浮気しないで自社ブランドを支持する「ブランドアドボケイト」の探し方

マイクロインフルエンサーに代わって、マーケティング業界で注目を集めるブランドアドボケイト(熱狂的支持者)。前回のブログ「海外で注目のブランドアドボケイト、マイクロインフルエンサーとの違いは?」では、ブランドアドボケイトが人気の理由を紹介しました。

「うちもブランドアドボケイトとつながりを深めて、マーケティングに生かしたいんだよね」といったうれしいコメントも、いただくようになりました!そうなるとブランドアドボケイトになりそうな人とどうコミュニケーションを取ればいいのか、知りたくなりますよね。そこで今回は日本や海外の事例をもとに、ブランドアドボケイトとの付き合い方(エンゲージメント)について考えます!

また、「そもそもブランドアドボケイトになりそうな人を、どうやって見つけるか」、これも気になるところですよね!まさか SNSアカウントをひとつずつ、過去の投稿を全部見ていかないといけないのか…と途方に暮れていませんか?

今はもっと手軽にブランドアドボケイトをスカウトする方法があります!具体的にブランドアドボケイトを発掘・管理するための専用ツールや具体的な手順も紹介します。

日本企業がよく使うブランドアドボケイトとのエンゲージメント術とは

ブランドアドボケイトというワード、残念ながら日本での認知度はまだまだ低い状況です。でも実は、コアな熱狂的ファンとのつながりを大事にするという動きは日本でも増えてきています。

特に目立つのがスポーツビジネス。例えばサッカーチームの川崎フロンターレは、コアなファンを大事にして、ソーシャルメディアで積極的に交流していることで知られています。

こうしたスポーツビジネスの事例は、NHKでも特集が組まれました!ブランドアドボケイトというワードの知名度は高くないけれど、実際日本でも注目は集まってきているというわけです。2019年4月に放送された「クローズアップ現代+」の特集「ファンファーストで売り上げ10倍!スポーツに学ぶ最新戦略」をご覧になった方も多いのでは?

この特集では、万人受けではなく少数のコアなファンを最優先することを「ファンファースト戦略」と命名。野球やバスケットのチームがコアファンとコミュニケーションを深める様子を紹介していました。コアなファンのアツい想いがソーシャルメディアで広がって、新たなファンを呼び込む…という効果も紹介されていましたが、これってまさにブランドアドボケイトの実例ですよね。

もちろんスポーツビジネスだけじゃなくて、日本でもブランドアドボケイトはいろんな企業に広がってきています。日本の事例を見ると、まとまった予算を使ってブランドアドボケイトとエンゲージメントを深めるところは少ないようですね。

むしろ社長や社員とファンの距離を縮めて、地道にファンの熱意をアップさせていく…みたいな感じでしょうか。ブランドアドボケイトにかけられる予算が日本ではまだ少ない、という事情もあると思いますが、ブランドアドボケイトとの共感やコミュニティを大事にするところは、日本らしいやり方かなという気もします。

海外ではブランドアドボケイトとどうやってコミュニケーションしている?

一方海外では、コストをかけてブランドアドボケイトとコミュニケーションするのが主流。例えば前回のブログでも紹介した、アメリカのアパレルブランド「REVOLVE」のケース。ブランドアドボケイトへ「高級リゾートに無料招待」という高額なインセンティブを用意してソーシャルメディアへの投稿を狙うやり方は、日本とはかける予算が大きく違いますよね。

もちろんお金をかければいいわけではなくて、ブランドによって効果的なインセンティブは違います。「REVOLVE」の場合は、高級リゾートというインスタ映えする特典を使って、ブランドアドボケイトのインスタ魂に火をつける、という戦略でした。

海外ではわりとブランドアドボケイトに予算をかけるところを見かけますが、これはマイクロインフルエンサー用に見ていた予算をブランドアドボケイトに回すケースが多いようです。日本のインフルエンサー施策も今後はこうした動きが進んで、もっと予算をかけた取り組みが増えるのではないでしょうか?

そもそもブランドアドボケイトにふさわしい人ってどんな人?

