TikTokは誰でも手軽にはじめられるため、動画を投稿するTikTokerの数も年々増加しており、多くのバズ動画が生まれています。
若者を中心に利用されているTikTokですが、最近では企業が収益を見越したマーケティング目的で参入するケースも増えてきています。
これからTikTokerとして動画投稿しようと考えている方の中には、自分の動画でも収益化できるものなのか?と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、TikTokで収益化する方法や、収益を増やすコツについて解説します。
TikTokで収益化する主な方法
2022年10月時点、TikTokで収益化できるパターンは以下の通りです。
- 投げ銭
- 企業のPR案件を受ける
- 広告収入を得ているプラットフォームへ誘導
- 自分の商品を宣伝する
それぞれの概要について解説します。
投げ銭
TikTokには「TikTok LIVE Gifting」と呼ばれる、TikTokライブで行える投げ銭機能があります(投げ銭とは、インターネット上の動画配信者に対し、視聴者が送金する行為のこと)。
2022年11月現在、TikTok上の機能で収益を得る方法は、こちらの投げ銭のみとなっています。
投げ銭で収益を受け取るには、下記条件をクリアする必要があります。
- 年齢が20歳を超えている
- PayPalアカウントを作成している
- PayPalアカウントと銀行口座を連携している
- 生配信時に投げ銭の受け取り設定をONにしている
若年層の利用者が多いTikTokですが、20歳未満は投げ銭機能自体使用できません。
TikTokの投げ銭は「ギフト」と呼ばれ、自身のアカウントにたまったギフトは換金できる「ダイアモンド」に変換されます。
ダイアモンドを換金するには、プロフィール画面右上のメニューから「設定とプライバシー」へ進み、「ポケット」を開くと表示される「LIVEのギフト」と進むことで、換金手続きが可能です。
手続きできたら、申請から5営業日ほどで、PayPalを経由して銀行口座に振り込まれます。
企業のPR案件を受ける
フォロワーの多いTikTokerであれば、企業側から商品紹介などのPR案件を依頼されることもあります。
企業と直接やりとりをすることになるため、TikTokに手数料がかかることなどなく、1投稿ごとにまとまった収益を得られることが特徴です。
PR商品と動画コンテンツの親和性が高い場合、TikTokerのファン層に一気にリーチできることや、拡散による宣伝効果も期待できます。
PR案件を受けるには、一定以上の影響力が求められます。目安として、最低でも1,000人以上はフォロワーが必要とされており、報酬もフォロワー数によって変わることが一般的です。
個人でもPR案件を受けることはできますが、芸能事務所やライバー事務所などに所属している場合、事務所が仕事をとってきてくれることもあります。
広告収入を得ているプラットフォームへ誘導
TikTok上で収益が発生する方法ではないですが、TikTokを集客ソースとして、すでに収益を得ている別のWebサイト・サービスに送客する方法も効果的です。
収益化をしているYouTubeや、アフィリエイトを設置しているブログなどは、視聴回数・アクセス数が重要になります。間接的であっても、TikTokの拡散力を活かしてアクセス誘導できれば収益につなげられます。
プラットフォーム先のURLは、TikTokアカウントのプロフィールページや、動画のコメント欄などに記載可能です。ユーザーに見てもらうために、動画内でもアクセスを誘導するように宣伝するとよいでしょう。
自分の商品を宣伝する
自身で販売できる商品や、ECサイトなどの販売用プラットフォームを持っている場合、TikTokを集客媒体としてそちらへ誘導し、商品購入してもらうことで収益を上げる方法もあります(Instagramなどとは違い、TikTokにショッピング機能はありません)。
ECサイトは、ASPカートなどのWebサービスを活用することでコストを抑えながら作成することが可能です。また、資金がある企業であれば、Web制作会社に外注することで高機能なECサイトを作成できます。
TikTokで商品の宣伝ができれば、広告費や出稿費をカットできます。
また、アフィリエイトの成果報酬だと、売上から手数料を引かれてしまいますが、自社商品販売では、手数料など引かれない点がメリットと言えるでしょう。
TikTok上で広告収益を得る「Pulse」とは
TikTokでも、収益を得られる新たな広告サービス「TikTok Pulse」が2022年5月に発表されました。
2022年6月からはアメリカで導入開始していますが、2022年10月現在、日本での導入はまだ発表されていません。
TikTok Pulseは、広告主は配信したい広告のジャンルを12種類のカテゴリーから任意で選択できるため、ニーズが明確なユーザーに対して効率的に広告を打つことが可能という特徴があります。
なお、TikTok Pulseの収益形態は、広告表示された動画が再生されると、広告主とTikTokerで50%ずつ収益を共有する仕組みです。
ただし、Pulseの表示条件として、下記が示されています。
- TikTok全動画の人気上位4%に入る
