最近ソーシャルリスニングが話題ですが、これはソーシャルメディア・モニタリングの別の呼び名です。技術的なレベルで言うなら、ソーシャルリスニングは「検索」についてよく表している名称です。今日では、ソーシャルメディア上で繰り広げられる何十億もの会話から、ツールを利用していつでもインサイトを抽出することができます。貴社がまだソーシャルリスニングを始めていないか、またはソーシャルリスニングへの取り組みを強化する方法を模索しているなら、以下の3点を押さえておきましょう。

1) ソーシャルリスニングを利用するためにソーシャルメディアのマーケティング・プログラムは必要ない

ソーシャルリスニングは、関連のあるソーシャルコミュニティからのインプットが役立つビジネスの取り組みにおいて、情報を得るための優れた方法です。インターネット上の膨大な数のソーシャル・カンバセーションをまとめて高速処理し、ビジネス上のインサイトを提供するツールが登場する前は、フォーカスグループや世論調査が行われていました。

従来の3Cビジネスモデル(顧客(Customer)、競合(Competition)、自社(Company))に関わる取り組みには、ソーシャルセンチメントの測定が有効です。このように考えると、ソーシャルリスニングは貴社全体においてさまざまな方法で利用することができます。

  • 研究/開発:製品や機能に関して人々が何を言っているかをリスニングし、新製品のアイデアを見つける
  • 営業:特定地域のチャッターは新しい市場機会となり得るか
  • 法務:関連性のある問題、判例、出来事に関するソーシャルセンチメントを調査
  • 人事:従業員は過去と現在において何と言っているか
  • カスタマーサービス:貴社の顧客は何と言っているか
  • クライシス・コミュニケーション:大変な事態だが、どの程度深刻か
  • PR/コミュニティ・マネジメント:エンゲージする価値のあるインフルエンサーやデトラクター(批判者)がいるか
2) 支払った額に見合うものを得る(それでOK)

あちこちで同時に無数のソーシャル・カンバセーションが生じている状況では、貴社のビジネスの取り組みに関連するものを見つけることは至難の業です。あなたは優秀であってもスーパーマンではありません。スーパーマンを目指すのではなく、ツールを利用しましょう(それでもマントを羽織ることはできます)。

ソーシャルメディアの取り組みを始めたばかりの段階なら、無料またはフリーミアム(一部無料)のソーシャルリスニング・ツールを利用できます。これらのツールは分析するデータソースの数に制限があるため無料となっており、ソーシャルモニタリングを試してみるには有効な方法です。測定可能なビジネス結果を伴う本格的なソーシャルメディアのマーケティング・プログラムを開始する段階になったら、データとそのデータに関連するインサイトの両方を提供するソーシャルリスニング・ツールがお勧めです。ワードクラウドのようなシンプルなものは、貴社が関心のあるテーマについてソーシャルメディア上のチャッターで何が話題になっているか、迅速にインサイトをもたらしてくれます。

「なぜこれらのツールはすべて無料でないのか」と疑問に思うかもしれませんが、答えは簡単です。「誰かがツールを開発して、維持しなければならない」という理由に加え、実際にはデータそのものが無料ではないのです。例えば、Meltwater Buzzは技術的に可能な限り多くのデータを収集し(専門の技術者向けに言えば、TwitterのFirehose全体を取得し)、ソース結果とそれに関連するビジネスインサイトの両方を提供しています。

貴社がグローバルに事業を展開している場合、複数言語でモニタリングした結果を母国語に翻訳したいと考えるでしょう。しかし無料のツールではこのような機能はサポートされません。

3) 消費者がソーシャルモニタリングに対してどのように感じるかは不明※

本記事の冒頭にあるインフォグラフィックによれば、米国のすべての世代の消費者の32%、そして驚くことにミレニアム世代の38%は、企業がリスニングしていることを知りません。40%以上の消費者が、オンライン上のリスニングはプライバシーの侵害であると考えています。しかし、企業が製品改良のためにリスニングすることを望む消費者は50%近くに上り、そのうち60%近くは、企業にソーシャルメディア上の不平不満に応えてほしいと考えています。

つまり、消費者のメッセージは「私が聞いてほしいときに言うことを聞け」と言っているようなもので、これは貴社がソーシャル・カンバセーションを始めるときの行動として最も求められていることなのです。リスニングによって貴社のターゲット・コミュニティが何を言っているかに加え、どこでどのように会話に加わるのがベストなのかを知ることができるのです。
さあ、リスニングを開始して、罵声を浴びる覚悟をしましょう。私たちコミュニティマネージャーは、このようにチャットルームや掲示板が普及して、デジタル・コミュニケーションに気軽に参加でき、パソコン画面の背後に座ったまま匿名で発言できるという時代には、「うるさい車輪症候群(squeaky wheel syndrome)」がある程度生じやすいことを学びました。貴社のTwitterフィードに苦情が流れてきてもあまりカッとせずに、そうしたコミュニケーションを生産的なものにするためのアクションプランを準備しましょう。

現在は多くのデータがあふれており、知識はパワーとなります。貴社のビジネスの取り組みを人々の知恵で導いてもらいましょう。つまるところ、ソーシャルリスニングは新しいフォーカスグループなのです。

※“Social Listening vs. Digital Privacy,” JD Power & Associates & Netbase, 2013