マイクロインフルエンサーマーケティングって今後どうなる?

BtoCマーケティング関連で2018年にバズったワードのひとつといえば、「マイクロインフルエンサー」。マイクロインフルエンサーといえば、セレブリティ(著名人)ほどではないが、フォロワー数が多い一般人であり、共感を持ちやすい人と言ったところでしょうか。そんなマイクロインフルエンサーを起用するケースがここ数年多かった感じがします。

日本でも、外資系のファッションブランドやコスメブランドが、いち早くマイクロインフルエンサーを起用しました。とはいえ2019年に入ったあたりから風向きが変わり、マイクロインフルエンサーのトレンドはだいぶ落ち着いたような。海外ではマイクロインフルエンサー施策を見直すケースもあって、ちょっと気になるところ。

マイクロインフルエンサー特有の課題もあるのですが、実はソーシャルメディア側(特にInstagram)の方針変更も大きく影響しています。

弊社のお客様からも「前ほどマイクロインフルエンサーの話って聞かないけど、最近どうなんだろう?もしかして次のトレンドが来ている?」というご質問をいただく機会が増えてきました。

そこでマイクロインフルエンサーのメリット・デメリットや現状とともに、次にトレンドとなりそうなワードを紹介します!

マイクロインフルエンサーの3つのメリット

そもそもなぜマイクロインフルエンサーは一時期大人気だったのか…実はセレブリティを起用する取り組みと比べていろいろとメリットがあることが理由です。大きくは次の3つかなと思います。

1. セレブリティよりもコストが抑えられる

タレントや俳優などのセレブリティをインフルエンサーに起用すると、ソーシャルメディアの投稿1回でも数百万円!なんてこともあります。

一方でマイクロインフルエンサーはセレブリティほどの知名度はないため、もっと少ないコストで投稿を依頼できます。中にはコストの安いマイクロインフルエンサーを100名単位で起用して拡散を狙う、というところも。

2.ターゲットに効率よくアプローチできる

セレブリティのインフルエンサーとなると、フォロワー数も数百万人というように膨大な数になります。そしてこのフォロワーの皆さんは、そのセレブが好きな人というくくり。

実際には性別や年代は幅広く、趣味や好きなブランドがバラバラなんてことも。フォロワー総数と実際のターゲット数に大きな差があった…ということもありえます。

マイクロインフルエンサーは、あるジャンルに特化してフォロワーを集めている一般の人たち。フォロワー数はセレブリティほど多くありませんが、フォロワーには好きなジャンルなど共通点が多くあります。つまり企業側から見れば、効率よくターゲットにアプローチできるというわけです。

3.著名人より身近な存在なので、売上につながりやすい

有名なセレブリティのインフルエンサーが投稿すると、フォロワーの中には「有名人だからこんな高いブランドを買えるんだろうなあ」「スタイルがいいから似合うけど、自分にはムリ」と感じてしまう人も。この気持ち、なんとなくわかりますよね?

でもマイクロインフルエンサーは、その辺の街中で見かける人に近い存在。実はこの親近感がメリットで、「自分にも手が届くかも?」とフォロワーが感じるため購入につながりやすいと言われています。

「企業ブランディング目的ではセレブリティのインフルエンサーを起用、商品のプロモーション目的ではマイクロインフルエンサーを起用」というように、使い分けているところもあります。

マイクロインフルエンサーのデメリット

メリットがある一方で、やっぱりマイクロインフルエンサーならではの課題もあります。よく言われているのが「必ずしも自社ブランドのファンとは限らない」という点。

極端な例ですが、「ストリートファッション大好き」というマイクロインフルエンサーへ、コンサバティブなブランドが投稿を依頼したら…どうでしょうか?もちろん報酬を出せば、投稿自体はOKしてくれる可能性もありますよね。でも好みのブランドではないため、投稿1回きりで終了…なんてこともありえます。せっかくインフルエンサーマーケティングをしても、効果が続かないのはもったいない話です。

ブランドへの思い入れが少ないと、企業側としては「もっと投稿してください!!」と催促したり、「本当に企業が依頼した通りの投稿をしてくれているか?」と内容をチェックしたりという手間がかかってしまいます。この管理する手間、マイクロインフルエンサーの人数が多くなると、なんだかんだでかなりの負担になります。

また報酬ありきになってしまうので、「思っていた以上にコストがかさむ」という悩みも出てきます。実は海外でも、悩みは同じ。そこでマイクロインフルエンサーの起用を見直す企業も出てきました。

日本ではどうでしょうか?同じようにいち早くマイクロインフルエンサーを起用した企業の中には「本当に求めているターゲットにアプローチできているか微妙。施策を見直している」という話も耳に入ってきます。

 

マイクロインフルエンサー施策にとって衝撃のInstagram方針転換とは?