- 少なくとも10万人以上のフォロワーを持っている
現時点の条件では、すべてのTikTokerが恩恵を得られるサービスというわけではなく、一定以上のインフルエンサーが収益を得られるサービスであると理解しておいた方がよいでしょう。
TikTokで収益を増やすコツ7選
TikTokで収益を増やすためには、動画の視聴回数を増やしていくことが必須です。
アプリを開くとはじめに表示されるレコメンドの「おすすめ」は、フォローしていないTikTokerの動画もランダムで再生されます。自身の動画も「おすすめ」に表示させたいところですが、フォロワー数や動画再生数が表示条件として影響するアルゴリズムだと考えられています。
ここでは、フォロワーを増やし、より多く動画を再生してもらうための具体的な施策を7つに分けてご紹介します。
ターゲットを決める
まずは、投稿する動画をどのような人に届けたいのか、ターゲットとなるユーザー層を明確にしておくことが重要です。
たとえば、自身が毎朝家族の弁当を作っているため、レシピや調理姿をコンテンツとして配信する予定だとします。このとき、ターゲットを「男子高校生」や「独身サラリーマン」などに設定しても、視聴数はなかなか伸びません。
それよりも、「毎朝弁当を作っている人」をターゲットに設定するほうが適切でしょう。さらに、「忙しい朝でも手短に作れる弁当レシピが知りたい主婦」や、「料理未経験だが、これから挑戦しようと思っている30代独身男性」と細かくターゲット設定をすることで、具体的な視聴者ユーザーのイメージを掴みやすくなります。
自身の投稿する動画がどんな人に役立つのかを意識することで、コンテンツとしての質が上がり、フォロワー=ファンの獲得にもつながります。
アカウント全体の世界観を統一する
アカウント全体の世界観を統一することで、ユーザーに「○○の人だ」と認識されやすくなります。
具体的には、下記などを統一すると良いでしょう。
- 発信する動画のテーマ
- アカウントのアイコン
- プロフィールのカバー
- プロフィール文章
- コメント投稿時の口調
上記は一例ですが、細かくキャラクターを設定することで、アカウントの世界観をより独自性の高いものにできます。また、「エンタメ系」「料理系」「ファッション系」など、動画の一覧やプロフィールをパッと見ただけで、どのようなTikTokerなのか理解できることが望ましいでしょう。
逆に統一感がないと、投稿者のイメージ像がぼやけてしまい、フォローされづらくなる可能性が高まってしまいます。
ハッシュタグを活用する
ハッシュタグとは、記号の「#(ハッシュ)」をつけたテキストのことで、投稿内容のタグ付けができます。
検索窓から単語入力で検索した場合、TikTok側で「検索意図に近い内容」を識別して検索結果に表示します。
それに対しハッシュタグは、同じハッシュタグをつけて投稿された動画をまとめて表示できます。ハッシュタグをつけていることで、特定のタグ(テーマ)検索をしているユーザーに、動画を見つけてもらいやすくなるということです。
付与するハッシュタグは、自身の投稿する動画に合わせて決める必要があります。トレンドを意識した動画や、流行り動画であれば、みんなが使っているハッシュタグと合わせることで、多くのユーザーの目に触れやすくなります。
また、他の動画に埋もれないよう、自身のオリジナルハッシュタグをつけるなど、差別化を図る工夫もしておくとよいでしょう。
流行の音楽を利用する
TikTokで使用される音楽には、最新のヒットソングや、流行っているドラマの主題歌など、幅広い楽曲が使われています。
マイナーだった楽曲も、TikTokがキッカケでバズることもあり、多くのトレンドが生まれています。
ユーザーに好まれる動画は、カットやテロップだけでなく、音楽でもクオリティが大きく変わるため、なるべくみんなが知っている流行りの音楽を使用しておいたほうがよいです。流行りの音楽は、再生数の多い動画などをいくつかチェックしていると確認できます。
ちなみに、TikTokは日本音楽著作権協会(JASRAC)やNexToneと利用許諾契約を結んでいるため、TikTok内で選べる楽曲を使用しておけば、基本的には著作権上の問題は起こりません。
参考:利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧|JASRAC
定期的に投稿する
多くのユーザーに見つけてもらうには「おすすめ」に表示されることが重要です。
TikTokが公表しているわけではないですが、「おすすめ」に表示されるアルゴリズムには動画再生回数も影響していると考えられています。
そのため、フォロワーが少ない段階であれば、定期的になるべく多く動画を投稿して再生回数を稼ぐ必要があります。
ユーザーによって評価される動画は異なるため、オリジナルの投稿スタイルにこだわらず、流行りの投稿スタイルを参考にして取り入れてみるなど、角度を変えながら多くの動画を投稿するのがよいでしょう。
どの動画でフォロワーが増えやすいか、バズりやすいかなど、多くの動画を更新することで傾向も見えてくるため、定期的な更新は重要です。
アカウント分析・トレンド調査をする
TikTokには投稿を分析できる「ビジネスアカウント」があります。
