日本企業も中国のソーシャルメディアリスニングが必須?その理由とは

ソーシャルメディアマーケティングで旬な話題といえば、中国のソーシャルメディアでしょうか。先日も某コスメブランドでマーケティングを担当している方から、「中国のソーシャルメディアの影響力は、日本でも半端ない」という話をお聞きしました。

 

このコスメブランドでは、ある商品が突然売れまくり品薄になってしまったとのこと。いろいろ調べた結果、中国のソーシャルメディアにてインフルエンサーがこの商品を紹介、その影響で中国の方がまとめ買いしたことが原因でした。

 

こういう話、近頃よく聞きますね。このコスメブランドの場合は売れすぎというポジティブな悲鳴でしたが、風評被害みたいなネガティブな悲鳴もありえるので侮れません。人口が多い中国ではインフルエンサーによって影響を受ける人の数も、日本の比ではないんです。

 

大手企業や有名ブランドだけではなくて、中小企業でも同じ現象が起こっていますから他人事ではありません!

 

中国に展開していない日本企業でも、中国のソーシャルメディアの影響を大きく受ける時代になってきました。悲鳴を上げないために、今知っておきたい中国ソーシャルメディア事情についてまとめました!

中国のソーシャルメディアで今何が起こっている!?

ご存知の方も多いかもしれませんが、中国のソーシャルメディア事情は日本とかなり違います。日本や海外でシェアの高いソーシャルメディアといえば、TwitterやFacebook。でもこれらは中国政府の施策によって、中国国内では基本的に使えません。

 

そのため中国ではWeChatとWeiboという、中国企業が開発したソーシャルメディアが高いシェアを誇っています。ソーシャルメディアの種類が違うだけではなくて、ユーザー規模やインフルエンサーの影響力が日本とは全然違います。

 

・中国のソーシャルメディアはユーザーの規模がすごい

 

WeChat(微信)はメッセージ機能が豊富なソーシャルメディア。決済機能もあり中国版LINEと呼ばれています。WeChatは中国で最も利用されているソーシャルメディアで、月間アクティブユーザー(MAU)はなんと10億超え。ちなみにWeChatは中国以外にも展開していて、マレーシアなどでも人気があります。

 

一方Weibo(微博)は短文でやりとりがメインのソーシャルメディアで、中国版Twitterと呼ばれています。MAUは、約3億9千万とWeChatほど多くはありません。でも世界中のTwitterMAUが約3億3千万なので、すでにこれを超えているんですよね。

 

ちなみに日本のソーシャルメディアの利用者数を見てみると、LINEのMAUが約8千万、Twitterが4千5百万程度。ユーザー数で見ると、中国と日本には圧倒的な差があることがわかります。

 

・中国は一般人のインフルエンサーの影響力がすごい

 

冒頭で紹介したコスメブランドの事例のように、中国のソーシャルメディアではインフルエンサーが商品を紹介した結果、フォロワーが一気に同じものを買う現象がよく起こります。

 

中国でインフルエンサーの影響力が大きいのは、やはりソーシャルメディア全体のユーザー数が膨大ということが大きいと思います。WeChatやWeiboのユーザー数を見てわかる通り、日本とは桁違い。インフルエンサーのフォロワーの数も圧倒的に多いので、影響力が高いのではないでしょうか。

 

またこれは私見ですが、中国の方は日本人より前に出るのが好きな人が多い気がします(人口が多いこともあるかも?)。だから中国では、インフルエンサーになりたいという人が多いのではないでしょうか。中国の人々にとって憧れの存在であるインフルエンサーだからこそ、フォロワーへの影響力がより高いのかなと思います。

 

中国ではソーシャルメディア上で商品を紹介するだけではなく、日本で商品を買い付け、ソーシャルメディアを通じて販売するインフルエンサーも登場しています。「ソーシャルバイヤー」と呼ばれていて、最近人気が高まっているそうです。

 

こうなると訪日観光客のほか、中国本土にいる人もマーケットとして考えないといけないですね。

 

