく、施策の優先順位も定まるというメリットもあります。

2. リード獲得数にとらわれない

リード獲得数は重要な指標ではあるものの、固執しすぎるのは危険です。購買確度の低いユーザーが含まれているおそれがあるからです。最終目標である受注につなげにくくなることにくわえて、営業活動の効率も悪化します。ターゲットを明確にし絞り込んだ上で、リードジェネレーションを実施しましょう。

2. 個人情報の取り扱いに気をつける

リードジェネレーションを実施する際は、名前やメールアドレス、住所といった個人情報の取り扱いに気を配りましょう。個人情報が漏洩してしまうと、自社の信用が失われるだけでなく、多額の賠償金を支払うリスクもあります。

個人情報を収集する際は、SSL暗号化を使用して安全な通信を確保し、セキュリティ対策を講じたデータベースに情報を保管するとよいでしょう。

まとめ|リードジェネレーションを実施して事業拡大につなげよう

リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得することを指します。BtoBマーケティングの起点となるため、企業にとっても重要度の高いプロセスです。

リードジェネレーションの手法はオンラインとオフラインに分けられ、インターネットが普及した現代では、特にSNSを活用したリードジェネレーションが注目を集めています。実際に、様々な企業がSNSアカウントを開設し、マーケティング活動に役立てています。

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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