海外で注目のブランドアドボケイト、マイクロインフルエンサーとの違いは?

前回のブログはマイクロインフルエンサーがテーマでしたが、インフルエンサーマーケティングはもう次のトレンドに進んでいます。最近はブランドアンバサダーやブランドアドボケイトにシフトしている企業が多いですね。

ソーシャルメディアに投稿を依頼するという点は、マイクロインフルエンサー・ブランドアンバサダー・ブランドアドボケイトともに共通。でも、実はブランドとの関係に大きな違いがあります!

日本では特に「アドボケイト」は聞きなれないワードですよね。海外のBtoCマーケティングを見ると、ファッション系・コスメ系ブランドでブランドアドボケイトに注力するところが近頃目立っています。

日本でも今後、ブランドアドボケイトがトレンドワードになる日は近いはずです!(あくまで私見ですが、きっと来ると私は信じています)「ブランドアドボケイトって、何!?」今ココロの中でそう思ったアナタのために、ブランドアドボケイトのメリットや海外・日本の活用事例をまとめました。なぜブランドアドボケイトが世界で注目されているのか、その理由を探ります!

 

マイクロインフルエンサーとブランドアンバサダー、ブランドアドボケイトの違いとは?

セレブリティ(著名人)ではないけれど、フォロワーも多くて影響力がある一般人がマイクロインフルエンサー。でも依頼するブランドのファンではないマイクロインフルエンサーだと、広告効果が出ないことも。だから一時期ほどバズってない、ということを前回のブログでお伝えしました。

今重視されているのは「真のブランドファンか?」という点。そこでマイクロインフルエンサーよりブランドへ思い入れがある人を、「ブランドアンバサダー」「ブランドアドボケイト」と呼んでいます。あらためて3つの違いについて、簡単ですがまとめてみました。

・マイクロインフルエンサー

投稿依頼時の報酬は必須。ブランドへの思い入れがある人とは限らない。そのため、報酬を出して投稿してもらっても、広告の効果は単発で終わることが多い。

・ブランドアンバサダー

ブランドにもともと好意的な人。報酬は必要だが積極的にブランディングに協力してくれる。

※著名人をブランドの顔として広告に起用する「ブランドアンバサダー」と、今回紹介するブランドアンバサダーは意味が異なります。詳しくは過去のブログで解説しています。

・ブランドアドボケイト

アドボケイト(advocate)は「支持者」という意味で、ブランドの熱狂的な支持者(ファン)という位置づけ。報酬がなくても商品提供やイベント招待をすれば、自ら能動的にブランディングに関わってくれる。

つまり同じインフルエンサーでも、ブランドへの熱意が違えば報酬などに差が出ます。熱意が少ない人ほど、報酬は多くする必要があるわけです。

【ブランドへの熱意】

マイクロインフルエンサー ブランドアンバサダー ブランドアドボケイト

ブランドアドボケイトのメリットとデメリット

3つの中で特に注目されているのが、ブランドへの思い入れが最も強いブランドアドボケイト。注目されたきっかけの1つが、大手マーケティング企業のマルケト社が2017年開催したイベントです。

当時マルケト社CMOだったChandar Pattabhiram氏は、講演で「顧客の心をつかむのに必要な3つのA」の1つとして、「Adovocacy」を挙げました。この頃から海外でも、ブランドアドボケイトというワードが広く認知されてきたように感じます。

マーケティング界の大物も重視するブランドアドボケイト。具体的にどんなメリットがあるのか気になりますよね?そこで、ブランドアドボケイトのメリットとデメリットをまとめました。

・ブランドアドボケイトのメリット

1.無報酬でも投稿・拡散してくれる

マイクロインフルエンサーやブランドアンバサダーに対しては、ソーシャルメディアに投稿してもらうため報酬を出すのが基本。一方ブランドアドボケイトはコアなファンなので、報酬がなくても喜んで投稿してくれます。(新商品提供やイベントの招待など、特別待遇は必要ですけど)