ビジネスアカウントへの切り替え手順は以下の通りです。
- プロフィールを選択
- 右上メニューボタンから「設定とプライバシー」を選択
- 「アカウント管理」を選択
- 「ビジネスアカウントに切り替える」を選択
- カテゴリーを選択
- メールアドレスを追加
- 自己紹介を追加
同じ手順で「アカウント管理」から「個人アカウントに切り替える」を選択するだけで、個人アカウントへ戻すことも可能です。
なお、アカウントの切り替えには費用などがかかることはありません。
詳しい機能などは公式ページ(TikTokの個人アカウントとビジネスアカウント)でも紹介されています。
ビジネスアカウントに設定できると、プロフィールのメニューから「クリエイターツール」が使用できるようになり、インサイト機能で以下の分析結果を確認できます。
- 視聴数
- フォロワー数の増減
- プロフィールの表示回数
数値を見ることで、反応のよい動画などの傾向がわかるため、本気でフォロワー数を増やしたいなら活用しておきたい機能です。
また、より高い効果を出すために、Meltwaterの「ソーシャルメディアモニタリング」のような、トレンド調査や競合調査を行える外部ツールを活用してコンテンツ作成するのもオススメです。
他のSNSも活用する
他のSNSを活用して、TikTokアカウントをアピールすることも効果的です。
TikTokの送信先アイコンから直接SNSを選択するか、URLリンクをコピーできるので、シェアもカンタンにできます。
TikTok内で新規のユーザーに見つけてもらうには、アルゴリズムに左右される部分が大きいです。しかし、他のSNSでフォロワーがいる場合、すでにつながっているSNSのフォロワーに対し、自分でTikTokの宣伝を行えます。
元から知ってもらえているユーザーであれば、TikTokでも「いいね」や「コメント」をしてくれる可能性は高いでしょう。TikTokの視聴を誘導する際は、フォローとあわせていいね・コメントで反応してもらうところまでセットでお願いできれば、「おすすめ」にも載りやすくなり、新規フォロワー獲得の効率も上がります。
TikTokで得た収益は確定申告が必要?
TikTokで収益を得られるようになってくると、確定申告など、税金関連のことを考える必要が出てきます。
確定申告とは、所得に対して発生する税金を国におさめる行為です。ここでは、どういった条件で確定申告が必要になるのかを解説します。
確定申告が必要なケース
前提知識として、税金は売上ではなく「所得」にかかります。
種別 | 内容 |
---|---|
売上 | TikTokから振り込まれた金額 |
経費 | TikTokのために発生した出費 |
所得 | 売上 − 経費 |
TikTokで収益を得た場合に確定申告が必要かどうかは、年間の所得額によって変わります。
具体的には以下表の通りです。
TikTok以外の収入 | TikTokの所得 | |
---|---|---|
パターンA | あり | 20万円超えている |
パターンB | なし | 38万円を超えている |
TikTok以外の収入とは、一般的に会社員など、本業があることを想定しています。副業としてTikTokで稼ぐ場合、TikTokの所得が20万円を超えた時点で確定申告が必要です。
また、TikTok以外の収入源がない場合でも、所得が38万円を超えると確定申告は必要になります。
確定申告が必要ないケース
確定申告が必要ないケースとは、申告が必要となるケースの逆です。
TikTok以外の収入 | TikTokの所得 | |
---|---|---|
パターンA | あり | 20万円超えていない |
パターンB | なし | 38万円を超えていない |
副業としてTikTokをしている場合、売上から経費を引いた所得額が20万円を超えなければ、確定申告は不要となります。
確定申告をせずに済むよう、所得を調整したいと考える方もいるかもしれませんが、その場合は経費を把握しておくことも大事です。
- 機材費
- 材料費
- 取材費
- 家賃・光熱費
- 撮影スタジオ費
- 交際費
- 交通費
- 衣装費
- 広告宣伝費
- 外注費
- 出演者への報酬
TikTokの経費としてあげられる項目例は上の通りです。
カメラなどの機材費や、撮影のために支払った場所代や交通費など、個人で運営する場合でも経費にできる項目はあるため、覚えておくとよいでしょう。
TikTokで収益化しよう
この記事では、TikTokで収益化するための手段や、収益を増やすためのコツ、確定申告など収益発生時の注意点について解説しました。
収益を伸ばすためには、分析・実行・改善を絶えず繰り返すことが必要です。そのためには、TikTok以外のツールもうまく活用することが重要です。
Meltwaterでは最新の話題に関するデータを、グラフや数値で瞬時に見える化が可能です。「ソーシャルメディアモニタリング」では、SNSに関するニュースはもちろん、複数のSNSアカウントで注目を集めている投稿などをモニター・検索・分析できるため、話題を見逃すことがなくなります。また、TikTokの投稿管理やパフォーマンス分析も可能です。
効率的に収益を伸ばしたい方は、SNSモニタリング・分析ができるMeltwaterのツールを活用してみてください。