外部データを企業の意思決定に活用する「Outside insight」とは

Meltwaterでは、書籍「Outside Insight」日本語版の出版記念イベントを2019年7月10日に開催しました!イベント前半では、書籍の著者であるMeltwater CEOヨーン・リーセゲンが講演。後半は弊社クライアントである資生堂とレクサスの方をゲストにお招きし、パネルディスカッションを行いました。
今回ご登壇いただいたのは、グローバルマーケティングを統括されているお二人。「外部データがどのように企業の意思決定を導くのか?」をテーマに、活用事例や課題などを熱く語っていただきました!今回はこのイベントレポートをお届けします。

 【Meltwaterについて】
Meltwaterは世界に60拠点近くのオフィスを設け、メディアモニタリング(ニュースメディアやソーシャルメディアの調査分析)ツールを提供しています。利用企業は世界で3万以上。「コカ・コーラからバチカンまで」という言葉で表せるように、幅広いクライアントにご利用いただいています。日本支社は2018年に10周年を迎えました。

「ネット上の外部データは宝の山!これを企業の意思決定に役立てるのが”Outside insight”」

イベントの前半は、書籍タイトルにもなっている「Outside Insight」のコンセプトについて弊社Meltwater CEOヨーン・リーセゲンが講演しました。

 

社内のデータにこだわっていては、時代に乗り遅れる! 

 「この20年、インターネットによってあらゆる業界のビジネスモデルが変わりました。一方で企業の意思決定は『業績など社内データをもとに年に1回計画を立てる』というやり方のまま。でも変化のスピードが早い市場に対応するには、もっと会社の外にある『外部データ』を使う必要があります。

個人も企業も、 ネット上に痕跡(パンくず)を残しています。これが外部データ。個人なら、ソーシャルメディアを見れば個人の友人関係も好みも全部わかります。企業も同じで、特許や新製品、採用など公開されている情報から企業の戦略が見えてきます。こうした外部データを分析すれば、競合のベンチマークができ先行指標になります。」(ヨーン)

 

外部データを自動分析できれば、企業の意思決定に変革が起こる!

「外部データは膨大です。だからAIなどのテクノロジーを使って、収集・分析できるソフトウェアが必要ですよね。自動分析できれば、どんな経営者でも今の市場や世間をリアルタイムに反映した意思決定ができます。これがOutside Insightのコンセプト。

でもほとんどの企業は、まだ外部データを活用できていません。Outside Insightの重要性を知ってもらい、従来の意思決定方法を変えたい。これが書籍の出版のきっかけです。」(ヨーン)

資生堂とレクサスのマーケティングに外部データはどう影響している?

イベント後半では、資生堂とレクサスのマーケティング担当の方お二人をお招きし、弊社CEOとともにパネルディスカッションを行いました。テーマは「外部データがどのように企業の意思決定を導くのか?」。語っていただいた内容の一部をご紹介します。

 

ソーシャルメディアのデータが、すでに意思決定に影響している

  

 株式会社資生堂 クレ・ド・ポー ボーテ ブランドユニット
 ビー・アサヴァジャル氏(マーケティング シニアディレクター)

資生堂のインフルエンサーマーケティングなどを手掛ける、ビー・アサヴァジャル氏。
ソーシャルメディアマーケティングにいち早く取り組んでいらっしゃいます。

 

仮説がないと、データの海に溺れてしまう

「データを活用するには、まず仮説を立てることが大切。そうしないとデータの海に溺れてしまいます。『仮説を立証するにはどうすればいいか?』という問いを常に意識すれば、偏見なくフラットにデータを使うことができます。」(アサヴァジャル氏)

 

新商品をスピーディーに生み出すためのデータ活用が課題

 「美容業界は今、スタートアップ企業がシェアを伸ばしてきています。こうした企業はデータを機動的に使っているのが特徴。ソーシャルメディアで強いコミュニティを持ち、商品開発からバズづくりまでスピーディーにできています。

私たち資生堂は長年肌を研究してよりよい商品づくりを目指していますが、今後マーケットにどう素早く対応していくかは課題ですね。今は新商品を出すスピードが求められていますから。もっとソーシャルメディアのデータを使いこなす必要がある、と感じています。」(アサヴァジャル氏)

 

企業買収の意思決定にも、ソーシャルメディアのデータが重要

 「例えばスタートアップ企業の買収を検討するケース。財務や収益性などのデータも大切ですが、今はソーシャルメディアのデータも大きく影響します。単に売上が上向きだからではダメ。企業を買収すべきかをリーダーに意思決定させるには、ユーザーがどう評価しているか?という『人』の分析が必要なんです。」(アサヴァジャル氏)

 

アドバイスは「失敗を恐れず、リスクを取って」

 「私も早くからソーシャルメディアを使ったマーケティングに取り組んでいますが、ミスもありました。でも失敗があったからこそ、検証できる。これからトライする方には、もっとリスクを取って!とアドバイスしたいですね。」(アサヴァジャル氏)

 

 

データは企画を正当化するためではなく、次にすべきことを見つけるために使う!