2.自主的にポジティブな投稿を続けてくれる

ブランドのファンですから、企業側から投稿をプッシュしなくても投稿を続けてくれます。ポジティブな投稿が続けば、ブランディング効果も長続きします。

・ブランドアドボケイトのデメリット

1.きめ細かいコミュニケーションが必要

ファンとしては、やっぱり特別扱いされたいですよね。だから企業は「アナタにこそ協力してほしい!」という姿勢が大事。つまりブランドアドボケイトに対しては、ひとりずつ時間をかけてコミュニケーションをとる必要があります。(一斉通知のような対応はNGです)

また同じブランドアドボケイトでも「あの人はイベントに招待されたのに自分は招待されない」と差をつけてしまうと、大問題になることも。

2.まとまった人数を起用しづらい

ブランドアドボケイトと良好な関係を続けるには、それなりの手間がかかります。マイクロインフルエンサーのように100人単位で起用するのは難しいところ。

ブランドアドボケイトの活用事例

実際にブランドアドボケイトを起用して、成功している事例を2つ紹介したいと思います。

1.インスタ投稿のためにここまでやる!?費用を全負担してリゾートへ招待

海外では、日本で考えられないやり方でブランドアドボケイトを活用している事例も。例えばアメリカのファッションブランド「REVOVLE」では、大量のインフルエンサーを起用する施策を見直しました。代わりに少人数のブランドアドボケイトに絞り込み、高級リゾート旅行に招待したそうです!参考ブログ(英語)

美しいリゾート地に行けば、Insgtagramに写真をたくさん投稿してくれますよね。ブランドとしては、リゾート中にインスタ映えする投稿をたくさんしてもらうのが目的。参加者に自社商品を無償で提供することで、自社商品が自然に投稿に載るというわけです。

驚きなのは、旅費などは全てブランド側が負担したという点。(約30万ドルかかったらしいです)それでもマスメディアへ広告を出すより、費用は安く効果は高いという判断のようです。

 

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2.社員の情熱がファンの共感を呼ぶ!日本のアドボケイト育成事例

日本ではアドボケイトというワードはまだ認知度は低いのですが、国内でも少しずつ成功事例が出てきています。代表的な事例が「よなよなエール」などのクラフトビールブランドを手掛けるヤッホーブルーイングです。

同社で最初に効果が出たのは、ネット通販で始めたメルマガ。店長がビールへの想いを熱く語るメルマガを配信し、これがきっかけでファンが徐々に増加。その結果、なんと!8年続いた赤字から脱却できたと言います。

 

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その後FaacebookやTwitter, Instagramで社員とユーザーが交流することで、さらにファンは増加。その後も社員とファン、またファン同士が語り合えるリアルイベントを開催しています。社員の情熱がファンの熱意をヒートアップさせたわけですね。純粋に楽しんでいるからこそ、「なんだか面白そう!」と知らず知らずのうちに人が引き寄せられていく・・・アドボケイトの好例ですね。

うちのブランドのブランドアドボケイトを探したい!こんなときどうすればいい?

「じゃあうちのブランドのアドボケイトは、一体どこにいるのか!?」と疑問に思っちゃいますよね!

ただ待っているだけでは、増えていかないのがアドボケイト。マイクロインフルエンサーやブランドアンバサダーの中からスカウトして、ブランドアドボケイトに引き上げることが大事です。

でもブランドアドボケイトになりそうな人を見極めるのが、実は結構難しいところ。投稿頻度や投稿内容、ハッシュタグ、フォロワーはどんな人たちか…さまざまな情報をもとに分析していかないと、見つからないんです。

そこで次回のブログでは、インフルエンサーとエンゲージメントを深めて、ブランドアドボケイトを増やす・見つける方法を紹介します!