今やマイクロインフルエンサーのプラットフォームといえば、Instagramがメイン。日本でもInstagramのユーザー数は急速に伸びていて、2018年9月時点で約2,900万人が使っています。(実はこの数字、初めてFacebookのユーザー数を超えたということで大きな話題にもなりました)

そもそもマイクロインフルエンサーを起用するには、ユーザー属性のほかどんな投稿をしているか、どんなフォロワーを抱えているかなどをリサーチする必要があります。そこで弊社を含むメディアモニタリングの企業では、Instagramのコンテンツを入手して分析できるツールを提供しています。

しかしInstagramは2018年に方針変更を打ち出し、これがマイクロインフルエンサー施策に大きな影響を与えています。これにはFacebookで以前起こった、個人情報に関する不祥事が背景にあります。(現在InstagramとFacebookは同じ資本)

Facebookの件を受け、Instagramでも個人情報の漏洩を防ぐ対策として、APIの一部機能を制限。つまり従来のやり方では、マイクロインフルエンサーを起用しづらくなっているというわけです。

マイクロインフルエンサーの次に来るワードとは?

セレブリティをインフルエンサーに起用する場合と比べて、低コストでターゲティングがしやすいなどのメリットがあるマイクロインフルエンサー。ただしかつてバズった時期と比べると、現在の注目度はやや落ち着いたかな、という状況です。

これはInstagramの変更方針による影響や、「自社ブランドのファンになってもらえないと、結局手間やコストがかかる」という課題があるため。

でも、もしマイクロインフルエンサーが、自社ブランドをアツく支持してくれるファンになってくれたらどうでしょうか?企業側がアプローチしなくても、積極的に投稿してくれるようになります。報酬を出さなくても、商品を進呈したりイベントに招待したりすれば、ファンですから喜んで投稿してくれるはずですよね。

つまり単にマイクロインフルエンサーを起用すればOKではなく、「本当にブランドを支持しているか、ブランドへの思い入れがあるか」ということが大切になってきています。

そこで海外では、マイクロインフルエンサーよりもっとブランドに思い入れのある人を起用する方向にシフトしています。こうした人は「ブランドアンバサダー」や「ブランドアドボケイト」と呼ばれています。

特に「熱心なファン」と訳される「ブランドアドボケイト」は、海外のインフルエンサーマーケティングで注目の存在。今後日本でトレンドワードとなる日も近いのではないでしょうか?

そこで次回のブログでは、「ブランドアンバサダー」や「ブランドアドボケイト」について、違いやメリットなどを詳しく紹介します!

 

将来の広報は攻めの戦略が必須 今磨くべき広報スキルとは?

広報やPRを担当している方の中には、「プレスリリースを出して、掲載されたかどうか新聞をチェックする毎日…」という方も多いのではないでしょうか。
新しいことに取り組みたいと思っても、「会社があまり新しい手法に積極的ではない」など、さまざまな事情があるようです。とはいえ今は紙メディアだけではなく、デジタルメディアやソーシャルメディアの利用が進んでいる時代。「広報の業務、本当にこのままでいいのかな?」と悩んでいるという方も多いようです。
また広報としてのキャリアプランを考える上で「将来どんなスキルが必要となるのか?」という点も、気になるところ。
実際に海外では、ここ数年で広報やPR活動は大きく変化しています。そこで海外のトレンドも交えながら、将来の広報に求められる役割やスキルについて紹介します!

世界の約50%の人がソーシャルメディアでまずニュースをチェックする

近頃は電車の中で新聞や雑誌を読む人、少なくなりましたね…気づいたら車内にいる全員がスマートフォンの画面に夢中だった!なんて経験もあるのではないでしょうか?
クリッピングなどメディアモニタリング(情報収集)は、欠かすことのできない広報業務の一つです。とはいえ将来の広報を考える上では、ニュースメディアのトレンドも把握しておきたいところ。実際、デジタルメディアの利用は思った以上に進んでいるようです。
グローバルに展開している広告代理店Oglivyが2016年に行った調査では、意外な結果が出ています。アジアを含む世界のメディア関係者を対象に、主にニュースをどこでチェックするかをリサーチ。その結果なんと約50%がTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアと回答しています。一方で紙の新聞(Traditional Newspapers)という回答は、20%にとどまっています。

 

 

日本も世界と比べれば緩やかですが、デジタルメディアへのシフトは進んでいます。PR総研が2016年に行った「メディア利用度に関する調査」によれば、1位はネット検索、3位はニュースサイトとなっていて、いずれも新聞を上回るという結果が出ています。
この結果をタイプ別で見ると、特に学生・20代ではデジタルメディア派が多数ということがわかっています。将来はこうした1980年~2000年代に生まれ、子どものころからスマートフォンやソーシャルメディアに慣れ親しんでいる世代、いわゆる「ミレニアル世代」が消費者の中心になっていきます。つまりデジタルメディアへのシフトは、ますます加速するのではないでしょうか。
こうなると広報としては、紙メディアのメディアモニタリング(情報収集)だけでは足りません。ニュースサイトやソーシャルメディアなど、幅広いデジタルメディアへ対応する必要があるわけです。