ブランドアドボケイトは熱狂的支持者という意味ですが、ファンなら誰でもOKというわけでもないんです。ではブランドアドボケイトにふさわしい人って、そもそもどんな人でしょうか?主なポイントは2つあります。

1.行動力がある人

ファンであることに加えて、ブランドを応援する行動を取ってくれるかが重要です。自分一人で楽しむファンより、周りの人もファンになってほしい!と思ってくれる人のほうが、外向きに発信してくれますよね。

2.フォロワーとのつながりをしっかり持っている人

口コミを広めてもらうには、ソーシャルメディアのフォロワー数はある程度欲しいのですが…フォロワー数だけでは測れません。フォロワー数が多くてもフォロワーとのつながりが浅いと、ブランドアドボケイトとしての効果はあまり期待できないかも。普段からフォロワーとしっかりコミュニケーションできている人がいいですよね。

ブランドアドボケイトは不特定多数に口コミを広めるというより、身近な人と1to1のコミュニケーションを通じてブランドのよさを発信してくれる存在。ここがブランドアドボケイトの強みなので、フォロワーとのつながりは大事です。こういうつながりを大切にする人は、リアルな生活でも周囲に強い発信力がある人が多いはずです。

 

これらのポイントを全部クリアした理想的な人を見つけるのは、結構大変です!ブランドアドボケイトは少数精鋭なので、いろんな情報を見ながら最適な人を絞り込んでいく必要があります。

具体的には、ソーシャルメディアのプロフィールやフォロワー数、投稿数などを見て判断していきます。とはいえアカウントや投稿を眺めていても、どの人がブランドアドボケイトにふさわしいか…わかりづらくないですか?

それにブランドアドボケイトをスカウトしたあとの管理も必要です。ちゃんと投稿してくれているかどうか、全投稿をチェックし続けるのはかなり労力がかかりますから。

そこで効率的にブランドアドボケイトの発掘・管理をするためには、専用ツールを使うのがおすすめです!

ツールを使って効率的にブランドアドボケイトを見つける・管理する方法

Meltwaterのツールには、SNSアカウントをリスト化してまとめて動向をチェックできる画面があります。この画面を見れば、どのアカウントがブランドアドボケイトになりそうか、比較しながら検討できるようになっています(すでにインフルエンサーリストが手元にある場合は、リストをもとに分析することも可能です)。

<ツールで表示される主な項目>

①アカウントごとのフォロワー数とあわせて、性別などフォロワーの属性も表示。どんなフォロワーが多いのか、傾向がわかります。

②投稿内容を自動判別して、アカウントごとに「得意なジャンル」が表示されます。「ファッション」「旅行」などどんな投稿が多いかわかればブランドアドボケイトにふさわしいか判断しやすくなります。

③自社ブランド名を登録すると、自動で自社ブランドに関する投稿数が「Mensions」欄に表示。さらに競合ブランド名を登録しておけば、競合に関する投稿数や各インフルエンサーのリーチ(閲覧者数)なども表示されます。この数字を比較すれば、どれほどブランドへの影響力があるかどうかがわかります。

ちなみにブランドアドボケイトになってもらった後も、この投稿数を見れば「他のブランドに浮気していないか!?」をチェックできるというわけです。

また「Influence」という項目は、ソーシャルメディアでアクティブに活動しているかどうかをスコア化した数字。ここをチェックすれば、よりアクティブで影響力のある人をブランドアドボケイトにスカウトできます。

④さまざまな条件でインフルエンサーを検索する機能もあります。ブランドアドボケイトをスカウトするとき、利用する機会が多い機能のひとつです。

  

ブランドアドボケイトも含めて、ソーシャルメディア全体の動きを見ていこう

ブランドアドボケイトとのエンゲージメントが深まってきたら、ソーシャルメディア全体に好意的な口コミが広がっているかが、気になりますよね?インフルエンサーやブランドアドボケイトを含めたソーシャルメディア全体の動きをウォッチしていきましょう!

そこで次回は、2019年~2020年のインフルエンサーマーケティングをもっと活用するためのツールを紹介します。

某大手自動車メーカーが実践する、広報の効果測定PDCAとは!?