 

紙メディアのクリッピングからデジタルへ!広報の仕事はどう変わる?

前回のブログ「将来の広報は攻めの戦略が必須!今磨くべき広報スキルとは?でお伝えした通り、これからの広報はデジタルメディアへの対応、間違いなく重要です!

以前は「出勤したら午前中は新聞をクリッピング」という方もいらっしゃいましたが、ここ数年でクリッピング業務を見直す広報は日本でもかなり増えています。そこでデジタルメディアのモニタリングならではのメリットや、デジタルが広報の仕事をどう変えているかについて、海外の動向も交えて紹介します!

一方で「紙のクリッピングもまだ必要」という方も多いはず。そんなときの対策もお伝えします。

デジタルメディアをモニタリングするメリットって?クリッピングとの違いとは

デジタルメディアのモニタリングについて、代表的な4つのメリットをまとめてみました。
※ここでいう「デジタルメディアのモニタリング」とは、専用ツールでニュースサイトやソーシャルメディアなどをチェックすること。例えばMeltwaterのツールは、キーワードを事前登録すると国内外のデジタルメディアから対象記事を自動抽出。掲載数を集計できたり結果をメールで配信したりする機能もあります。

1) デジタルのモニタリングは低コスト

「クリッピングは社内作業だからコストゼロ」という方もいらっしゃるかもしれません。でも人件費として考えると、どうでしょうか?クリッピングはかなり作業時間がかかるため、実はかなりのコストになることも。

外部クリッピングサービスを使うケースもありますが、利用料が気になりますよね。「クリッピングサービスは従量課金制なので、記事数が増えるとコストも跳ね上がる」というお悩みもあるようです。

一方、自動で情報収集できるデジタルのモニタリングツールは、社内の人件費はほとんどかかりません。Meltwaterツールは年間サブスクライブ型なので導入時に費用は発生しますが、利用期間中は使い放題なので月額での追加料金を気にしないで利用できます。

・検索エンジンでモニタリングするときの注意点

ちなみに検索エンジンで検索すればタダでデジタル対応できるのでは?というご意見もありますが…いくつか注意したいことがあります。

まず対象媒体。検索エンジンでニュース検索できるのは平均約300媒体といわれます。一方モニタリングツールは数千、数万という媒体が対象。(Meltwaterのツールでは、国内で約8,000媒体、全世界では約360,000媒体が対象です)

また検索エンジンは検索結果の表示順を独自に決めているため、見たい記事を見落とす可能性も。さらに検索エンジンは掲載数推移などの分析機能がありません。掲載状況の集計に手間がかかる点も注意点です。

2) リアルタイムで情報収集ができる

紙メディアは情報が伝わるまで、多少のタイムラグがあります。例えば2019年4月の新元号「令和」の発表。デジタルメディアでは新元号発表とほぼ同時にニュースが流れましたが、新聞の号外が出たのは発表から約1時間後でした。あらためてデジタルのリアルタイム性がわかる事象ではないでしょうか。

社内回覧するときも、クリッピングではスキャン・PDF化・メール送信といった作業でタイムラグが起こりがちです。でもデジタルのモニタリングツールなら、例えば毎朝自動で社内に一斉メールする機能を使えばタイムラグなく共有できます!

※余談ですがクリッピングした記事の社内共有では、著作権も要注意(社内共有がNGなメディアも)。デジタルのモニタリングツールでは、著作権はクリアになっていることがほとんど。例えばMeltwaterのツールではメディアごとのルール(本文を〇文字まで表示するなど)が設定済みなので、安心して社内共有できます。

3)デジタルメディアなら、カバーできる範囲が広い

クリッピングは人が目視で全ページをチェックするのが一般的ですが、チェックできる量に限界がありますよね。デジタルのモニタリングは数千ものメディアをほぼ一瞬でチェック可能。さらに新聞など主要メディアのほかソーシャルメディアもまとめてリサーチできます。