ソーシャルメディア活用が「できる広報」への道

 Ogilvyのリサーチ結果にあるように、すでにニュースを得る手段として主流になっているソーシャルメディア。実際にアメリカなどの海外では、広報もソーシャルメディアへの取り組みを積極的に行っています。
一方で日本の状況を見ると、ソーシャルメディアで企業アカウントが炎上したというネガティブな報道が目立ち、「広報としてソーシャルメディアとどう向き合えばいいか悩む…」というケースが多いようです。
もちろんリスクへの対策も重要ですが、ポジティブな意味でのソーシャルメディア対応も今後広報業務の範疇になってくるはずです。
弊社のクライアント様でも、広報やPR部門がソーシャルメディアを使って大きな効果を上げている事例があります。ある酒造メーカーでは、新商品のPRを考えた際にあえてデジタルに強い若手社員を集め「予算は出す!やり方は任せる!」という大胆な決断を行いました。
若手チームは若年層をターゲットにして、インフルエンサーを活用するなどソーシャルメディアを駆使。最終的に売上もブランド認知度も大きく向上したそうです。
広報といえば、従来はメディア対応が業務のメインでした。しかしソーシャルメディアの場合、顧客など個人とのコミュニケーションも必要になってきます。つまりこれからの広報が対応するべきステークホルダーは、メディアに限らずもっと広い範囲になってきていると言えます。

守りの広報から、将来は攻めの広報へ!

 広報業務といえば、プレスリリースを出してメディアの掲載を待つ、いわば「守り」というイメージがあります。でもこれからはメディアだけではなく、さまざまなタイプのステークホルダーが相手。そこで広報から積極的にコミュニケーションを図る「攻めの広報」への方向転換が求められています。
実際に海外では、攻める広報が主流。取材依頼を待って「記事化されてラッキー」という希望的観測で動く、ということは少なくなっています。攻めの広報では、媒体ではなくそのジャンルに強いジャーナリストを指名してリリースを送り記事化を狙うことも。
実はこうした攻めの広報、一部グローバルに展開する日本企業にも広がってきています。ある大手電機メーカーの海外向け広報も、最近攻めている事例です。このケースでは特定のジャンルに強いジャーナリストに狙いをつけてアプローチ。記事化につながった後も、Meltwaterのツールで海外での反響を分析するなど、先進的な取り組みをしています。(ただ日本では海外と比べるとジャーナリストの署名記事が少ないため、国内では事情も違うかもしれませんが)

将来、広報とマーケティングが一体化する?

 ターゲットを見極め、広報自らが積極的に行動を起こす―このスタイルは、もはや広報というよりもマーケティングでは?と感じた方も多いかもしれません。実は今、広報とマーケティングの境界線が曖昧になってきているのも事実です。
日本では広報部門とマーケティング部門は明確にチームが分かれていることがほとんど。同じ案件でも、リリースを出す広報部門とプロモーションを担当するマーケティング部門のコミュニケーションが少なく、アウトプットの内容がちょっとズレている…なんてケースもあります。
海外を見ると、広報とマーケティングが一体化しているケースが多いのです。同じ部門の中に広報とコンテンツマーケティング担当がいることも珍しくありません。こうなると広報もマーケティング担当と一緒に営業成績を見て「どうやったら数字を上げられるのか?」という視点で広報業務に取り組みます。中には広報でも「数値目標」を持つ、というところも出てきています。つまり、広報担当もマーケティングスキルが求められてきます。実際にある先進的な取り組みをしている方にお話を聞いたところ、「これからの広報はリリースの文章力があるかよりも、数字にフォーカスしてリリースを書ける人が強いよね」ということをおっしゃっていました。
広報にとって、これからはメディアだけではなくその先にいる顧客が相手。媒体に掲載されたときの広告換算値だけではなく、顧客へメッセージが浸透したかどうかの効果分析も広報のタスクになってくるのではないでしょうか。

攻める広報になるために、どう動けばいい?

将来の広報を取り巻く環境と、必要なスキルをまとめると以下の5つになります。

1.ミレニアル世代が消費の中心になり、ますますデジタルメディアへのシフトが進む
2.特にソーシャルメディア活用が広報の課題。ここが「できる広報」になれるかの分かれ目
3.ソーシャルメディアをはじめ、従来のメディア以外のステークホルダーが増えている
4.相手が増えれば、取材を待つ守りの広報から攻めの広報にシフトする必要がある
5.攻めの広報には、マーケティングスキルが求められる

とはいえ、いきなり攻める広報へ方向転換するというのは、なかなか無理があります。「どこから手をつけていいかわからない…」というケースも多いかもしれません。
まずは、デジタルメディアを幅広くメディアモニタリングできるかどうかがベースになります。現状紙メディアだけチェックしているという場合は、ソーシャルメディアを含めたデジタルメディアを網羅できる体制を目指したいところ。
そこで次回のブログでは「紙のクリッピング業務を見直す方法」について詳しく解説します!