昨年、Amazonのシンガポール進出に関する情報は、広範囲にわたってメディアに取り上げられてきました。しかし、先週、小売大手がシンガポールで無料宅配サービスが利用できるAmazon Primeを導入した際は、10万平方フィートの倉庫で開催され、華やかな演出もない控えめな打ち上げイベントが行われました。小売大手が、このイベントに関するプレスリリースをウェブサイト上に投稿しましたが、ソーシャルメディアでは不気味な沈黙が続きました。

実際には驚くべきことではありません。過去にもAmazonは、非常に小規模な立ち上げを行ったことで成功を収め、企業がとても良い方向性へ進み、企業にとってポジティブな話題を生み出すきっかけ作りとなりました。「Amazon」、「立ち上げ」、「控えめ」のキーワードをGoogleで検索することで、インドでのAmazonの立ち上げ、オーストラリアへPrime Videoの導入、AmazonのバーチャルパーソナルアシスタントAlexaの立ち上げなど、以前も同様な戦略が取られていたことが明らかになりました。

シンガポールの小売業者にとってAmazonが市場に入るのは時期が早すぎたかと思った一方で、弊社のデータには、先週のAmazonのデビューはメディアクーデターであったことが記録されています。

ソーシャルメディアの爆発

米国を拠点とする小売業者は、シンガポールやその他の東南アジア市場で大規模なプロモーションを行わなかったが、インターネット上では物凄い反響を呼びました。シンガポールは例外で、電子商取引企業の競争が激しく、Amazonがシンガポール市場へ参入する話題は、いつも人々の関心を集めていましたが、実際に関心を寄せていた人の人数が人々を驚愕させました。

シンガポールでの打ち上げ日には、ソーシャルメディア上で打ち上げに対する2,500以上のリアクションがあり、世界中で1,100以上のオンラインニュースが配信されました。ソーシャルメディアのトレンドチャートでは、この話題が飛躍的に伸び、トップを飾りました。大半のリアクションは、どちらともいえない(58%)または賛成(39%)との結果が出ており、わずか4%弱が反対となりました。

競合他社に関するレッスン

控えめなキャンペーンを行ったことで、Amazonは一層に注目を集め、煩雑でalways-on(常時稼働)である電子商取引企業のマーケティングキャンペーンを破ったのです。更に重要なのは、Amazonが消費者に呼びかけるのではなく、消費者自らが、ブランドについて話す方が、はるかに信憑性があり、今までに行ってきた立ち上げ活動に、より忠実な活動ができるということです。

コンテンツやリーチのほとんどはTwitterを経由していましたが、Facebook、Instagram、およびハードウェアゾーンなどのローカルフォーラムでも頻繁に雑談が行われ、ソーシャルメディアの人気な話題とニュースで取り上げられるテーマが、ソーシャルメディア上で最も注目される話題でした。シンガポール人は、Amazonに並ぶアジアの電子商取引企業のライバルであるLazada、Redmart、Honestbeeの企業選びに熱心になっている、と仄めかす記述があったことも報じられています。理論的には、ライバルの小売業者は、このデータを活用して消費者をよりよく理解し、より効果的にリーチすることができるとされています。

この流れが競合関係にあるTechCrunch、Mashable、Vulcan Post、ZDNetにも影響し、ニュースサイト上で比較されていた。

しかし、一部の消費者が高価な価格設定、限定された製品範囲、配送の遅れについて不満と怒りを表明したため、すべての話題が肯定的ではなかったのです。

メディア報道を分析する

範囲が特定の地域であったにもかかわらず、Amazonは、CNBC、TechCrunch、Bloomberg、Reutersなどの地域および国際的に主要な報道機関が取材をしました。

地域的には、The Star Online、BáoMới、Saigon Times、The Edge Markets、Rapplerで大きく特集されました。

超巨大小売業がシンガポール市場に参入することは、600万人以上の消費者が集まる巨大な東南アジア市場への入口に到達したこととなるため、大勢の人がこの話題に関心を寄せ、報道があったことは当然でした。それと同時に、Amazonのブランド名、評判、大量の資金なども、東南アジアの買い物客の心に着実に根付く事となりました。

しかしながら、Amazon CEOのジェフ・ベゾスが短期間で世界一の富豪になったニュースの方が目立つようになり、Bloomberg、The Straits Times、Channel News Asiaなどのローカルメディアや国際メディアは、この話題に専念した報道を行いましたが、立ち上げ報道を損なうことはありませんでした。

大規模で時には異様なキャンペーンが著しく目立つこの世の中でも、大々的な立ち上げを行わないことにメリットがあると言えるでしょう。それでもやはり、Amazonがより大きなマーケティング機会を逃してしまったかどうかは、時が経てば分かるでしょう。

今回、Amazonに関するデータを例として挙げた様に、メディアやソーシャルメディアのインサイトを収集する方法に興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。PRツールボックスに貴重なインサイトを取り入れましょう。

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執筆者:Meltwater、John Box