グローバル企業の場合、海外メディアのモニタリングも必要。デジタルのツールなら、世界中のメディアをチェックできます。Meltwaterのツールを利用中のお客様でも、海外メディアをチェックしている方は多いですね。例えば北米担当、アジア担当などのエリアマネージャーが、いつどこにいても自分の担当エリアのニュースをウォッチできるようになった、という事例もあります。

4) 広報業務を大幅に短縮できて、分析も一瞬でできる

デジタルのモニタリングツールは、ほとんどのタスクが自動化されます。そうなると紙のクリッピングにかかっていた時間を、他の広報業務(例えばデータの分析とか!?)に充てられるというわけです。

またデジタルのモニタリングツールには、掲載状況を自動でグラフ化する機能もあります。例えば「1時間後に役員会が始まるけど、先日出したリリースの反響をレポートにしてくれない?」と言われたときも、デジタルのモニタリングツールならきっと余裕です!

やっぱりクリッピングは続けたい。こんなときはどうすればいい?

メリットの多いデジタルメディアのモニタリング。とはいえ紙メディアのクリッピングをやめるのは難しいケースも…。

弊社のチームやお客様からの情報によると、日本では主要な新聞の影響力が大きい、上層部に紙メディアのこだわりがある人が多い、一部業界紙などデジタル化されていないメディアもある、といった背景があるようです。

弊社のお客様でも、まず1年は紙メディアのクリッピングは続けながらデジタルのモニタリングツールを試す方が多いですね。

デジタル上で紙メディアをクリッピングできるというサービスも、実はあります。例えばアメリカのダウジョーンズ社による「Factiva」。世界約200ヵ国・約32,000媒体の記事のクリッピングがデジタルでできるサービスです。(実は最近パートナーシップを結んだので、紙とデジタルが弊社のプラットフォームで確認ができるようになったんです!)

これなら紙のクリッピングを続けながらデジタルにも対応でき、かつ業務効率化も実現します。

デジタルへ移行した広報が取り組み始めた、新しいミッションとは?

デジタルへ移行した広報は、クリッピングに充てていた時間を、どう活用しているのでしょうか?弊社のお客様からは、自社の分析とあわせて競合分析ができるようになったというお話をよく聞きます。デジタルのモニタリングツールでは、自社と同じように競合他社のリリース配信内容や配信タイミング、ソーシャルの投稿状況も手軽にリサーチできます。

デジタルの部分で日本より一歩進んでいる海外を見ると…デジタルメディアを駆使して、新たな広報活動を展開するところも。

例えばソーシャルメディアによるMomentum(モメンタム)を狙うケース。自社の記事がメディアに掲載されて終わりではなく、ソーシャルメディアを通じてファンや社員が記事を転載・シェアして、パブリシティ効果が持続するという状態です。(Momentumは「勢い」という意味)

「メディアに記事が載った!」という結果だけではなく、「記事をどこまで広められるか?」というのも広報のミッションになってきているようです。

デジタルメディアのモニタリング体制ができたら、次にやるべきこととは?

デジタルメディアのモニタリングには、コストなど多くのメリットがあります。それだけではなく、自社の分析や競合分析で新たな広報戦略を進められる点もメリット。広報の社内の立ち位置や影響力も変わっていくはずです!

またソーシャルでどこまで転載・シェアされたか把握できれば、紙メディアの掲載状況だけでは見えなかった部分も含めリアルな分析ができますよね。

ただ広報業務の分析となると「具体的にどう効果測定すればいいのか」「そもそも広報のROIはどう測定するのか」という、新たなクエスチョンも生まれます。

紙メディアのクリッピングでは、メディアに載れば調査は終了。でも本来は掲載がゴールではないですよね。メディアに載った結果、世間に認知されたか?会社の利益につながったか?というところまで追いかけたいところ。そこで次回のブログでは「広報のROI」について紹介していきます!