大手企業だけじゃない!あらゆるBtoCは中国のソーシャルメディアに影響を受けている

「うちの会社は中国に進出していないから、あまり影響ないかな」という考えは、もう古いかもしれません。有名ブランドや大手メーカーだけではなく、あらゆるBtoCの日本企業が中国のソーシャルメディアの影響を受ける時代になってきました。

 

中国の方がまとめ買いする日本製品といえば、大手メーカーの化粧品や家電製品というイメージがありませんか?でも最近では、意外なものが人気沸騰することもあります。

 

実は私自身、香港に住む同僚からあるスリッパを買ってきてほしいと頼まれた経験があります。四国の中小企業が国内向けに作っているスリッパが、Weibo上で爆発的な人気が出ていたそうなんです。

 

また日本の観光スポットが中国のソーシャルメディアをきっかけに人気が出た、なんて話も聞きますね。いわゆる観光地ではなく、こんなところに?みたいな場所に中国の方が殺到することも。これに対策するには、自治体も中国のソーシャルメディアをウォッチしておかないとまずいわけです。

 

中国のソーシャルメディアを、ソーシャルリスニングするにはどうすればいい?

中国のソーシャルメディアの影響力が増している一方、日本にいるとなかなか中国のソーシャルメディアの動きを追うのは難しいのも事実。

 

そこでWeChatやWeiboといった中国のソーシャルメディアをモニタリングするにはどうしたらいいか?というご相談が増えてきました。弊社MeltwaterのツールではTwitterやFacebookだけではなく、WeChatやWeiboを分析する機能もあります。このあたりの機能に関心を持っていただくケースも多くなってきましたね。

 

積極的に中国のマーケットを攻めたいという企業もありますが「想定外の品切れを起こさないようにチェックしたい」というニーズもわりと高いです。品切れを起こし、購入できない人からのクレームが増えることを気にしているようです。

 

また「ネガティブな投稿が中国のソーシャルメディア上に出ていないか知りたい」という危機管理目的のニーズもあります。

 

世界中がマーケットになる時代、マーケティングリサーチはどうする?

 

中国のソーシャルメディアのすごい影響力を見ると、日本企業も日本国内だけがマーケット、という考えを変えないとダメですね。インバウンドはもちろん、ソーシャルメディアバイヤーも登場する時代ですから。マーケットはグローバル化してきています。

 

こうなると、今までのマーケティングのやり方では対応できなくなってきました。例えば過去の販売データをもとにマーケティング計画を立てる企業は多いと思います。でも中国のソーシャルメディアの影響なんて、過去の販売データを分析しても想定できません!

 

そこで次回はソーシャルメディアでマーケットトレンドを読んでいくためのデータマイニングについて紹介したいと思っています。日本ではあまり認知されていませんが…ソーシャルメディアのデータを分析すれば、世界レベルでマーケットの動きを把握できます!

「#KuToo」はどう世界中に拡散した?メディア分析で見えてきたもの

 

 

「職場で女性にハイヒールを強制するのはおかしい」。このツイートは1日で6千もリツイートされ、その後「#KuToo」というハッシュタグとともに拡散。半年後には政府や企業にも影響を与えるほど大きな活動になりました。

 

実は海外メディアも「#KuToo」に大きな関心を寄せていて、TIMEやニューヨークタイムズにも記事が掲載されているんです。

 

横並び志向が強いと言われる日本。1人の女性が声を上げ、影響がここまで注目されたケースはあまりないですよね。そこで#KuTooに関する国内外のニュースメディアやソーシャルメディアの反応を分析してみました。「#KuToo」がどう世界に拡散して、世の中に影響を与えているかを探ります。

 

 

時系列で見る「#KuToo」の広がり

 

「#KuToo」がどう広まったのか、ニュースメディアとソーシャルメディア、それぞれの露出数を時系列でグラフにしてみました。

 

発端は、石川優実氏による2019年1月のツイート。その後このツイートが多くの人に共感され、拡散しました。ちなみにこのツイートは2019年8月現在で、約3万件リツイートされ、6万件以上の「いいね!」がついています。

 

 