広報として攻めの姿勢で戦略を進めるには、効果測定が必須になってきます。でも広報の仕事って「数値化しにくい・効果測定しづらい」というイメージがありませんか?

紙メディアの場合、メディアに掲載された数は把握できます。でも広報にとっての成功って、そもそも「メディアに載ったかどうか」でしょうか…?掲載されることももちろん大事ですが、そこがゴールではないはず。掲載された後、ちゃんと伝えたい人へ意図したように伝わったか。ここまで追いかけたいですよね。

前回のブログ「紙メディアのクリッピングからデジタルへ!広報の仕事はどう変わる?でお伝えしたように、デジタルへシフトした広報はさまざまな分析がしやすくなります。そこでデジタルに対応したこれからの広報が、どんな数字を見れば効果測定できるのか…つまり広報のROIを測る方法についてまとめました!あわせて参考になる自動車メーカーの事例も紹介します。

広報がまず見るべき数字は利益より「認知度」。その理由とは?

「広報の仕事って効果測定が難しいよね」という話、実際によく聞きます。これって実は広報の目的があいまいで何を効果と見なすか、はっきりしていない…というのが大きな理由だと思います。

広報がリリースを出したり、メディアに記事を載せてもらったりする目的って何でしょう?やっぱり「企業ブランドや自社の商品・サービスの認知度を上げたい!」ということではないかな、と思います。この「認知度」を数値化できれば、広報もROIを測れるようになるはず。

もちろん広報も会社の予算で活動しているので、最終ゴールは「売上アップ・利益確保」かもしれません。とはいえ売上や利益となると、広報以外の要因もからんできます(全部広報のおかげにできればいいですけど、そうもいきません)。

広報の効果と利益を結びつけるのは、正直なかなか難しいところ。それに利益を上げるためには、まず認知度を上げるのが先ですよね!だから広報としては、どれだけ広く認知させたか?という「認知度」を指標にするのがわかりやすいと思います。

でも、メディアに載った数で認知度を見るというのは問題アリ。たくさんのメディアに載ったから認知度が上がる、とはいかないんですよね。例えば専門メディアにたくさん記事が載ったけど、一般ユーザーに全然浸透していなかった…ということもありますから。

それにデジタルメディアでは、1つの記事が他の複数メディアに転載されることもふつうにあります。(Yahoo!ニュースもその一例)メディア掲載数と実際の認知度がズレることも、結構あるわけです。

つまり単純にメディアの掲載数だけで、認知度は測れないわけです。だからどのメディアにどんな内容で載ったか?それによってターゲットユーザーにちゃんと情報を届けることができたのか?というところまで見ていくことが大事です。

目的を明確にして攻める広報に転換!ある自動車メーカーの事例

広報の目的をはっきりさせて効果を測定し、PDCAを回している事例として某自動車メーカー広報部の事例を紹介したいと思います。

この企業では広報活動の一環として、毎年大きな展示会に出展しています。でも次第に出展に関する定型業務をスムーズに進めること自体が目的に…。そのためイベント実施後に出す社内レポートも、単なる業務報告になっていました。

「これじゃあ広報の効果測定ができていない!」と危機感を持ったのが、当時の広報課長。そこで翌年のイベント出展に向けて、弊社Meltwaterもプロジェクトに参加。まず仮説を立てて、目的を明確化するところからスタートしました。

こちらの自動車メーカーの場合、ちょうど新しいコンセプトを立ち上げたところでした。新コンセプトでは、従来よりやや高級志向のユーザーをターゲットにしていきたいということでした。それならどんなメディアに掲載されたいか?どんな内容・どんなキーワードで記事を書いてもらいたいか?こんな議論を重ねて仮説を立て、広報の目的をはっきりさせていきました。

イベント後にプレスリリースを配信、どんなメディアに掲載されたか、内容に狙っていたキーワードが含まれていたかなどをMeltwaterのツールを使ってレポートを作成(※)。仮説で目的をはっきりさせたことと、掲載数だけではなくメディアの種類や内容までチェックできたことで、効果のわかりやすいレポートになりました。

このイベントには他の自動車メーカーも出展していたので、競合他社の動きもレポートにまとめました。他社と比べることで、自社の立ち位置やウィークポイントが見えてくるというわけです。

