PRクライシスに備えるには、戦術的な目標の実施と測定で時間に追われるマインドセットから抜け出す必要があります。140文字までのメッセージを1日に数回送り出すことのできるソーシャルメディアマネージャーがいるからといって、本格的なPRクライシスに対処するためのメカニズムが整っているというわけではありません。だからこそ、危機が訪れる前に準備をしておくことが理想の戦略なのです。ここでは、10あるステップのうち6つをご紹介します。Meltwaterの電子書籍「Media Intelligence for Crisis Communications(クライシスコミュニケーションのためのメディアインテリジェンス)」では、その他の4つのステップに加え、貴重なアドバイスにもアクセス可能です。本電子書籍は無料でダウンロードすることができます。

ステップ1:職務目標にコンティンジェンシープランニングを追加する

日常業務をこなす中で、起こりうるすべての危機に対して今すぐにプロトコルを作成することはできないかもしれません。時間を調整しながら行いましょう。四半期ごとに2つないし3つのクライシスプロトコルを策定しましょう。そして、この目標の達成があなたのパフォーマンス評価に含まれていることを確認しましょう。

 

ステップ2:早期の警告サインを調べる

強力なメディアインテリジェンスツールは、ブランドに関する言及を単にモニタリングするだけではありません。任意の数のトピックに対して検索設定を行うことができるので、すべてのチャンネルでそれらトピックに関する情報を把握することができます。

あなたがこれまでに公開したメッセージの中で、抵抗を受けた種類のメッセージ一覧を作成することから始めましょう。同種の抵抗はいかなる時でも再び息を吹き返したり、増幅したり、また独り歩きを始める可能性もあります。これまでに直面した問題について、社内の営業担当者、カスタマーサポート、および顧問弁護士に話を聞いてみるのもいいかもしれません。危機の誘因一覧を作ったら、ニュース検索やソーシャル検索を作成しましょう。

では、このステップを始めるのに役立つ例をいくつかご紹介します。

エグゼクティブ:上級エグゼクティブの発言と行動は、ジャーナリスト、アナリスト、そして時には顧客さえも注目するものです。そして、あなたも注目する必要があります。エグゼクティブのTwitterやFacebookのフィード、エグゼクティブが投稿する動画やブログ、そしてエグゼクティブが世界に発信しているものがどのように受け取られ、増幅されているのかを把握しておきましょう。

競合他社:自身のブランドの言及と同じくらい、競合ブランドの言及にも注意を払いましょう。競合他社を襲った危機は、もちろんあなたの危機にもなり得ます。もし競合他社があなたの後を追って来ようとした場合、人々が競合他社のメッセージを増幅する前に、あなたは誰よりも先にそのことを知って対処したいと思うはずです。

業界ニュース: PRクライシスは時として、関連により引き起こされます。業界がどのように認識されているのか、またその認識に影響を与え得るいかなる出来事(例えば、自然災害や新たに制定された法律)をも追跡することによって、業界のリーダーとしてこのような問題に対処する準備が整います。

出来事:出来事に関連するトレンディングトピックを追跡して、発言者や代表者が付け込まれないようにサポートします。

論争:メディアインテリジェンスツールを活用することにより、任意の数のビジネスキーワードおよび政治キーワードの追跡が可能となります。大きな反響を呼ぶトピックがトレンドになりつつあるのが分かるので、そのトピックに対する企業の姿勢を説明する準備を整えることができ、これらのトレンディングトピックを見逃した人達と同一視されずに済みます。

不満:不満の一覧を作成し、検索結果の不満から目を離さないようにしましょう。インフルエンサーがひとたび顧客の懸念を増幅すれば、「専門家の意見」として固められ、長年にわたり信頼が損なわれかねません。

 

ステップ3:クライシスマネジメントのワークフローを策定する

メッセージを公に発表する前に、社内の必要手順をまとめることから始めましょう。該当する場合、ステークホルダーを選定します。 以下に例を挙げます。

状況を評価する – 直接得た洞察とともに危機に関する報告を行ってくれる現場関係者がいるのが望ましいのですが、メディアインテリジェンスを使えば、コミュニケーションの全容および対応すべきポイントをすべて理解することができます。

チーム内で職務を割り当てる – もしあなたが複数の職務に従事している場合、各ポジションに人員を配置する必要があります。インフルエンサーに対応する担当者、経営陣への報告を行う担当者、その他のステークホルダー(取引先企業、顧客、会員等)との調整役を務める担当者、ならびに詳細内容、措置、外部の反応、および解決策をすべて記録する担当者を決定します。

重要なアドバイザーを特定する – PRクライシスでは、IT、会計、人事等における指導者から技術的情報または戦略的洞察を必要とする場合があります。特定の危機に関係するすべての部門、およびそれら部門へ敏速に連絡する方法を確認しておきます。

ステートメントの原稿を書く – この作業は、PRの部門長が担当する場合もあれば、PRの部門長が即座に連絡の取れる広報代理店が担当する場合もあります。

イニシャルレビュー – あなた(または代理店)が準備したステートメントをチーフマーケティングオフィサー(CMO)に見直してもらうのは良い考えでしょう。なぜならば、CMOは間違いなくステートメントを守るように求められるからです。

リーガルレビュー – 法的効果を評価し、企業に対して法的措置が取られた場合の被害を最小限に抑えるべく、危機発生時に作成した声明はいかなるものであれ、顧問弁護士による見直しが行われなければなりません。

CEOレビュー – PRクライシス発生時には、最高経営責任者(CEO)(企業の最重要スポークスパーソンとなるでしょう)に絶えず最新情報を伝達し続けなければなりません。

 

ステップ4:通知システムを確立する

社内外のオーディエンスを主要なステークホルダーに分類して、ステークホルダーに連絡するための最善のチャネル一覧を作成します。第3章では、危機対応時におけるオーディエンスとのコミュニケーションおよびエンゲージメントの方法を詳しく考察します。

 

ステップ5:可能な限り多くの文書を事前に書いておく

ソーシャルメディアは非常に迅速に動くため、詳細なステートメントに関するステークホルダー幹部からの承認を待っていると、ブランドが傷付く可能性があります。そこで、過剰に書きすぎることなく問題に対する認識を認める文書に対して事前に承認を得ておくと、オーディエンスを安心させるのに大いに役立ちます。あなたが最初に反応を起こすまでに要した時間が、さらなる誹謗中傷の的に成り得ることを忘れないでください。

これは、あらゆるシチュエーションで活用できる穴埋め式のステートメントです。

本日、__________において、__________に係る__________の__________が発生しました。当該案件については調査中であり、詳細は追ってご報告いたします。

 

ステップ6:主要メッセージを完成させて、企業としての主張を更新する

最悪の状況を抜け出したら(とは言っても、すべてを忘れてビールで乾杯するにはまだ早いのですが)、最終報告書を作成することをお勧めします。企業として危機から何を学んだのか、状況に応じて手順、方針、または製品をどのように適応させたのかを説明します。人々はリップサービスだけでなく、実際に行動を起こしたことを知りたいのだということを覚えていてください。また、該当する企業全体としての主張を更新します。

PRクライシスのための準備が整えば、もしPRクライシスにより企業やブランドが影響を受けたとしても、その程度に関わらず準備は万全です。コミュニティ、オーディエンス、および誹謗中傷をする人々に対して、ブランドがいかに対応するかは包括的な影響を及ぼす可能性があります。あらゆる不測の事態に備えるのは難しいことですが、Meltwaterの電子書籍「Media Intelligence for Crisis Communications(クライシスコミュニケーションのためのメディアインテリジェンス)」をダウンロードして、できるところから始めてみましょう。