「#KuToo」というタグが生まれ、幅広い世代に広がる

 

実はこのツイート時点では、まだ「#KuToo」というハッシュタグはついていません。拡散する中で「#MeToo」にかけつつ、靴や苦痛という意味もプラスした「#KuToo」というタグがつくようになりました。ここもソーシャルメディアならではという感じがします。

 

グラフを見ると2019年3月にSNSの露出がちょっと増えています。この理由と思われるのが、ある女子学生のツイート。就職活動でハイヒールを履くことへ、異議を唱えています。

 

*上記投稿はTwitter上では非表示になっているので、Meltwaterプラットフォームから過去データ抽出。

 

このツイートには11万件のいいねがついています。すごい反響ですよね。働く女性だけではなく学生など他の世代にKuTooの問題意識が広まっていったことがわかります。

 

私自身「#KuToo」というワードを知ったのもこの頃でした。3月の世界国際女性デーに都内でウィメンズマーチがあったのですが、参加した弊社スタッフから「#KuToo」というプラカードを見かけたという話を聞きました。

 

厚労省への署名提出が世界で報道され、露出はピークに

 

その後露出は落ち着きますが、2019年6月露出が急増しています。これはネット上で集まった署名1万8千件(※当時)と要望書を、厚生労働省に提出したタイミング。要望書は「性別に関係なく働きやすい靴を履けるよう法整備を求める」というものでした。

 

その直後、根本厚生労働大臣(当時)がハイヒール強制を容認するとも取れる発言をしたことで、海外メディアから注目されることとなりました…。

 

その後もソーシャルメディアでの露出は続いています。世界レベルで「#KuToo」について議論されているというわけですね。 

例えば著名なエディターJim Robert氏が、根本大臣の発言や石川優美氏のコメントをTwitterにアップしたところ、この話題に関するツイートが一気に増えました。メディアの記事がソーシャルメディアで拡散していく、わかりやすい事例かもしれません。

日本の「#KuToo」関連記事は世界全体の20%、実は海外メディアの関心が高い!

 

「#KuToo」のメディア記事を、国・地域別でランキングにしてみました。1位はもちろん日本ですが、世界全体で見ると20%程度でしかありません!海外メディアの記事の方が、圧倒的に多いんです。

 

実は「#KuToo」のきっかけとなったツイートの1か月後には、すでにハンガリーのメディア「nlc」(ハンガリー語)が報じています。

  

3月には、アメリカの大手メディア「TIME」(英語)が記事を掲載。活動の中心人物である石川優美氏へ取材もしています。

 

その後6月、署名提出と根本大臣の発言がきっかけで「#KuToo」は世界に広まりました。アメリカのニューヨークタイムズ、フランスのル・モンド、イギリスのガーディアンなど世界の主要メディアが記事を載せています。

 

ニューヨークタイムズ

ガーディアン

ル・モンド

 

「国別のニュース露出割合」ランキングを見るとアメリカやヨーロッパだけではなく、中国やインドなども上位にありますよね。アジア圏でもこの問題への関心が高いことがわかります。

 

海外で「#KuToo」の話題が注目される2つの理由

 

 

「#KuToo」活動は日本国内の話なのに、なぜ海外で注目されているのか、気になりませんか?私個人の意見ですが、2つの理由があると思っています。

 

1.男女平等の面で大きく遅れている日本で、活動が始まったから

 

先進国の中でも、日本は男女平等の面で見ると遅れています。ジェンダーギャップ(男女の格差)の国別ランキングでは、世界144ヵ国のうち日本は110位。G7の中で最下位という結果です

出典:2018年世界経済フォーラム(WEF)調査

特に根本厚生労働大臣の発言が「職場でのハイヒール着用は必要」という意味にも取れたため、世界のメディアは大きく報じたようです。「日本はジェンダーへの意識が低く、世界から見れば時代遅れ」という印象が強まったのではないでしょうか。

 

また個人的な意見ですが、海外では「日本人はあまり発言をしない」という印象があるようですね。個人が目立つ発言をすることが少なく、男女平等も遅れているという印象の日本。そんな日本でもソーシャルメディアを使って女性が声を上げはじめた!というのが、世界から関心を集めた理由かなと思います。