 

 Lexus International
 スピロス・フォティノス氏(グローバルブランディング・マーケティング室長)

 レクサスのグローバルブランディングを統括するスピロス フォティノス氏。
 マーケティングリーダーとして、社内で取り組んでいることを語っていただきました。

 

グローバルマーケティングでもデータを活用している 

「レクサスはグローバルラグジュアリーブランドとして、世界90か国以上でマーケティング活動を行っています。各国の状況は異なりますが、データを活用することで根底にある共通項を見つけることができています。」(フォティノス氏)

 

社内のデータ分析・活用スキル育成が課題

 「20年前のマーケティングはリーチ、頻度、GRPなどを中心として比較的シンプルでした。今では膨大な量のデータに簡単にアクセスできます。しかしそのデータを十分に分析・活用する知識や経験が、組織内に蓄積されていないのが現状です。 

マーケティングのリーダーとして、自組織内でデータ分析・活用に対する知見を育てる大きな責任があると感じています。」(フォティノス氏)

 

アドバイスは「データを使う目的を明確にすること」

「データを自分の企画を正当化するために使うのではなく、『次に何をしたらいいか』を見出すために活用すべきです。

AIは重要ですが、付加価値を付けるのはやはり人間。マーケティングに携わる者には、膨大なデータの海を泳げる能力が重要だと考えます。

どのようなデータを扱う際にも、最も重要なことは「何を知りたいのか」を明確にすること。データを活用したいなら、まずは自分の中の質問をはっきりさせることが必須です。」(フォティノス氏)

 

 

AIは魔法ではなく、単なるアルゴリズムである


 Meltwater
ヨーン リーセゲン(創立者兼CEO)

Meltwater社のCEOヨーンリーセゲンもパネルディスカッションに参加。
外部データの収集/分析ツールを提供する立場として、AIやプライバシーとの向き合い方について語りました。

 

外部データは業界全体にフォーカスできるのがメリット 

「内部データは社内のことしか把握できません。でも外のデータに目を向ければ、業界全体にフォーカスできます。競合のベンチマーキングができ、意思決定はもっとプロアクティブ(先行)になります。」(ヨーン)

 

AIのレコメンドに疑問を持つことも大切

「外部データは膨大で、消費者の声も今までにないくらい集めることができます。だからAIなどのテクノロジーを使って自動分析してスコア化すれば、優先順位を付けやすくなります。

でもAIはあくまでアルゴリズム。 だからAIのレコメンドに従うだけではなく、時には人間の本能に基づいて、「これは本当にやるべきなのか?」と疑問を持つことも大切です。そういう意味では、経営者の役割が変わってきているといえますね。

なお、Outside Insightにとってプライバシーはとても重要な問題だと感じています。データを使う全ての人が真剣に考えるべきですし、センシティブな対応が必要です。」(ヨーン)

 

最後に 

おかげさまで今回のイベントには、200名近くの方にご来場いただきました!ご参加いただいた方からは「グローバルな話を聞く機会はなかなかないので参考になった」「ソーシャルに取り組むきっかけになりそう」といったご感想もいただいています。

イベントの企画運営に携わった立場としては、うれしい限りです。もちろん改善すべき点もフィードバックをいただいたので、次に活かしたいと思います。

イベント後の懇親会では、さまざまな業界・業種・国籍の方々にて熱い意見交換をしていただいたようです。広報やマーケティング担当の方々が集まって交流する機会って、そんなに多くないですよね。 

弊社Meltwaterは、メディアモニタリングツールの提供がメインビジネスです。でもそれだけではなくて、クライアントの方同士がコミュニケーションできる場も提供していきたいと思っています。成功事例ももちろんですが失敗事例なんかもシェアできると、ビジネスの新しいステップにつながりますよね。

書籍「Outside Insight」日本語版の出版も、弊社にとって大きなステップだと考えています。これからも広報・マーケティングを担当されている方々をサポートしてまいります!

書籍「Outside Insight」日本語版について

 

FacebookのInstagram買収も、実はネットにある外部データの活用がカギでした。外部データを活用する「Outside Insight」を取り入れれば、競合の一歩先を行き新しいビジネスや戦略につなげることができます。

「Outside Insight」の事例から実践方法まで、弊社Meltwater CEOであるヨーン・リーセゲンが1冊にまとめました。

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