想像してみてください。あなたは今度のヨセミテ旅行のために、インターネットで登山用の靴を探しています。いくつか気になる靴を見つけたあなたは、近くの店舗で試着してみることにします。店へ行く途中、携帯電話のプッシュ通知を受け取ります。今まさに見ていた靴の1つが20%オフになったとのこと。やった!!この靴目掛けて一直線に進んだあなたは、靴を試着し、無事購入に至ります。翌日には、この靴にぴったりのウール素材の登山用靴下のプロモーションをEメールで受け取りました。

かなりシームレスな体験に見えるかもしれません。しかし、お気づきではないかもしれませんが、このようなエクスペリエンスを提供するために、バックエンドではいくつもの異なるチャンネルを繋げる莫大な動きが展開されています。上記の例では、ウェブサイト、モバイル、インストア、そしてEメールの全てのチャンネルが使用され、あなたのさまざまなアクションに耳を傾け応答しているのです。

オンライン 上およびオフライン上でのエクスペリエンスを繋げる動きは、何も今に始まったことではありません。この必要性を理解しているマーケティング関係者は数多くいることでしょう。しかし、ボトムラインの目標、つまり最終収益に多大な影響を及ぼすその可能性について理解しているマーケティング関係者は数多くいません。カスタマージャーニー全体に影響を及ぼすためには、サイロではなく、チャンネルを越えた全体的なカスタマーエクスペリエンスに目を向ける必要があります。オンラインマーケティングは、オフラインでの行動に大きな影響を与え、またその逆も然りです。事実、Econsultancyによると、インターネット上で商品サーチを行った人の4割が、オフラインチャンネルから影響を受けた後に商品の購入に至っています。マーケティング関係者はこの事実を理解することにより、マーケティングツールの中の必要なレバーを引いて、望み通りの結果を的確に導き出すことができるのです。

それでは、オンラインマーケティングとオフラインマーケティングのギャップを埋めるための3つのステップを紹介します。

1.全てのマーケティングチャンネルを明確にし、最適な組み合わせを決定する

お使いのオンラインチャンネルおよびオフラインチャンネルを全て一覧にして、各チャンネルの所有者を明確にします(大企業では別々のチームが各チャンネルを所有している可能性があります。一方、小さな企業は単独ないし複数のチームが共有しているかもしれません)。貴社でモバイルアプリをお使いなら、一覧に含めることをお忘れなく。モバイルデバイスが私達の生活に欠かせない一部となった今、モバイルマーケティングはオンラインとオフラインの世界を橋渡しする効果的な媒体だからです。

次に、顧客との会話をシームレスに保つことのできる相補的な位置にあるチャンネルを特定します。Eメールとダイレクトメール、モバイルアプリと店頭広告、そしてSMSとオフィシャルホームページがその例です。どのような組み合わせを選ぶにせよ、目標設定から実施、効果測定、そして最適化に至るまで、チャンネル所有者の協力と賛同を確実に得ておきましょう。使用するリソースと技術インフラが既存のものであればあるほど、円滑に事を運ぶことができます。Marketo(マルケト)などのマーケティングオートメーションシステムの記録を見れば、オンラインだけでなくオフライン上での相互作用など、顧客の360度ビュー(全体像)を見ることが可能です。つまり、あるチャンネル上でのコミュニケーションを、他のチャンネル上での行動を基にトリガーさせるということが実際に可能となるのです。

2. 目標および成果指標を設定する

どのキャンペーンにおいても言えることですが、クロスチャンネルキャンペーンの実行前に、目標設定を行いましょう。収益目標から逆算して、各チャンネルの目標を決めていきます。オンラインとオフラインで使われる指標は必ずしも一致しませんが、最終的な目標は同じです。つまり、売上を伸ばし、収益を増やすことにあります。成果測定のために追跡したいオンラインおよびオフラインの指標例を以下に挙げます。

  • ウェブサイト:ページビュー数、平均セッション時間、訪問数のもっとも多いページ、直帰率、コンバージョン数、行動フロー、キーワードランキング等
  • モバイル:ユーザー数、セッション時間、アプリ滞在時間、アクション数、リテンション等
  • Eメール:クリックスルー率、コンバージョン数、登録解除数等
  • デジタル広告:インプレッション数、リーチ、クリック数、クリックスルー率、エンゲージメント率、コンバージョン数等
  • オフライン指標:店舗訪問数または展示会ブース訪問数、電話問い合わせ数、オファー使用率、店舗売上数等

オンラインチャンネルとオフラインチャンネルを統合した際に期待できる指標値の増加目標を設定します。目標値は、統合されるチャンネルや、各チャンネルがカスタマージャーニーに及ぼす影響の種類によっても大きく左右されるでしょう。保守的な目標設定であれば大体3~5%、積極的目標を掲げるのなら20%超も考えられます。また、すでに各チャンネルの目標が設定されているのであれば、そのチャンネルのROIが向上したことに起因するものではなく、別のチャンネルに牽引される指標値の増加割合を決めましょう。

3. 創造力を発揮してチャンネルを統合する

目標と枠組みが揃ったら、シームレスなエクスペリエンスを顧客に提供するキャンペーンアイデアを出し合いましょう。オンラインチャンネルとオフラインチャンネルを統合するアイデア例を以下に紹介します。

  • Eメールとダイレクトメール:トリガードキャンペーンに基づくダイレクトメールの送付により、カスタマーエンゲージメントを増やします。例えば、顧客がEメールを開封またはクリックすると、そのアクションに合わせてカスタマイズされたダイレクトメールを送付することができます。
  • 店内プロモーション:オンライン上でダウンロードして店舗で使えるクーポンをリピート顧客に提供します。クーポンに特有のコードを割り当てることにより、クーポンを使用したオフラインでの購入がオンラインマーケティングの活動に起因するものであることを知ることができます。
  • 地域限定プロモーション:モバイルデバイスの普及により、顧客がどこにいようとも顧客へのリーチが可能になりました。オンラインフォームにSMSのオプトイン項目を追加しておきましょう。重要な情報を顧客のモバイルデバイスへ送信することができます。
  • モバイルアプリのメッセージ:顧客のEメールに対するアクションの種類または有無を基にトリガーされたプッシュ通知やアプリ内のメッセージを送信します。あるいはその逆のやり方も可能でしょう。
  • イベント:指標を用いて参加者との対話を追跡・測定し、関連性の高いパーソナライズされたコンテンツでフォローアップします。
  • オフラインでのオンラインチャンネルの宣伝:QRコードとは別に、オフラインのトラフィックをオンラインチャンネルへ導く方法は数多く存在します。例えば、ソーシャルメディアのハンドルネーム、バニティURL、オフライン顧客へのクーポンコードなどによりオンラインチャンネルのトラフィックを増やすことができます。

オンライン・オフライン統合マーケティング戦略が、企業の掲げる大きな目標に多大な影響を与えるようになるまでには長い道のりが必要かもしれません。IoT(Internet of Things)が主流となりつつある今、カスタマージャーニーの中へ統合できるチャンネルは今後も増え続けていくことでしょう。また、現在お使いのオンラインチャンネルまたはオフラインチャンネルの評価を行う際、スマートウォッチやサーモスタットをはじめとする接続デバイスなどの新たなチャンネルを模索し始めるには、決して早すぎることはないということも忘れないでください。

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執筆者:Business2Community、Vyoma Kapur
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