 

2.女性へのハイヒール強制は、実は世界中で問題になっているから

 

「#KuToo」が注目されるもうひとつの理由が、女性へのハイヒール強制が日本に限らず世界でも問題となっていること。すでに禁止する法律を設けている国や自治体もあります。海外の事例をいくつか紹介しましょう。

 

・イギリス

日本の前例ともいえるのがイギリス。PwCで働いていた女性がFacebookでハイヒール強制に異議を唱え、共感が広がり活動がスタートしました。15万件以上の署名を政府へ提出した結果、「法の見直しが必要」という報告が発表されました。

 

・フランス(カンヌ映画祭)

2015年のカンヌ映画祭では、ハイヒールを履いていない女性が入場を拒否され大きな問題に。翌年の映画祭では、一部の俳優が裸足でレッドカーペットを歩いて抗議しました。

 

・カナダ

カナダのブリティッシュコロンビア州では、企業が女性にハイヒール着用を強制することを禁止しています。州ではハイヒール着用強制禁止の理由として、危険であり差別的であるため、としています。

 

・ノルウェー(ノルウェー航空)

かつてノルウェー航空では女性CAがフラットシューズを履く場合、医師からの証明書を要求していました。これに批判が集まり、ハイヒール着用やメイクアップなどの義務が2015年に廃止されました。

 

「#KuToo」活動は、政府や企業も動かしはじめた!

 

「#KuToo」活動の規模が大きくなるにつれて、政府や企業もこの問題への対応を迫られています。

 

根本大臣の一連の答弁とその後の新聞報道などに対して、厚生労働省は「根本大臣の発言はハイヒール強制を容認する発言ではなかった」というコメントを出しています(世界から批判が集中したため、フォローに回ったのかも?)。

 

ちなみにKuTooの署名は、厚生労働省に提出した後も増えていて、2019年8月時点で3万件を超えています。

 

企業にもこの問題に対応する動きが出てきました。通信会社や航空会社の中には、制服を刷新するタイミングでヒールのない靴を採用するところが出てきています。

 

例えばバンドエイドで有名なジョンソン・エンド・ジョンソンは、この問題にいち早く対応した企業のひとつかもしれません。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、3月に就活生へ「スニーカーで面接に来てもOK」という方針を打ち出しました。この活動を「スニ活」と名付け、他の企業にも呼びかけています。さらに丸井と提携してスニーカーに合うリクルートスーツのコーディネートも提案しています。

 

バンドエイドには、実は靴擦れ用のものもあります。だから就活生がハイヒールを履いた方が、本当は売上につながるはず。それでも就活生を応援するというポリシーを優先させるため、「スニ活」に取り組んでいるそうです。

 

ソーシャルメディアの影響力を理解して、企業価値の向上につなげようとしている事例ですね。

 

 

まとめ

 

分析してみると、日本国内での「#KuToo」活動の反応と、海外の反応にわりと違いがあることがわかりました。海外から「日本はまだジェンダーへの意識が低い」と思われているように感じますね。日本も女性やLGBTQなどジェンダーに対する意識を、個人も企業ももっと持つ必要がありそうです。

 

一方で、ソーシャルメディアの影響力は日本でもここまできたか…という感じもしています。1人の女性のツイートがソーシャルメディアで広がった結果、数か月後には世界の大手メディアが記事にするわけですから。

 

ニュースメディアだけではなくて、ソーシャルメディアも常にウォッチして「何が話題になっているか」「どんな意見が多いのか」を知ることが必要になってきていますね。

 

ニュースはTVよりソーシャルメディアで見る時代へ。広報はどう対応する?