実際にこの広報部では、来年はこのメディアを攻めよう、このキーワードで記事が載るようにリリースを工夫しよう、など次の広報戦略に活用していただいています。

※Meltwaterではすでにプラットフォームをご導入いただいているクライアント様に、レポート作成を代行するケースもあります。

認知度はどう見ればいい?広報が効果測定する具体的な方法とは

ここで気になるのが、「認知度をどう数値化して広報のROIを測るのか?」という点ですよね。そこでMeltwaterのツールをもとに、認知度を測る方法を紹介します。

Meltwaterのツールは、世界中の約30万媒体(内日本国内は約8,000媒体)から自社に関する記事を自動で抽出、分析結果を表示します。ここでは代表的な2つの方法を紹介します。

1.実際にリーチできたかどうか「潜在的リーチ数」を見る

メディアの種類によって、リーチできる人数は違いますよね。大手メディアならたくさんの人に届きますし、専門性の高いメディアなら届く人の数は少なめです。

Meltwaterツールの「潜在的リーチ数」という項目では、メディアごとにおおよそのリーチできる人数を係数として持っています。つまりメディアに載った数だけではなく、メディアの種類によって実際にどのくらいの人数にリーチできたか、というところまで数値化しています。

プレスリリース後どのくらい認知されたかは、この「潜在的リーチ数」でおおよそ把握できるというわけです。「メディア数は多いのに潜在的リーチ数は低い」という場合、もっとリーチ数の多い大手メディアにアプローチが必要かも?というように次の施策が見えてきます。

またキーワードで絞り込むこともできます。キーワードの数を見れば自社ブランドがどんなふうに記事で扱われているか、数値化することができます!

2.自社と競合他社の広報効果を「メディア露出」項目で比較する

さきほど紹介した自動車メーカーの事例にもありましたが、競合他社と比べるのも大事です。それは自社の課題がわかりやすくなるから。Meltwaterツールでは「メディア露出」という項目を見れば、自社と競合の比較ができます。

「メディア露出」では、日別のメディア掲載数がグラフで表示されます。自社と競合他社のグラフを見比べていけば、どこに差が出ているのか一目瞭然。例えばターゲットにしているメディアの掲載数が他社より少なかったら、ワイヤー(リリース配信サービス)を見直すなど、やるべきことが見えてくるというわけです。

なおMeltwaterツールは、一般メディアとあわせてソーシャルメディアの動きも追えます。メディアに掲載後、ソーシャルでどのくらい拡散されたかをチェックすれば、よりリアルな認知度が把握できるというわけです。

・広告換算値は、デジタル時代にはちょっと古い?

ちなみにベテランの広報の方は、「広告換算値」で効果測定しているかもしれません。Meltwaterのツールにも、「広告換算値」という項目はあります。ただ個人的な観点になりますが、以前クライアント様と直接お付き合いする部署にいた時には「広告換算値」を見るのはおススメしていませんでした。

広告換算値って、紙メディアでは確かに有効だと思うんです。例えば新聞ならどの面に何段くらいの広告を出したらいくらになるか、計算しやすいですよね。でもデジタルだと、そもそも場所や面積という概念自体がないんですよね。

また、デジタルメディアは1つの記事がどんどん他のメディアへ転載されていきます。こうなるとデジタルの広告換算値って本当に正しいのかな?と疑問に感じています。

やっぱり「認知してもらう」という本来の広報の目的に合わせた数字を、見たほうがいいと思います!

ROIを測れるようになった広報の、次のミッションはソーシャルメディア攻略!

デジタルメディアにシフトした広報は、「認知度」を数値化することで広報のROIを見ていけるようになります。「広報は効果測定しづらい」という考えは、もう終わりかもしれません!

では効果測定できるようになった「攻めの広報」が、次に目指すものは何でしょう?実際に効果測定を進めている広報の方々の中には、さらなる認知度アップを目指してソーシャルメディアの攻略に取り組むところが多いようです。

そこで次回はニュースメディアとソーシャルメディア、両方から情報収集を効率的にするにはどうすればいいかを探っていきます!