これまでのブログでも、広報にとってソーシャルメディアは無視できない存在になってきたことをお伝えしました。とはいえ日本の広報部門ではソーシャルメディアの情報収集、いわゆるソーシャルリスニングに取り組むところはまだ少ないですね。

 

「うちの会社、経営陣がなかなかソーシャルメディアの重要性をわかってくれない」なんてお話を聞くこともあります。「ソーシャルメディアを使っているのは一部の人たちだけ、うちには関係ない」みたいな感覚かもしれません。

 

でも今は10代や20代を中心に、ソーシャルメディアでニュースをチェックする人が増えています。こうなると、広報も従来のメディアだけ相手にしているわけにはいきません!

 

そこで、ソーシャルメディアでニュースを見る人が増えている状況について、日本とアメリカのトレンドをまとめてみました。ニュースサイトもアプリもあるのに、なぜソーシャルメディアでニュースを読む人が多いのか…気になりますよね?そのあたりの理由も探ってみます!

 

日米ともに、ソーシャルメディアでニュースを読む人が主流になってきている

 

アメリカでは、成人の68%がソーシャルメディアでニュースを読んでいるといわれています。

この数字、思ったより多いと思いませんか?

さらにアメリカでは、2018年初めて紙の新聞(Print newspapers)よりソーシャルメディア(Social media)が上位になったという調査結果もあるんです。ソーシャルメディアでニュースを読む人が増えている状況がよくわかりますね。

 

ちなみにこの調査結果、面白いのが年代によってニュースの入手先が全然違うという点。年代別の調査結果を見ると、10代と20代のニュース入手先の1位はソーシャルメディアで、テレビやニュースサイトより上なんです。一方30代以上になると、ソーシャルメディアよりテレビやニュースサイトが上位に来ています。

 

この傾向、実は日本でも似たような感じです。公益財団法人 新聞通信調査会が「メディアに関する全国世論調査」を行い、日本で「インターネットニュースを見る時、アクセスするのは?(P.40)」という調査をしたところ、全世代ではポータルサイトが84.6%で1位。でも10代と20代に限ると、ソーシャルメディアが1位(全体の70%超え)という結果なんです。

 

確かに周囲を見ても、30代以上の人はポータルサイトやアプリでニュースを見る人が多い気がしますね。でも10代や20代にとっては、もうソーシャルメディアでニュースを見ることが普通になっているというわけです。

 

ソーシャルメディアでニュースを見る人が増えている2つの理由

 

若年層を中心に、なぜソーシャルメディアでニュースを見る人が多いのか…いろいろ理由はあると思いますが、個人的には2つ大きな理由があると思っています。

 

1.   興味が同じ人をフォローすれば、関心のある記事だけ見られる

 

好きなニュースメディアがあっても、自分が興味のある記事も興味のない記事も全部目を通す、なんて人はレアですよね。やはり関心のある記事だけ読みたくなります。

 

ソーシャルメディアなら、自分と興味が似ている人をフォローすればその人が自分の知りたいニュースをシェアしてくれます。つまり自分が知りたい情報だけ見られる。海外では、気に入ったジャーナリストのアカウントをフォローして、ニュースをチェックするなんて人もわりと多いですね。

 

この方法なら、自分の興味があるジャンルについては知識が貯まるスピードが上がります。効率がいい、という考えなんだと思います。

 

かつては、新聞を読めば自分の興味がない分野の情報もチェックできる、といわれていました。でも今の若い人たちは、紙媒体で育った世代とは考え方が違うデジタルネイティブ世代。紙の新聞を見たとしても、やはり関心のない情報はスルーするんじゃないでしょうか。より効率的に情報収集をすることが優先されているのかな、と感じます。

 

2.   元記事をサマライズ(要約)して、要点だけ紹介してくれる人が多い

 

効率的という意味では、ソーシャルメディアなら記事本文を全部読まなくても把握できる、というメリットもあります。

 

ソーシャルメディア上には、ニュースの要点だけまとめてシェアする人が結構います。こういう人をフォローしておけば、記事を最後まで読まなくても大体の内容はわかります。

 

ネットの記事に慣れているデジタルネイティブ世代から見れば、画像と見出し、要点を見ることが「ニュースを読むこと」という認識なのかもしれません。

 

ソーシャルメディアでニュースを「シェア」するときの、日本と海外の違い

 

ソーシャルメディアといえば、記事をシェアできる点も大きな特徴。ただ海外と日本だと、シェアの傾向に違いがあるように感じます。

 

弊社Meltwaterの分析ツールには、ニュースの記事がソーシャルメディアでどれだけシェアされたか集計できる機能があります。この数字を見ていると、全体的に海外と比べて日本はシェアされる数が少ないですね。

 

海外では、シェアすることで自分の意見を主張する人が多い印象。例えばアメリカの人たちの投稿を見るとわかりやすいです。トランプ大統領に関するニュースをシェアしながら、それに対する自分の意見を発信したり、ソーシャルメディアで議論したりするのも普通ですね。

 

一方日本でシェアが海外ほど多くないのは、TwitterやFacebookなどオープンな場ではなくて、表に見えないところ、つまり1対1で記事をシェアする人が多いからなのではないでしょうか。

 

オープンなところで意見を出したがらない、という国民性もあるかもしれません。あとは日本の場合クローズドなLINEの利用率が高いことも影響していると思います。

 

私自身LINEニュースで気になる記事があると、よく友人にシェアします。先日友人が勤める会社の記事が載っていたので、「君の会社、こんなニュースが出ているけど大丈夫?」という感じでシェアしました。

 

皆さんも気になるニュースをLINEなどで直接シェアした経験、きっとあるのではないでしょうか。だから日本も、海外とスタイルは違っても実はシェアの数は多いと思うんですよね。

 

こういうシェア状況は、広報にも影響があります。いいニュースも悪いニュースも、広報が知らない間にどんどんシェアされていたら…広報として気まずくないですか?だからどんな企業にも、ソーシャルリスニングをするのが普通、みたいな時代になってきています!

 

最近はソーシャルメディアでのシェアを意識して、プレスリリースを制作する企業もあります。弊社クライアントのある自動車メーカー様のケースでいうと、技術的なリリースではターゲットが限られるためあまりシェアは想定しません。でも新車発表など一般ユーザーのシェアが増えそうなときは、シェアされることを前提にカッコいい画像をリリースのメインに持ってくるそうです。

 

ソーシャルメディアがきっかけでメディアに注目されることもある

 

ソーシャルメディアがきっかけでメディアが記事化する、なんてことも起こっています。これも、広報としては「知らなかった」では済まされないですよね。ここ最近では、イエローハットとピザハットによるTwitterのやり取りが話題になりました。

ざっくりいうと、イエローハットがTwitterでピザハットに「8月10日(ハットの日)に一緒に何かしませんか?と提案。その後のやり取りで、イエローハットのハットが帽子のHatだった一方、ピザハットは小屋という意味のHutと判明…!というお話。

 

ソーシャルメディアでオープンにやり取りする過程が面白くて、Twitterでちょっとしたバズが起こりメディアにも取り上げられました。メディア側がソーシャルメディア上の動きに敏感になっていることも要因ですね。

 

この事例、ほとんどコストがかかっていないわりに結構なPR効果があったんじゃないでしょうか?もし2社で「8月10日にコラボします」というリリースを出しても、ここまで話題にならなかったと思うんですよね(たぶん)。

 

イエローハットとピザハットは公式アカウント同士のやり取りでしたが、公式アカウントを持たない会社でも意外なことでソーシャルメディアで話題になるケースもあります。

 

あらゆる企業にとってソーシャルメディアでいい意味でも悪い意味でも、話題になりうることをやはり意識しておく必要がありますね。

 

ソーシャルメディアは、もはや主要なニュースメディアのひとつ

 

ニュースをソーシャルメディアで見る人が増えている中、広報が「うちはソーシャルメディアなんて関係ない」とはいきません。ソーシャルメディアはもはや主要なニュースメディアのひとつ。だから広報としてメディアモニタリングの対象にすべきなんです。

 

経営層がソーシャルメディアをあまり意識していないときは、今回紹介した調査データをプレゼンに使ってみてください!数字を見てびっくりされるかもしれませんが。

 

次回は具体的にソーシャルリスニングに取り組むコツや、効果をどう見るかについて紹介します。